新JISかな(JIS C6236 / JIS X6004)とは、一体なんだったのか。

 ……って、個人的には↓と捉えてる。

  • NICOLA(親指シフト)」が潰されないように……と、渡辺さんが作った『(あとで再起できるように設計した)身代わり』。

 あの時代に「JIS X6002」を止められなかった以上は、新しい入力法として「何を規定しても」関係なく、やっぱり「JIS X6004として決まった配列」は、規格としては命潰える「運命」だったのだ……と思う。
 「NICOLA(親指シフト)」が「JIS X6004」にならなかったから潰えたのだ!って意見の人もいると思うけど、個人的には「当時の8bitワープロが、NICOLAエミュレータを積む姿」のみすぼらしさが際立って、余計短命に終わってたんじゃないかという気すらする……しかも、そのときには「NICOLA(親指シフト)」が、かつて渡辺配列が受けていたようにして『ロクに調査もしない連中によって、的外れのふざけた非難が行われてしまう』運命に遭っていたはずだし。


 正直、渡辺配列の場合は「配列設計時の資料が一揃い残ってる」し、配列経由でその素性も知れたものだ……ってのがあった。
 2ちゃんねるの鍵盤配列系スレッドで再発掘されたのは、素性からすれば「アタリマエ」の話だし、その中身が実は『膨大な文章の連接を調査×膨大な実打鍵をした7人の女子大生にとって最高速で打てる様に設計』ってゆーものだから、事実に対する誇張なんかまるっきりしなくても、その魅力は十分に伝わるところだと思う*1


 ……けど、もしもこれが神田池上配列だったら、それこそ俺だって「どうフォローすれば良いのか、さっぱりわからない」状態に陥っていたと思う。新JISかなよりも断然長く見てきた気がする……のだけれど、それでも今までで言えることって、せいぜい

くらいのものだし……「NICOLA(親指シフト)」が「JIS X6004」になっていたら、それこそ後の名誉回復すらできないような『取り返しのつかない事態』になっていたと思う。
 正直、【親指シフト - Wikipedia】では「嘘・大げさ・紛らわしい」を削りつつ魅力を伝えようとするために、結構神経をすり減らしてる……のだけれど、それでもさっぱり【新JIS配列 - Wikipedia】とか【http://ja.wikipedia.org/wiki/ACT_%28%E3%82%AD%E3%83%BC%E9%85%8D%E5%88%97%29】のようなスタイルの言及をincludeできないほど、根本的に「資料が少なすぎる」ってゆー問題には頭を抱えざるを得ないところで。
 こーゆーとき、資料が残ってない理由として「実は1ヵ月半の間、両氏が150万打鍵/年人かそれ以上のペースで、鬼のように評価打鍵をしまくっていた」からだ……ってゆーなら、もしかすると……ってゆー希望も持てそうなのだけれど、なんかそんな感じでもなさそうだし。
 #親指シフトの設計プロセスについて、なんか良い資料があったら教えてください。【親指シフト - Wikipedia】を適切に漂白するネタ資料が無くて、本気で困ってます。

 ……ちなみに。
 今日のこのトピック、上辺だけ見ると「親指シフトをけなす」かのような感じかもしれませんが、もちろんそーゆー意図はないですし、(自分が出来る範囲では)そうならないように推敲したつもりのところで公開しました。
 記事中で一番言いたいことは「一番上の1節」と「一番下の1行」なんですよね……親指シフトに関しては「この記事に対してムカついた想い」が「資料を眺める」時に想起されて、いつか誰かが「親指シフトの設計プロセスについてのナイスな資料」を拾い上げてくださるのではないか……と、そこを強く期待していたりします。


 結局のところ、【親指シフト - Wikipedia】の配列部分には「使ったデータ(input)」と「結果(output)」だけしかなくて、肝心要の「プロセス」がないんですよね……わたしとしては、そこがどうにも気に喰わないので、そこをどうにかしたいんです。
 さすがに、今の記事みたいな『池上さんが、1ヵ月半掛けて作りました。マル。』的状況じゃあ可哀想過ぎるんですよ……かえであすか配列じゃないんだし*2
 どう考えてもデタラメ配列ってわけじゃなく、やっぱり「1970年代設計としては、結構マトモ」だと思うだけに、さすがに神田さん自身が『エイヤで決めた』とか言ってようと関係なく、『それなりの何か』はあるはずなんですけど……。

 

*1:唯一の失敗は、ここが「48人」ではなく「7人」だったのかも……って、それは半分冗談だけれど。測定条件を揃えることを考えたら、コスト的な問題もあって、さすがに「48人」は無理かもね。

*2:……ッて言いつつ、1ヵ月半で配列を組むならかえであすか配列のような調整方法が、結局は妥当な気もしてる。たとえば親指シフトについて【「50音順配列を作る」→「使いづらいところがどこかを指で覚える」→「問題点を評価してから、エイヤで仮配列を組む」→「使いづらいところがどこかを指で覚えて、配列を半月で3ループ分調節する」→「1ヶ月かけて評価打鍵する」→「最終の微調整をする」】みたいなプロセスについての資料があるなら、それを公開するほうがいいと思う。そうした手捏ねの記録があるか、あるいはそれに似た手順を計算配列として組んだとか、そーゆー「設計・評価のプロセス」があると、他の部分を漂白しても「だいぶまとも」な記事として【親指シフト - Wikipedia】を組みなおせる気がする。