手がかりが速度低下を招く可能性について。

 アンシフト側と、シフト側との間に関連性を持たせる行為は、通常ほとんどの配列において行われています。
 この規則に合致しないのは…新JISと飛鳥かな。
 ただし、ややこしいことに「新JISには濁音・半濁音シフトがポストシフトとして存在している」ので、ニコラと同様にこれは「関連性がある」と見ても良さそうです。
 また逆に、ニコラの場合はプレシフト・ポストシフトの両用とも言うべき同時シフトなので、本来的には「関連性がない」と見るべきなのかもしれない…とも言えます。


 ただし、NICOLAに関しては興味深いコメントがフォーラム上にあります。
 一つは「逆手親指キーは濁音修飾として使う。両手親指キーを半濁点修飾として使うアイディアもある」というもの。つまりNICOLAをお使いの方は、「同手親指キーは濁れない音を出す」「逆手親指キーは濁った音を出す」という意識を持って打鍵されているという事でしょう。外側から見た感覚的には「プレシフト・ポストシフトの両用」なのですが、実際の打鍵時には同時に叩きますから、結果として「省コストで叩ける濁音キー」としての役割を果たしているといえます。…というか、「両親指キーを打鍵しつつ〜」なネタというのは、正規の規格化を待たずとも、拡張規格扱いでエミュレートしてしまっても良さそうな気もしますが…いかがでしょうか?>ひがさ様。
 ここで唯一気になるのは「現状ではたまに打鍵ミスをする」という点でして…打鍵ミスそのものが悪いわけでも、打鍵ミスをした人が悪いわけでもない気がします。これって「ほかの規則が手がかり式で探せるにもかかわらず、半濁点規則だけが別扱いとなっている」事が原因なんですよね…。これは「キーボードを見ながら打鍵すること」と似ていて、打鍵速度を稀に下げる原因となるかもしれません(この点については、まだ確証などは持てないわけですが…)。
 飛鳥の場合はそもそもこういう(同一キーに類似文字を集めるという方法論での)手がかり規則がほとんど無いので、覚える時間が掛かったりキー位置を全く思い出せなかったりする可能性はありますが、手がかり絡みの打鍵ミスというのは原理的に発生しませんので…。


 もう一つは「親指キーを打鍵するコストはゼロ」というもの。実は私、どうしてもこの感覚になじめなかった(やっぱりキーを2つ押しているでしょ。アルペジオと同じで、打鍵コストは同一ではないよ…という思いでいっぱいでした)ので、この「親指キーの打鍵コストはゼロ」を許容できるか否かで、NICOLAに向くかどうかが決まると言っても過言ではないかもしれません。


 ちなみに、飛鳥の場合は親指シフトキーを叩きつつ打鍵する都合上、どうしても「親指シフトキーの打鍵コストはゼロ…ではない」という立場に立っていないと打鍵しづらいと思います。
 いや、素直に同時打鍵でやり過ごしてしまうこともできない訳ではないのですが、元々逐一シフトを叩く事など想定されていない配列ですから、無理に打鍵するとシフトが連続しすぎて疲れると思います…。飛鳥はシフトを押しっぱなしで打鍵するのがもっとも楽ですので、これはきちんと対応しているエミュレータを用いて打鍵すべきと思います。


 同じ親指シフト系配列のはずなのですが、配列指針が違うとこうも打鍵感が変わってしまうというのは不思議です。
 というか、親指シフト方式自体の許容性の広さには、毎回驚かされてばかりなのです。