Ongaku。

 Shure/E4cは「無圧縮音源ではじめてその性能を発揮する」のかもしれない。
 最近思うところあって無圧縮Waveで取り込みを始めたのだけれど(まだライブラリ化の方法は考えていない)、E4cの悪いところ(圧縮音源にありがちな高域の暴れが耳についてしょうがない)部分が当然のようになくなり、聴いていて「楽しい」音だということに気づかされたわけで。
 今まではずっとEtymoticResearch/ER-4P(こっちは圧縮しようがしまいがそのまま聴ける)のみを使っていたのだけれど、ライブラリ化が完了すればShure/E4cの出番は増えそうな予感。
 それにしても、MP3/Oggともに160kbpsのレートを確保していたはずなのに、これではぜんぜん足りなかったということか……。
 DCCの圧縮方式(MP2でしたっけ?)とかを採用する方向もいいかなぁ……とか、そんなことを考えていたり。


 NewPLC86……といえばTI/バーブラウンPCM2704使用のUSBオーディオキットを組み込んでUSB真空管アンプとして使うのが王道(?)というぐらいに遊び心をくすぐるアンプなのだけれど、それを作ってる春日無線変圧器が再び面白い割り切り方をしたヘッドフォンアンプを販売開始したようで。
 19AQ5(19V仕様のAQ5……特性的には6V6と同じ)という真空管を使った1段+トランスによる「19AQ5単管ヘッドフォンアンプ」。専用の小容量電源トランス+安価な汎用OPTを使っているようで、もしかするとこれにもUSB-DACを載せることができるのかもしれない。
 それにしても価格が\11kって……ノグチトランスが売ってる専用OPT(FM-H1WS、片チャンネルで\14.7k)よりも安いのは……狙ったのだろうか?


 そういえば、「TI/バーブラウンPCM2704使用のUSBオーディオキット」に対して俺の耳で聴き分けることが出来るかどうかは不明ながら……で購入した部品をつけたUSB-DACと、単純に真空管カップリング用電解コンデンサ&1/2W抵抗をつけたUSB-DACとを比較視聴してみたのだけれど……、正直言って\13kの部品価格差があるとは思えない程度の小さな違いにとどまっている気が。
 確かに「水晶発信器+オーディオグレード電解コンデンサ5個+RIFA補正コンデンサ2個+ビシェイ抵抗6個」をつけているほうは「高域は良く通るし中域の雑味は減ってるし低域の質感も増しているし……」と、部分単位でみれば「ものすごく違う」。
 ところが両者ともに「圧縮音源を聴くにはどちらであっても必要十分」だし「無圧縮音源を聴いてもどちらも感動できない程度のレベル」だし……と、高級部品の使用そのものが自己満足の域を一切出ていないところが痛すぎるというか。
 もともとオリジナルのキットでも(水晶発信発振器ではないものの)水晶発信発振子を使っているから精度はそう悪くないし、電解コンデンサもオーディオグレードではなく「高耐圧(低倍率)電解コンデンサ+セラミックコンデンサ」あたりで十分インピーダンスは下げられるし、補正コンデンサは高耐圧フィルムタイプならばどれでもいけそうだし、ビシェイ抵抗を使わなくても1/2Wクラスの抵抗器を大量に買ってペアマッチングすれば良いし……と、そのレベルで十分再現可能な気がする。
 ……というか、追加部品代だけで真空管ヘッドフォンアンプが買える(しかもシャーシ加工費を含めて賄える)ことを考えると、はっきり言って今回の部品追加は「無駄」という結論以外の何も得られなかったような気が……むむむ。