親指系三種を試した方から見た「親指シフト系配列の感想」

(言及先:[jainput] 親指シフト系配列の感想)


 現在TRON配列を使用されているitounさんが、NICOLA→飛鳥配列→TRON配列へと移行された経緯を、「期待したこと・やめた理由」ごとにまとめて掲示されています。


 私としては、この「やめた理由」が非常に興味深いと感じています。


 以下、itouhさんのページから引用させていただきつつ、自分が感じたことを書いてみたいと思います。
 まずはNICOLAから。

なぜ NICOLA 配列を使わなくなったかといえば、期待したほど快適ではなかったからです。

  • NICOLA は(専用キーボードを使うと)快適に日本語入力できる。
  • NICOLA は普通の日本語キーボードでも使える。

という2つの情報から、「NICOLA は普通の日本語キーボードでも快適に日本語入力できる」と私は思い込みました。でもそうではなかった。

私も「NICOLA は快適だなぁ」と思ったこともありましたが、あとから考えると それは専用キーボードを使ったときだけだったようです。

(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 私はNICOLA時代には「専用キーボードを使う必要はないだろう」とか考えていまして(当時日記の2003/11/02より)、結局NICOLAキーボードを買ったのは飛鳥移行後でした。
 で、実際に触ってみて始めて「シマッタ…」と感じたわけで。
 確かに、専用キーボードを使ったNICOLAはだいぶ良い感じのはずで、始めから専用キーボードを買っていたら、もしかすると私はNICOLA派だったかも…と思う事があります。

そして NICOLA 専用キーボードはスペースキーが変な位置にあり、プログラミングやシェル操作 (スペースキーを多用) するのが仕事の私には使いにくかったので、使わなくなりました。
(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 元々ワープロ専用機のキー配置がこう(空白キーが非中央)ですから…これは致し方ないかと。
 #私もそういえば、ワープロ専用機→PC9821や、PC9821→AT互換機での切り替えでは苦労した気がします…慣れるまでに何年も掛かった気が。


 プログラム優先の場合は別キーボードを!という言及を、たしか酔うぞさんがされていたように思います。

とくに入力しづらかったのは「にゅうりょく」等の、「ゃゅょっ」が入った単語です。「ゃゅょっ」の文字は親指シフトキー押さないと入力できないので、しかも NICOLA では一文字押すたびに親指シフトキーを一回離さないとならないため、親指シフトキーを押さない文字に比べて遅くなってしまいます。

ですが「ゃゅょ」は他の文字の2倍早く入力したいのです。たとえば「に」と「にゅ」はどちらも音声上同じ長さなので同じスピードで入力したい。そこで「にゅ」を入力するときは急ぐわけです。

それで親指を押して離してとパタパタさせていました。これが特に快適さを損なっていたように思います。
(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 私が抱えた不満は「い」「う」「ん」「っ」「ょ」「ー」でしたから(「ゃ・ゅ」については不満に思わなかった)、itouhさんが抱えた不満とはちょっと事情が違ったのかも…という事になりますね。
 倍速打鍵の要求も、私にはなかったかも…これは「もともとワープロ専用機ではJISカナを使っていたから」というところに由来するのかもしれませんが。


 人がキー配列を変える理由は、やっぱり人それぞれに違うんだな…という事を再認識してみたり。


 で、次は飛鳥ですね。

キー配置を覚えて日本語入力始めたところで、かなり違和感を感じて使用を止めました。

キー配列を学習するとき、最初のほうで感じる難しさと、ある程度マスターした上で感じることは違うと思います。私は最初のほうでつまづいて、慣れてしまう前にやめたので、この私がつまづいたところを通り抜けてしまった人には以下の内容は特に気にならなくなっていると思います。

以下、私のつまづいたこと・違和感を感じたことを書きます。あくまで私の学習初期段階の感想なので、あんまり参考にしないでください。
(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 …と書かれておりますが、言及内容については「時間が解決してくれる問題ではない」気もしますので、やはり重要ではないかと感じています。

  • 親指でシフト押しっぱなしにしたり離したりするのがタイミングをうまくとれなかった。

(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 小指シフトと違って、親指でキーを押しっぱなしにすると言うこと自体が、そもそも他のキーボードや配列ではあまりないですから…この点は「慣れで何とかなる」人と、「どうやっても慣れることが出来ない」人とに分かれそうですね。
 #そういえば、TRONキーボードやKINESISキーボードに関しても、同じ問題が発現しそうですね。

