74HCU04ヘッドフォンアンプを作ってみるテスト(実は3回目)
何もいじっていないので、音質的には見るべきものは無いのですが、「電池がないと動かない」「割と普通に鳴ってくれる」ことは確認できると思います。
※わざわざ部品を買ってきて作るべき代物ではない点に注意。まっとうな回路図をほかから拾ってきて作るのであれば話は別ですが……。
まずはLTSpiceによる簡易解析で使用した等価回路図。
74HCU04の等価回路部分については、素子名にプレフィクス「U_」をつけています。
ソース機器とヘッドフォンのアースは繋がっているのに、これらとアンプの間はアースが繋がっていない点がポイント*1。V1とR3の間は出力線とクロスしていますが、ただクロスしているだけであって「繋いではいけない」点に注意。
PHILIPSのデータシートでは、リニアアンプとして使う場合に帰還抵抗をつけることになっています*2が、74HCU04を1つだけ使う場合は負荷が重過ぎるので、帰還抵抗をつけなくても利得はなく、結果としてつけるだけ無駄っぽい状況になっています。
次に実体配線図。
配線図についている27kΩの抵抗器は、無くても動作します。
74HCU04の脇に付いている27kΩの抵抗器は、前述の理由により基本的に不要です。
出力側についている27kΩの抵抗器は、電池を付けてからヘッドフォンを刺す場合には必要です(ショックノイズが出ることを防ぐ役目があるので)。逆に、ヘッドフォンを刺したままにする場合は不要です。
ちなみに、27kΩにしている理由は「手持ち部品の関係」であり、実際には10kΩ〜47kΩ(出力側の抵抗については1kΩ〜47kΩ)あたりの抵抗であれば大丈夫だと思います……このあたりはかなりテキトーです^^;。
一応部品リストも書いてみます……けど、追試は自己責任でお願いいたします。とても動作保障はできないですので。
素子名 | 規格 | 数量 | 単価 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ジャック | TRS(必要な径のもの) | 2 | 数百円? | 入力側・出力側に。(入力側はRCAジャックでも可) |
コンデンサ | 220μF、無極性 | 4 | 数十円? | 入力側はもっと小さくてもいい。有極性しかない場合は倍容量品2個を逆極性で並列接続すれば代用できる。 |
抵抗 | 10Ω | 1 | 10円? | 特記なし。 |
抵抗 | 27kΩ | 4 | 10円? | ……念のため。実際には特に必要なし。 |
ボリウム | 10kΩ・Aカーブ・2連品 | 1 | 200円? | こだわりが無ければ、安価なBカーブでも良い。 |
乾電池ケース | 単三型2本用 | 1 | 200円? | 特記なし。 |
乾電池 | 単三型 | 2 | 100円? | 特記なし。 |
C-MOS | 74HCU04AP | 1 | 30円? | 静電気に弱い。壊れるときがあるのでレール1本(25個入り)を買うほうが良いかも? |
ICソケット | 角ピン用(面接触タイプ) | 1 | 30円? | 74HCU04が壊れたときの差し替え用。ブレッドボードで組み立てる場合にはもちろん不要。 |
ソース側機器 | 出力インピーダンス7kΩ以下 | 1 | ? | 壊れても困らないものを用意すること。 |
ヘッドフォン・イヤフォンなど | 入力インピーダンス16Ω以上 | 1 | ? | 壊れても困らないものを用意すること。 |
……さて、作って鳴ったのはいいのですが、1時間で74HCU04が壊れた様です。タイトルにもあるとおり、似たことを既に2回やらかしていたりします(泣)。
壊れ方が前回・前々回と同じくなっているので、私の体に溜まっている静電気が原因……なのか?と思ったのですが、今はまだ初秋なんですよね……うーむ。
前回は入出力コンデンサ抜きで直結にしていた*3のですが、今回はAC結合にしています……が、それはどうやら関係ないらしいです。
とりあえず、静電気持ちの私にMOS素子アンプの製作は無理だなぁ……と、ただただ反省して夜は更けていくわけです。
#続編はトランジスタアンプになる……のかも?来週末は「かえで携帯配列(仮称)」の導入試験に割り当てるので、しばらく続きは書かない気も。
……で、どこがインチキなのかというと。
ステレオにならないのですよ……左右チャネルの「差」を鳴らしているだけなのですorz。