同時シフトであっても「同期して押す必要はどこにもない」という自由。

 親指シフト配列では、どうしてもカナのグループ分けに問題があって「同期打鍵する事こそ至上。親指キーを先に打鍵して、それから一呼吸おいて文字キーをたたくなど笑止千万」とゆー雰囲気があるんですよね。
 (いや、誰もそう明言などしてはいないのですが、実際にたたいていると「ああ、同時にたたかないとダメなんだな…」ってゆー気になってしまい、結構緊張しつつ打鍵してしまいがちだったりします)


 翻って飛鳥は…そんな緊張感はまるで必要としません。
 極端な話、小指シフトの用法と同じで「シフトを押して、一寸おいてから文字キーを打鍵する」位ののんびりした感じでも、さしてもたついた感じがしません(…って、こういう打ち方を推奨しているわけではありません…念のため)。
 もちろん、シフトが頻繁に変わるときはその限りではありませんので、すべてうまくいくわけではありません。ただし、逆に同じシフト面が続く場合は、このだらだらとした打鍵方法が妙に心地よく感じます。シフトキーの状態をそのままにして何気なく文字キーを一打すると、素直にカナや記号が一文字出てくるのですから。


 …こういう打鍵方法を使っていると、「2バイト文字言語圏に生まれたことを激しく後悔しつつ」ひらがなをわざわざ([G/a]や[か/゛]などと)分解しながらキーをひっぱたいていた時代が、もう過去のことの様に思えてくるから不思議ですな。
 飛鳥のような「プレシフト+同時シフトが両方使える。ポストシフトはない」というシフト方法は、「プレシフトのみ(TRON配列?、ローマ字入力系)」・「同時シフトのみ(NICOLA)」・「ポストシフトのみ(??)」・「プレシフトとポストシフトの混合(新JIS配列、花、月、中指ニコラ)」・「小指シフトとポストシフトの混合(旧JIS配列)」などと比べて(私としては)統一感と融通性との調和がとれていて、よいシフト方法だと感じました。


 はじめは親指シフト配列(NICOLA)で、この(楽な配列を探すという)目標を達成できたかと思っていましたが、わずか数ヶ月で(この淡い期待は)見事に打ち砕かれてしまいましたので、あれは私が求めていたものとはかなり違う代物だったと言わざるを得ません…親指シフト配列も結局は「宿命的に呪縛を背負ったままで生まれた」配列なのかもしれず、その呪縛が私にとっては非常に重すぎたのかもしれない、という気がしました。
 さすがに「器用な人には楽に打てるけど、逐次打鍵に慣れた身では使いがたい」配列では、私の様な奴が使うには無理がありすぎますので…。
 (…って、また脱線してしまいましたな)