現時点での飛鳥に対する感想。

 逐次打鍵系のように「ベクトル的なイメージを思い浮かべしまいがち」な配列では、このイメージが元で試行が混乱することがしょっちゅうあって非常に悩まされてきました。
 元々考えつくこと自体が離散的なので、それらを離散的なままだらだらと記述していきたいのですが、これを行うには「余計なイメージが思い浮かんでもらっては困る」わけです。
 かつて旧JISかな配列を使っていたときには、それほど状況は混乱していなかったのですが…ローマ字入力になってからは「か」の文字を打つたびに「←」が思い浮かび、「り」や「ろ」の文字を打つたびに「→」のイメージが浮かんでしまい…といった感じで、とにかくこれを消すのに必死で、思い浮かんだ内容をすっかり忘れてしまうこともざらでした(これに困ってAZIKにすがりつきました…実はこれでだいぶ救われたのですが、今度は音読みの語彙を多用しがちになってしまって、この点でまた思い悩むようになっていました)。


 かといってNICOLAのように「シフトとアンシフトの間に関連性がある配列」でも、この手がかりを探す癖がどうしても抜けずに困っていました。
 …いや、こちらについては、Qwertyローマ字入力での「い」「う」の位置に慣れすぎていて、「なぜにNICOLAは【い】が薬指で【う】が小指なんだ?」と悩みまくっていたことも原因なのかもしれません。同様の理由により、私はDvorak配列(【い】が人差し指伸ばすで【う】が同手人差し指)に慣れることができませんでしたし…。


 そもそも俺にとっては「早く打てること」よりも「打鍵時に負荷が掛からないこと」の方が重要なんです。
 重要…って言葉では足りないかな。最優先、もしくは必須かも。
 打鍵時に妙なベクトルイメージが浮かんでしまったり、妙な手がかりを用意してある配列は全部ダメ。いや…打てるだろうけど、「私が・アイディアを書き留めるという用途に使うものとしては」納得はできない。
 飛鳥を使うまでは、他の配列でずーっとこのことが気になっていました。


 私はとにかく「覚えること自体」が苦手なのです。
 楽な手があると、どうしてもそれに頼ってしまって「延々と手がかり検索手法から抜けられない」という状態に陥ります。
 こうなってくると、結局は「キーの配置が見た目にバラバラでなければ使えない」という事になってしまいます。
 当然、ただバラバラなだけでは全く打鍵しづらいわけで、結局は「計算し尽くされたバラバラさ」が要求されてしまうんですよね…。
 こういう、「どう考えてもあり得ないよ…」と思っていた配列が、今ここに存在している…私にとって、それは非常に幸運だったといえます。


 余計なイメージが浮かばず、余計な手掛かりもない。それでいて打鍵時にはきちんとした規則性があって、「打鍵速度が遅くとも、思考を邪魔する要素がないから苦にならない」…飛鳥って、そういう配列なのかもしれないと感じています。
 そうでなければ、1年以上掛かってだらだらとやってきて、かつ未だに打鍵速度が遅い状況なんて我慢できませんよ。というか、「手掛かりがあっても気にしない」とか「変な打鍵イメージが浮かんでも気にしない」とゆー状況の人にとっては、理解できない行動にしか見えないですよね。


 今日の私にとっての飛鳥は、

  • 雑多なアイディアを書き留める為に、もっとも適した配列

なのかもしれず。
 あっ、もちろん飛鳥はこのためだけに作られてるわけではありませんよ。これは単に、私にとっての飛鳥…という範囲に限っての話ですので。

あと…一つだけ、ここでもきちんと書いておかねばならないことが。

 私は、旧JISかなとローマ字入力を、どちらも同じ手法でどちらも1年かけて覚えました。
 AZIKには2度ほど挫折した上で半年かけて覚えました。(しかも特殊拡張は結局使用せず)
 NICOLAは4ヶ月もかけてようやくダメだな…と気づいたようなやつです。
 従って、飛鳥を習得するために1年を要することなど、まず普通の人であればあり得ない話のはずです。
 この点については誤解の無いようにお願いします。