  • 人差し指の担当するキーボード上段 (R T U Y) の使用頻度が極端に低いので、人差し指は実質的に 4 キーしか担当してないが、その一方で右手小指は (p ; / @ :) の 5 キーも担当していてバランスが悪い。


しかしこの人差し指の範囲は理由があるようです。キーボードに手を置くとき、親指の付け根と、そこから下のひじまでを机にべったりと付けて「この腕は絶対動かさないぞ!」と決意して文字を入力すると、確かに U や Y に指を伸ばすのは難しくなります。飛鳥はこのポーズで打ちやすいようにしている、と 2ch のログにありました。


 しかし私はアルファベットも (英語の文章ではないがプログラミングやシェル操作で) 仕事でいくらでも入力しますし、英文で T や Y を打たないなんてありえない。私はある程度腕を浮かせて入力しています。

  • 人差し指はキーボード上段(RTUY)をほとんど使わないが下段 (とくに M のキー) は使う。右手小指は上段の p @ を割と使う。だから右腕は、人差し指を下げて小指を上げる斜めの形に腕を置くのが正しいと思われる。

(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 確かに、「手のひらはパームレストなりに付けたままで、手は軽く開き気味に」の方が、打鍵しやすい配列ですね。
 だいぶ色々とやってみたのですが、結局はitouhさん御指摘の通りのスタイルになってきました、
 なんというか、「小指については、少し内側に曲げ気味でホームポジション位置のキーを打鍵する」という感じです。
 やはり、小指上段伸ばすなキーを打鍵することがあるから…という理由ですね。


 あと、「机にべったりと付けて…」は、Rayさんではなくて私が書いていたような気もします。
 Rayさんがやっているタイプライタ打ちでは、それが出来ないはずですし。

  • 「、。」を入力するときにシフトが必要。ローマ字入力でも NICOLA でもシフトなしで入力できたため戸惑った。
  • 「く」を入力するときシフトするのはどうも納得がいかなかった。
  • 「、。」を入力するときにシフトが必要とか、右手小指が「@:」も押す必要があり右手人差し指より担当するキー範囲が実質的に広い。これは 旧JISかな の問題点を引きずってる気がする。(飛鳥の作者さんは元 旧JISかな ユーザ)

(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 最初は戸惑いますね…私も何遍「、。」を打とうとして「ょゅ」を打鍵してしまったことか…(遠い目)。
 私が使う場合は、小指シフト+「<>」が「,.」で、左親指シフト+「<>」が「、。」になるという位置関係が気に入って(上段で、。を打つNICOLAのそれには、ちょっと戸惑っていた部分もあります)使っていました。


 これは「シフト押しっぱなし操作」に直結する問題のようなので(テンマルと組み合わさりやすい文字が左シフトに固まっている)、結果としては「シフト押しっぱなし操作が許容できるかどうか」が重要になりそうです。
 これが許容できる場合、かえってテンマルがアンシフトにあることは不利な要素になるわけですし。

右手小指に仕事させたくないから 旧JISかな を避けて親指シフトにきているわけなのだから、その点でも違和感があった。

この配列から別の配列に移ったとき、その別の配列を「バランスがいいなぁ」と思いました。私にとって、この配列はバランスが極端な配列だったようです。
(from [jainput] 親指シフト系配列の感想)

 うーん、そういえば私も「小指に負担を掛けたくないな」と思って飛鳥に移行したはず…
 私にとっての小指伸領域…アンシフトの【へ」け】辺りは、未だに打鍵慣れしづらい領域です。頻度が低いだけに、専用の訓練でもしないと打鍵ミスを減らすのは辛いかも。
 #で、ここでも手の置き方が絡んでくるわけで。


 しかし、ここまで来ると今度は「TRON配列から他の親指シフト系配列へと移行した」方のご意見を拝見したくなりますね…。
 とにかく、こういった「配列遍歴」が多く表明されることで、「では自分はどの配列を使えばいいのだろうか?」と悩まれている方にとっての、良質な判断材料となりそうです。