春日無線製の「19AQ5単管ステレオヘッドフォンアンプ・パーツセット」配線図を妄想してみるテスト。

(参考:19AQ5単管ステレオヘッドフォンアンプ・パーツセット)
(未来:2006年11月12日(日曜日)の日記)

 買ってしまった後にこういうことをやるのは楽しみがない気がするので、なんとなく描いてみました。
 
 第三グリッドをビーム電極様に描いていないのは、私の趣味だから……ではなくて、ナショナル真空管ハンドブックを参考にしたことによります。
 それと、私は真空管アンプの設計ができないので、肝心な値は軒並み出ていません……ダメじゃんorz。


 真空管に6V6族の19AQ5*1を使って、アウトプットトランスには(用途の割にはオーバースペックな)シングル用のトランスを使って……というと、(ノイズが乗ることは承知の上で)こんな感じに三結にしてしまうのが一番手っ取り早いような。
 負帰還を掛けるような利得の余裕があれば、五極管接続にして負帰還を掛けて……と出来そうな気もするのだけれど、「可能な限り単純な回路」という文言があるから、負帰還は掛けていないのではないかな……と。


 ……で、アウトプットトランスの出力側には、諸事情により抵抗をパラレルで接続してみたり。
 専用に設計したトランスであればコレは必要ないのだろうけれども、汎用トランスを流用するのであれば、おそらくは(インピーダンスの整合性を保つために)必要になります。
 抵抗とヘッドフォンが並列にトランスへと接続されることにより、多少は(トランス側から見た)負荷抵抗の変動を避けることが出来ます……よって、内部接続を変えずにインピーダンスの異なるヘッドフォンを刺した場合の動作をある程度安定させることが出来ます。
 また、誤って動作中にヘッドフォンを抜いてしまったときに、真空管やトランスに無理がかかるのを多少防ぐ効果もあります。


 ……って、ここまで書いたことが真実である保障はどこにもありません^^;*2


 真空管ヘッドフォンアンプって、完成品やキットが色々と出ているようなのですが、なかなか手が出ないんですよね……。
 ELEKITの真空管ヘッドフォンアンプキットは半田付けが要らない時点で興味の対象外だし、キット屋のバッファアンプは商品の「売り文句」を見て一気に興味が萎えてしまったし……うーん。

19AQ719AQ5アンプについて検索してみた。

http://www.2sc1307.jp/audio/headphone.html
http://www.kleiber.org/audio/19AQ5/
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/av/1156132196/157-265
 あぁ……何やらかなり工夫が詰まっている感じが。
 LED3個の電圧降下を-C電源に利用しているからコンデンサCkと抵抗Rkは省略できる……と。で、バイアス遮蔽とDCカット(と電圧増幅?)を兼ねてインプットトランスを使っている……と。
 やばいなぁ……資料が全部公開してあったら速攻で買ってしまう気がする。

現物が到着したので回路図を見てみた。

 ……ぜんぜん違うし^^;。というか、自らの貧相な発想力に意気消沈orz
 自己バイアスでも発光ダイオードって使えるのか。へぇ〜へぇ〜へぇ〜(以下80回ぐらい略)。
 定電流素子でバイアスをとることが出来るのは知っていたのだけれど、定電圧素子が大丈夫だったとは。
 出力トランスは2次側・1次側ともに休遊端子なしで処理してあるし……というか、これで大丈夫だということに驚いてみたり。相当数の試作&試験販売を経ているだけに、不安はないのだけれど……ちょっと不思議な回路図に見えます。
 それにしても、予想以上にシンプルかつ美しい回路構成ですね……このヘッドフォンアンプが持つ構成ならば、多様なEMC要求(特に、ノイズを撒き散らしがちなPC関連デバイスとの接続にからむ要求)を十分に満たせるかも……と、そんな予感をさせてくれる面白さがあります。
 ノイズ対策のために部品配置などに関してかなり試行錯誤されたようで、できれば「写真を元に部品を集めて作る」のではなくて「パーツセットを買って、部品と回路図をじっくりと眺めてみる」ことをお勧めしたいところです。

*1:図では「19A95」って書いていますが、あれは「19AQ5」と読み替えてくださいorz

*2:注意:検索結果を見れば明らかなとおり、この回路図は明らかに間違っています。