「快速親指シフト」は黒歴史ではあっても「規格違反ではない」、ということ。

(参考:所変われば何とやら?)
 鈴見咲さんの参考記事を思い出しつつ、「そういえば、NICOLA規定の親指領域って結構大きいよなぁ……Dynabookでも十分許容されるのでは?」とか考えつつ「日本工業規格(提案)JIS(提案) 仮名漢字変換用親指シフト型けん盤配列X6xxx-199x」を見て、始めて気づきました。
 NICOLAには「親指シフトキーをセンターに置かなければならない」という規定はそもそも存在しないのですよ。


 今まではNICOLA配列規格書Wikipediaの親指シフト項目しか真面目には見ておらず、そのせいで私はてっきり「NICOLAでは中央にスペースキーがある配置を許容していない」などと勘違いをしていました
 ところが、「日本工業規格(提案)JIS(提案) 仮名漢字変換用親指シフト型けん盤配列X6xxx-199x」「NICOLAキーボード配列」では、親指シフトキーが【D下〜I下】の間にあれば良いことになっています。


 このあたりはWikipediaに書いてみました。

なお、日本語入力コンソーシアムが提案しているJIS化提案では、親指キーの配置については「位置」ではなく「領域」で指定されている。富士通が販売しているデスクトップ用親指シフトキーボードや本格的な親指シフトノートPCではおおむね「FGキーの2段下に同じ幅の親指左キー」「HJキーの2段下に同じ幅の親指右キー」を並べて配置するのが通例である。一方では「快速親指シフト」と銘打ってJISキーボードと同じく「中央に空白キーを持つ親指シフトキーボード」を搭載するノートPCも生産された。JIS化提案に従う限り、Dキー2 段下からIキー3段下までの領域であればどこでも親指キー領域として指定可能であるため、「快速親指シフト」もJIS化提案に従って正しく設計された「親指シフトキーボードの一形態」といえる。
(from http://ja.wikipedia.org/wiki/親指シフト )


 もちろん、それでNICOLAが使いやすいか?といえば結構微妙かもしれませんが、規格がそれを認めているのであれば仕方がないですよね、ということで。


 ちなみに、【Dキー2 段下からIキー3段下までの領域であればどこでも親指キー領域として指定可能である・親指キーの幅はまったく規定されていない】というあたりは結構重要。
 富士通が出した快速親指シフトどころか、Dynabookのキーボードでさえも、キープリントをNICOLAにすれば「NICOLA規格に合致する親指シフトキーボードを搭載したノートパソコンです!」と言い切ることができる(しかも規格違反の可能性は完全にゼロ)ところがミソなのですよ。


 ……うーむ、なにやら余計な発見をしてしまったような気も^^;

親指領域キーに他のキーを置いても良い理由。

 これは、「日本工業規格(提案)JIS(提案) 仮名漢字変換用親指シフト型けん盤配列X6xxx-199x」と下記の写真を見比べてみれば良いのかも。
 実機では、規格案にある領域全てを使った親指シフトキーを採用するわけではないようです……つまり、親指キー領域に他のキーが割り込むこと自体は許容されている、と。
http://www.ykanda.jp/oasgif/oya.htm
http://www.ykanda.jp/catalog/100nt/100n-03.jpg
http://www.vshopu.com/f_FKB8579661EV/
http://www.vshopu.com/souldout/fmvkb611/index.html
http://www.vshopu.com/f_FMVKB231/index.html
http://www.vshopu.com/r_RBK-100iN/index.html


 それと「日本工業規格(提案)JIS(提案) 仮名漢字変換用親指シフト型けん盤配列X6xxx-199x」が、スペース(空白)キーに関して一切言及していないことにも注意。
 新JISかなですらも制御キーに関してはほぼ無関知だったというのに、NICOLAではJIS/PCATキーボードにべったりな規格案を作っているわけです……
 しかも「スペース(空白)キー」のない鍵盤などまず存在し得ない(というか、かなり使い物にならない)でしょうから……


 #うーん……もしかして「ごきインプリメント(9.1.1 緩慢な打鍵操作に対する対応)」と同じで【チェックミス】なのかなぁ……orz