文字コード、その後

 「正字と略字」ネタ、ようやく(勝手に)納得。に関して、安岡さんから早速コメントをいただきました
 で、 http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/staff/youran/yasuoka.pdf を早速読んでみました。


 一番気になった所はここですな。

JIS C 6226『情報交換用漢字符号系』は、その名の通り、情報交換用の漢字コードであった。文字コードは、そもそも通信に用いるためのものであり、それを機械間の情報交換にまで拡張して、標準化したというだけのことである。印刷とは何の関係もない。しかしJIS C 6226は、情報交換に使われる以前に、「JW-10」というワープロの内部コードに採用されてしまった。これが、日本の漢字コードの不幸の始まりである。
(from http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/staff/youran/yasuoka.pdf )

 うーん、ほとんどの文字コード群が「包摂しまくった状態で規定されている」理由は、ここにあったんですね…つまりは「印刷用活字文字盤とは無関係な規格だからこそ、包摂という作業が許容されている」ということで。
 そうなると、包摂されている通信用コード群を相手に「正字がどう、略字がどう」とかいう話が出ること自体が変(字形はそもそも規定していない)ですね。


 もっとも、そうすると余計に「ならば使用頻度が高い文字をさしおいて、さして使われても居ない例示図形を規格表に印字するのは異常」だとも思いますが、それとこれとは別の話ですな。
 例示図形の件は必ず訂正されるべきですし、それとは全く別に通信用文字コードとは本来関係ない機器側のローカルコード上に載っている字体そのものが変更されるべきではないとも言えるかと。
 #うわ、段々混乱してきました…orz


 これをふまえた上で、JISX0213を読んでみますか。
 JISCで公開されている様です(InternetExplorerでしかリンクをたどれないかと)。
 トップページから「データベース検索 - JIS検索 」→「JIS規格番号からJISを検索」枠内に「 X0213 」を突っ込んで検索すれば、PDFがずらっと出てきます。


 で、読んでみました。
 ん…?「機器内部用の文字コードとして、JISの通信用コードを用いるという事は、そもそも考慮されていない」って事ですか。
 安岡さんの記事を見つつ思ったのですが、少なくともJISX0213の規定としては

 6.6.2. この規格は、字体の図形的表現としての字形については規定しない。機器内部用の文字コードとして使用するには有用ではなく、本規格を機器内部用の文字コードとして採用するべきではない。
(from JISX0213:2000 - p33 )

 という文言が書かれなければならない…という事になりそうだと思ってみたり。
 (下線部以外はオリジナルで、下線部は私による追記です)
 #といいますか、次回改訂ではこの点について念を押してみたい気がしました。


 うーん…文字コードも「用途に合わせて選ぶべき」ってことで。