OpenOffice.orgの「OpenDocument形式」関連で少し考えてみた。
OpenOfficeは2.0以降で、「OpenDocument ファイル形式」という共通志向のフォーマットをデフォルトフォーマットとして使用しています。
従来のOpenOfficeローカルなファイルではなく、かつオフィスソフトの標準フォーマットとして採用可能な形式(たとえばCalcの場合、オートフィルタなどの機能情報も普通どおりに保存できる……従来のCalc用データ交換用フォーマットとして使われてきたCSVやSYLKとは違って、機能設定情報なども保持可能)であるという、ちょっと面白いフォーマット群です。
ファイル拡張子 ドキュメント書式 *.odt OpenDocument テキスト *.ott OpenDocument テキストテンプレート *.odm OpenDocument マスタードキュメント *.ods OpenDocument 表計算ドキュメント *.ots OpenDocument 表計算ドキュメントテンプレート *.odg OpenDocument 図形描画 *.otg OpenDocument 図形描画テンプレート *.odp OpenDocument プレゼンテーション *.otp OpenDocument プレゼンテーションテンプレート *.odf OpenDocument の数式 *.odb OpenDocument データベース
MicrosoftOfficeは採用を見送ったそうですが(まぁこれは当然かな)、それ以外のオフィススイートでは徐々にサポートが始まるかもしれません。
#Justsystemの一太郎は、一太郎2006から対応予定だそうで。
従来的思想では「オフィススイートとそれに対応するファイルとの間はほぼ分離不能」という状況でしたが、こういう状態を脱して「使い慣れたインターフェースを持つオフィススイートで閲覧・編集。保存・読み出しは共通フォーマットで!」という時代に、だんだんと近づいているのかもしれませんね。
#これで富士通のOASYSがODFに対応すると、国内的には少しばかり面白いことになりそうな予感もします。
ファイルフォーマットは共通化したとしてもそうそう困る人はいないはず……音声ファイルや画像ファイルなどではいろいろと(要求される品質に応じた)デファクトスタンダードが存在しますが、これらは共通化されているほうが便利ですよね。
画像ならばPNG/JPEG/TIFF……、音声ならばWAVE/MP3/OggVorgis/WMA……と、いくつかのフォーマットでとりあえず一揃いの要求は満たせるだろうと(もちろんまだまだ不満はたくさんありますけれども)。
で、それを操るソフトウェア(インターフェース)の部分はみな個性豊かなソフトウェアが存在していて、ソフトごとに操作性がまるで違っていたりする……その中から「自分が使いやすいものを選んで使っている」というのが現状のはずです。
ところが、オフィスソフトには実用的な共通フォーマットがなかった。
ゆえに、ソフトを選ぶこととファイルフォーマットを選ぶことを分別することが出来ず、結局はどちらかの都合(情報交換用として使用するならば、ファイルフォーマットの方が重要ですな)にのみ従って選定するしかなかった……というのが現状かと。
今後はそういうことが減ってくれるといいですね。