和文版の五筆輸入法……いやそれ以前に五筆輸入法自体が「和文用の漢直としては」ややこしすぎるので整理してみるテスト。
(過去:和文版の五筆入力法。)
(過去:中国語IMEを触ってふと思ったこと。)
(過去:黄砂配列関連作業メモ。)
五筆輸入法が「プロ向け」になっているようなのですが、その原因は「覚えづらい」という1点が原因のような気がしました……ので、ちょっとだけ規則を整理してみることにしました。
まず、鍵盤は現行の「五筆ごとに区切った漢字が煩雑にキー上へと割り当てられている状態」だと解りにくいので、「五筆の規則を使って漢字部品の始め2画ずつを1打鍵で指定する」方式にするほうが良いのかも。
並べる順番も五筆の伝統的な順番(横縦左右折)ではなくて、今の中国本土で初等教育に使われている「ピンインの四声アクセント記号」から連想可能な順番(横左折右縦)が良さそうに思いました。
……ちなみに、「ピンインの四声アクセント記号」ってこんな感じのやつです(過去に書いたものを使いまわしてみるテスト^^;)。
ここから「1画目と2画目を【順不同で】指定する」と、Qwerty英字数に対して十分収まる計算になります。
順序不問 | 1:─(横画) | 2:/(左払い) | 3:V(折れ) | 4:\(点と右払い) | 5:|(縦画) |
---|---|---|---|---|---|
0:2画目が無い | ─ 01 | / 02 | V 03 | \ 04 | | 05 |
1:─(横画) | ── 11 | ─/ 12 | ─V 13 | ─\ 14 | ─| 15 |
2:/(左払い) | (重複) | // 22 | /V 23 | /\ 24 | /| 25 |
3:V(折れ) | (重複) | (重複) | VV 33 | V\ 34 | V| 35 |
4:\(点と右払い) | (重複) | (重複) | (重複) | \\ 04 | \| 05 |
5:|(縦画) | (重複) | (重複) | (重複) | (重複) | || 55 |
次に打鍵数……単漢字のみを出すシステムにすれば、もう少し3打鍵までで打てる文字数を増やせそうな気がします。
五筆の本則では
- 1打鍵(25キー)+スペースキー(1キー)……25×1=パターン
- 2打鍵(25キー)+スペースキー(1キー)……25×25×1=625パターン
- 3打鍵(25キー)+スペースキー(1キー)……25×25×25×1=15625パターン
- 4打鍵(25キー)……25×25×25×25=390625パターン
- 合計……406900パターン
が使えるのですが、これではいくらなんでも勿体無いわけで。
上の表で20個にパタン数を減らしたので、英字26文字との差にあたる6キーを「後置中指シフト」っぽく(スペースキーの代わりに)スプリッタとして使うとすると……
- 1打鍵(20キー)+6スプリッタ(6キー)……20×6=120パターン
- 2打鍵(20キー)+6スプリッタ(6キー)……20×20×6=2400パターン
- 3打鍵(20キー)+6スプリッタ(6キー)……20×20×20×6=48000パターン
- 合計……50520パターン
……これでも十分に空きがあるから、無連想漢直のようにびっしり定義を埋めることが出来ない連想漢直でも何とかなりそうです。
……で、テスト鍵盤。頻度とかはまったく考慮していません。
「シフト1〜6」の数字は最後に押す「後置(postfix)シフトキー」です。
Q | W | E | R | T | Y | U | I | O | P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シフト5 | ─ 01 | / 02 | V 03 | \ 04 | | 05 | ── 11 | ─/ 12 | ─V 13 | ─\ 14 |
A | S | D | F | G | H | J | K | L | ; |
シフト4 | シフト2 | シフト1 | シフト3 | ─| 15 | // 22 | /V 23 | /\ 24 | /| 25 | × |
Z | X | C | V | B | N | M | , | . | ? |
シフト6 | VV 33 | V\ 34 | V| 35 | \\ 04 | \| 05 | || 55 | 、 | 。 | ? |
……うーん、「ピンインの四声アクセント記号」の順番を生かすならば、鍵盤順序はこれで確定っぽいですな。
ひらがな・カタカナは、ひらがなの母字(@wikipedia)とカタカナの母字(@wikipedia)に示された字を打鍵し、ポストシフト1を打鍵すると出るようにすれば「漢直のフレームワークに文字を収める」という目的は果たすことが出来そう。かなの入力効率はかなり犠牲になるけど、ここは「漢触こーど」と同じ方針で「仕上げやすい方法を採用する」方向に徹してみようかと。
……で、一番問題なのは「シフト1〜シフト6までで本当に足りるのかどうか」というところで。
足りなければこの配列は破綻してしまうので……どうしても足りない場合は、E段にある数字キーを「シフト11〜20」として使うしかないでしょうね。
とりあえず、ここまでの考え方の元ネタを書き出してみます。
ピンインのアクセント記号+注音記号の考え方+五筆輸入法+NIK-50+超多段シフト「風」+漢触こーど
……配列名をつけるとすれば、すでに五筆漢直ではなくなってしまっているので……筆定義が20キーあるので「廿筆漢直(にじゅうひつかんちょく)」あたりでしょうか。
「漢触こーど」で使った漢字表からストロークを抽出するのはさすがに難儀なので、とりあえず後置シフトは不明なままで入力例を書いてみようと思います。
対象漢字 | 1打鍵目 | 英字 | 2打鍵目 | 英字 | 3打鍵目 | 英字 | 4打鍵目 | 英字 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
上 | ─| | G | 後置シフト | 不明 | ||||
下 | ─| | G | 後置シフト | 不明 | ||||
左 | ─/ | I | ─| | G | 後置シフト | 不明 | ||
右 | ─/ | I | V| | V | 後置シフト | 不明 | ||
白 | /| | L | 後置シフト | 不明 | ||||
青 | ── | U | V| | V | 後置シフト | 不明 | ||
黄 | ─| | G | V| | V | 後置シフト | 不明 | ||
赤 | ─| | G | /| | L | 後置シフト | 不明 | ||
黒 | V| | G | \\ | B | 後置シフト | 不明 |
うーん……、この9字を定義してみるだけでもえらく悩んでしまう状況では、とてもJIS漢字すべてに同じことをするのは無理っぽい気が……orz