「花」の論文をちらっと見た感じでは……

 「自由打鍵実験による打鍵時間分析」はだいぶ推論が混じっていたような気が……それはいいとして、あまり「月配列」に直接的に役立つ話ではないような気がします。
 一方で「中指シフト仮名文字配列「花」」は、色々な視点があって面白いですね。こちらを見て興味を持った方が「自由打鍵実験による打鍵時間分析」を見る……という具合でよいかと思います。


 「中指シフト仮名文字配列「花」」で面白かったのは、「習熟の容易さと配列の効率についての考え方」ですね。
 それと、(ローマ字系配列についてはSKYの論文を未読なので解らないのですが)かな系配列としては「はじめて段ずれがある通常けん盤を用いて配列設計用のデータを取った」と言って支障がなさそうです。少なくとも、新JISとNICOLAは碁盤目状けん盤を用いて最終設計を行っていますから(あっ、新JISはJISかな時点では段ズレけん盤を用いていましたか……微妙だなぁ、どちらが先とは容易に言えないのか)。


 一つ疑問に思ったのが、なぜシフトキー位置の再設定にまでこだわって書かれた論文で「濁点と半濁点は一文字として数える(かなの数を90弱ではなく63=JIS同等とした)」方法を用いてしまったのか……他の要素をことごとく初期状態へと戻してから再設計しているだけに、その点だけが妙に気になってしまいました。
 #そういえば、カギカッコの再配置が設計段階で除外されている理由は「基となった頻度表(坂村健先生のBTRONけん盤論文にある、ビジネス文から抽出したもの)で低頻度だったから」だそうです……私の日記では(ずいぶんと狭い範囲だな^^;)だいぶよく使うのですが……うーん、基礎となるデータ次第で色々変わるんだろうなぁ。


 かな頻度表にはBTRON論文のビジネス文頻度をそのまま使用し、打鍵時間データは「自由打鍵実験による打鍵時間分析」の(文字を頼りにせず自由に打鍵させた)自由打鍵データを基にしている……と、花の設計はそこから始まっているようです。