JISX6002かなの「良いところ」を探してみるみるテスト。

 今日のお題は「イ段かな」+「ゃゅょ」+「つっくちき」。
 音読みかなでは頻出のそれですな。


 今までは頻度順にみて「やっぱり増田式ホームポジションも良さそうだな……でも、自分で納得できないのはなぜだろうか?」と考えてみたのですが、その疑問が一つだけ氷解しました。
 それは、「【い】を除くイ段かな」(+「濁点」)+「ゃゅょ」+「つっくちき」……特に「イ段かな」(+「濁点」)+「ゃゅょ」+「っ」が連続シフトになりうる事なのかも、と。


 JISかなは清音キー+濁点キーで濁音を指定するので、清音キーだけを見てみましょう。
 【い】を除くイ段の清音かなは「きしちにひみり」です。
 そのうち濁音化できうるかなは「きしちひ」で左手にあり、これらを打った後は「右手小指上段の濁点キー(または半濁点キー)を叩く」仕様になります。ここまでは妙なところはありませんね。
 さてそうすると、次に「左手の」シフトキーを押してから「ゃゅょ」を打鍵します。続いて「っ」を打鍵する場合、「つ」のキーはどうやって打鍵しますか?


 JISかなを使ったことのある方の場合、それなりに「打ちやすさ」を求めてしまうと、このシーンではどうしても「左手小指はシフトキーに残したまま、左手薬指で【つ】を押してしまう」のではないでしょうか。もちろん、きちんと打鍵手順に沿って「右手を三段下げて右手で小指シフトを押し直してから、小指で【つ】を叩く」という方もいらっしゃるとは思いますが、これは単に作法の違いなのかもしれません。
 私は「いや、この運指は変だろ……」とは思いつつも、やっぱりそうやって「左手だけで【っ】を出す」処理していたようです。


 この手抜き方法で処置する場合、一つの利点があります。それは

 シフト側ではない「つ」よりも、シフト側である「っ」の方が打鍵コストが低い

ということ。
 シフトモードが変移していないので、シフトキーの打鍵順序などを考えることなくそのまま「シフトを押しながら【ゃゅょ】に続き【っ】を打つ操作がしやすいんですよね。


 今まで盤面だけを見て考えていたときには

 なぜに「っ」だけが最下段の打ちにくい位置にあるのだろうか?

と思っていたのですが、実際に当時を思い出して打ってみると、この操作って慣れてしまうと凄く自然にできるんですよね……不思議なもので。


 よくよく考えてみると、濁点キーも似たようなものなのかも。
 JISかなの場合、「濁点キー」と「っ」は【ついでに叩いてしまえる】存在なのかもしれません。


 さて、増田式ホームポジションに話を戻しましょうか。
 増田式ホームポジションでこの操作を行う場合、一つだけ問題になるのが「【っ】の打鍵に掛かるコストが増大してしまう」という事だと思います。
 もちろん「ひみ」のきーが打鍵しづらくなることもあるのですが、これは上段の方に頻用キーが多いことを考えれば十分納得できる気がします。
 ところが【っ】は【ゃゅょ】よりも更に発音に要する時間が短く、「簡単に打鍵できなければストレスがたまりやすい」様に思います。
 そうすると、増田式ホームポジションでは指を全て一段上に移動させてしまっているので、シフトキーと【つ】キーが両方とも手元から離れてしまい、結果として【っ】が打ちづらくなるんですよね。


 単純に打鍵頻度だけを見れば「全員かにポジションにする方が幸せになれるじゃんか!」という形になるのですが、そうはいっても納得しきれなかった理由は、案外こういう単純なところにあるのかもしれません。
 #つーか、元となるカナタイプの設計者は、こういう操作を前提にしていたのでしょうか?ちょっと気になりますね。