毎パソ(毎日パソコン入力コンクール)のルールを見つつ、ふと思う。

 http://www.maipaso.net/sankasya/rule.html
 http://www.maipaso.net/faq/#q3_1
 毎パソのルールを見てふと思ったのだけれど、「特殊ではないキーボード操作」というべき「普通のローマ字入力」とはいったい何を指すべきなのでしょうか。
 「普通のかな入力=JISX6002かな入力」は規格ままに実装される例が多い(たまに変なキーボードもある)けど、IMEが「普通のローマ字入力」ではなく「どこでも使えるローマ字入力=JISX4063の表1部分」のみを実装する例って見たことがないんですよね……規格部外の綴りは各IMEごとのポリシー次第でばらばらというか。
 特に顕著なのが「L」キーの扱い……一部のワープロや、MacのIM「ことえり」あたりでは「Lは【ら】行」なわけで。


 ……で、毎パソでは「PCの持ち込み不可、キーボードも東プレの106JPかPFUHHK-Lite2のどちらか」の制限が付いている、と。
 そんな制約が付いているのに「ローマ字入力の綴りについては明文化されていない」というのは、ちょっと不思議な感じがしました。
 この点については質問したので、そのうち答えが返ってきますけど……もし【パターン4】【パターン5】【パターン6】がダメとなれば、ますますわけが解らなくなってくるような。
 JISX4063自体が現状追認で制定されたようなものだし、しかも規格にない綴り(視点を変えれば「特殊なキーボード操作」)がIMEには標準でいくつか登録されている(しかも今のIMは誤打鍵・誤った綴りを修正する機能まで付いている)わけで……これって本当に「公平」で「どこでも使える」のだろうか、という疑問が湧くんですよね。


 「公平」で「どこでも使える」ローマ字入力、という視点で行くと、入力方式にかかわらず次のルール制限は必ず必要になると思うのですよ。

  • ローマ字入力を使う場合、JISX4063の表1にない綴りはすべて使用禁止・削除すること。──「JISX4063ローマ字入力」を謳うIMEの綴り互換性はこの範囲のみなので。
  • 誤打修正、もしくはオートコレクトに類する機能はすべて停止すること。──ローマ字入力とかな入力で補正内容が違うので。


 さまざまに提案されている拡張ローマ字入力のように「定義が厳密に決まっている」方式ならばこういう問題は発生しない(=条件がほかの入力方式と同じ)のに対して、いわゆるところの「普通のローマ字入力」はこういうところがルーズに来てしまっているので、なんとなく釈然としないんですよね……考えすぎなのかもしれませんけれども。


 綴り問題に関してありえる選択肢は「JISX4063・表1外の綴りをすべて使用禁止にする」か「綴りの変更を含めて一切規制しない」かのどちらかじゃないかな……と。
 「使っているIMEのデフォルト綴りはすべてOK、そこから変更してはダメ」というのはありえないと思うのですよ。IMEによって綴りがまちまちだし、そのIMEが保持していた独自の綴りが「将来使える保障」はどこにもないのだから。この条件が仮に真だとすると、かつてワープロからパソコンへと移り変わったときに起きた「シェアの変化による」互換性問題と同じことを、そのまま未来にも引きずるわけで……そういうのは正直言って勘弁していただきたいところです。


 とりあえず「配列変更アプリケーション類は内蔵・別途設置も含めてすべてOK、ローマ字綴りの変更もすべて許容」という判定──つまりは入力方式に関する明示的な限定解除──が出てくれれば良いなぁ……と、そんなことを願いつつ書いてみました。
 果たして、毎パソのルール概要における「公平を期すため〜」は、何を根拠にした公平さを求めているのでしょうか……どういう判定がなされるのか、じっくり待ってみたいと思います。

そういえば。

 「匿名だからって好き勝手いいやがって!」とお思いの方がいらっしゃいましたら、このページのURLを(主催者である)日本パソコン能力検定委員会さんに通知していただいてもかまいません。
 日記自体はハンドルで書いてますけど、問い合わせメールには住所・氏名・電話番号を付していましたので、日本パソコン能力検定委員会さんから見れば私は匿名じゃないことになると思います。問い合わせ内容はこれと一緒ですし。
 ……と、検索エンジン経由で突然このページから読み始めて面食らった方──いるのかなぁ……──のためのお知らせでした。

即日回答をいただいたので……

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