今日のグラフ。

 対象はいずれも「はてなダイアリー市民500人」。進行中のものもあります。
 標準的なblog記述者と見なして良さそうです。


 まずは回答者の構成を見てみましょう。
 とりあえず「ロマかな使いな方」が92%いらっしゃるそうで。
 さすがに「私が今使っている入力方法以外は、問答無用で廃止するべきだ。」という排斥論者は僅かにしかいないようです。
パソコンで日本語文を入力することに関する意識をお伺いします。あなたのご意見にあうものを選択してください。

私はローマ字入力をしている。実は、今まさに他の入力方法を習得しようと練習している最中。 9
私はローマ字入力をしている。実は、ほかの入力方法を試そうと思っている(もしくは検討中)。 19
私はローマ字入力をしている。人それぞれが、自分に合う入力方法を使えばそれで良いと思う。 429
私はローマ字入力をしている。私が今使っている入力方法以外は、問答無用で廃止するべきだ。 6
私はかな文字入力をしている。実は、今まさに他の入力方法を習得しようと練習している最中。0
私はかな文字入力をしている。実は、ほかの入力方法を試そうと思っている(もしくは検討中)。 1
私はかな文字入力をしている。人それぞれが、自分に合う入力方法を使えばそれで良いと思う。 29
私はかな文字入力をしている。私が今使っている入力方法以外は、問答無用で廃止するべきだ。 1
私は他の入力方法をしている。実は、今まさに他の入力方法を習得しようと練習している最中。0
私は他の入力方法をしている。実は、ほかの入力方法を試そうと思っている(もしくは検討中)。 2
私は他の入力方法をしている。人それぞれが、自分に合う入力方法を使えばそれで良いと思う。 1
私は他の入力方法をしている。私が今使っている入力方法以外は、問答無用で廃止するべきだ。 3
 


 次に、Anthyの「親指・かな」対応機能のみを例示して、Linuxと日本語入力に関して聞いてみました。
 現在の回答者数は465人(500人枠中)です。
 かな入力対応を歓迎する人は37%、親指シフト対応を歓迎する人も37%います。ロマかなをお使いの方が多い状況であってもこの結果が得られると言うことは、ある意味非常に興味深いように思います。
 ついでに、アンケートをきっかけにLinuxに興味を持った方は2.3%、同親指シフトに興味を持った方は3%いらっしゃるそうですので、今後は更に「興味を持ってくださった方が、なるべく苦労せずに使いこなせるよう(環境・練習方法などを)サポートする」事が重要になると感じました。
近年、親指シフトをLinux上で実現するためのソフトウェア( SCIM + Anthy )が整備されつつありますが、あなたはこれについてどうお考えでしょうか。当てはまるものをお答え下さい。(※既にマウス操作のみでの親指化が可能な例 http://www.eurus.dti.ne.jp/~yfi/oyayubi_knoppix.html )

ダミー回答(選択しないで下さい) 8
ダミー回答(選択しないで下さい) 3
親指シフトはどうでも良いが、かな入力がサポートされたことは歓迎されるべきだと思う。 24
かな入力はどうでも良いが、親指シフトがサポートされたことは歓迎されるべきだと思う。 25
親指シフト・かな入力共にサポートされたことは歓迎されるべきだと思う。 159
ダミー回答(選択しないで下さい) 3
Linuxを使う気はないが、親指シフトには興味を持った。 14
親指シフトを使う気はないが、Linuxには興味を持った。 10
新JISかな入力もサポートされて欲しい。 2
他の入力方法もサポートされて欲しい。 9
いずれも興味はない。 241
ダミー回答(選択しないで下さい) 2
 


 次に、タッチタイプの習得状況について聞いてみました。
 現在の回答者数は395人(500人枠中)です。
 グラフを見れば一目瞭然なのですが、独習かつ力業な練習方法で、かなり苦労しつつタッチタイプもどきをされている方が15%もいらっしゃることが目につきます(この責任の一端は、たぶん私にもあるのです…orz)。
 意見欄を拝見しますと「もうすぐタッチタイプ・キーボードをたまに見る」という方もいらっしゃるようで(おそらくは3.7%以上)、練習方法に関しての適切な説明を受けることなく「Qwertyロマかなは簡単だ」という話だけを聞いて始めたのかも?と思わせる状況になっています。
 何を勧めるにせよ、勧めたからにはきちんと教えて差し上げて欲しいな…という気もするのですが、現実はそこからだいぶ遠いように思います。
普通のローマ字入力をしている方にお尋ねします。あなたはパソコンのキーボードを見ながら入力していますか?タッチタイプ(キーボードを見ずに入力)できていますか?

× 3
全て見ながら入力。 92
× 2
「AIUEO」は見ずに入力。 32
× 1
「KSTNH MYRW GZDBP」は見ずに入力。 3
「AIUEO KSTNH MYRW GZDBP」は見ずに入力。 40
× 6
数字段以外は見ずに入力。 174
× 3
全て見ずに入力。 136
× 8
 


 現状は「ロマかな表を渡しておしまい」ということなんですね…たぶん。
 これで苦労して覚えた人は「もう苦労するなんてごめんだ!」と思いますよ。


 逆に、これから普及を目指すものがあるならば、「質の良いテキスト・やりやすい練習方法」は、確実にその効果を発揮するものと思われます。
 もちろん、そのテキストの品質を示すためには、「同じ方法論でロマかなのタッチタイプを容易に習得できる」必要があると思います。
 そうすれば、「同じ方法論でその他の配列でもタッチタイプを容易に習得できる」と思ってくださる方も現れる可能性がありますので、そういう「苦痛を取り除く方法を提供する」というのは、非常に重要な事ではないでしょうか。


 いきなり他配列に取り組む…というのは、人がもっとも嫌うパタンなのです。
 毎回引用していて陳腐化していますけれども、やはり「苦労を伴う変化はなるべく少なく」が理想です。

■[肯定] 用語解説-アフォーダンス(Affordance)@使いやすさ研究所を元に。

 (一部の人を除く)大衆は常に「それまでの常識」に近く、なおかつ「より楽が出来る」インターフェースがもっとも優れていると感じる。既存の概念を始めから全否定してはならない…と思う。
(from http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20040815/p2 )

 そして、「タッチタイプを習得することは辛く苦しい」という現状認識を上手く崩して「タッチタイプ力業で習得することは辛く苦しい」「タッチタイプ良くできた練習方法に沿って習得することはそれほど辛くはない」という方向に持って行くことができれば、配列の併用という選択肢を取る方をより多くできるのでは無かろうかと考えています。


 …と、相変わらずでかい口を叩くだけで、結局はなーんにもできていなかったりするわけですがorz
 その点については今後も継続して取り組んでいくつもりです。