ヒトは、『最盛期』から10年経つと、平均で「9.03%」打鍵速度が劣化する……ってゆーか「15.69%」なのかも。

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 30代の有効投票数161票を元に、打鍵速度の劣化度平均をとってみたところ……主観ベースで「9.03%」打鍵速度が劣化することが判明。
 しかも、回答者のうち4割の人たちは「20代前半には、最高速度を経験していない」か「まだローマ字入力に触ってもいない」と考えられそうであり、ほぼ同数が「低下率1.0%(加齢低下曲線と習熟上昇曲線の合成値がフラットになる世代だった)」と回答していた……というところからすると、順序効果を排除すれば……このデータは、

  • 有効回答者88人の平均では、主観ベースで「15.69%」打鍵速度が劣化している。

という風に読むほうが、10代からキーボードに触れているがために、確実に20歳頃のピーク感を経験して、かつあと10年経てば確実に30代になる人たちについての予測としては、より確度があるのではないか……と感じるところで。

ほんとに「最盛期から10年経過で1.0%しか低下しない!」ってゆー超人が、この世に4割もいるとすれば……


 ……ええと、ほんとですか?

実際は「最盛期から10年経過で1.0%しか低下しない!」ってのが、順序効果による虚像だったとすれば……


 ……んー、身体機能の低下度とかから考えると、なんとなくこっちのほうが『しっくり来る』気もする。

……で、このグラフから、何が推定できるか、というと。

 【ジジイが『いまさら、ローマ字入力には乗り換えられないから』とか言ってはぐらかしてるのを見ると、これは罠なんじゃないだろうか?と思う。 - 雑記/えもじならべあそび】の仮説が、正しいのか間違ってるのか……ってのは、あと10年しなきゃ世代規模ではハッキリしないし、あと10年すれば世代規模でもハッキリするであろう、ということ。
 かつての技術者どもが「俺の開発した入力法に統一すべし!戦争」をやらかしていた*1せいで、人それぞれが自由な入力法を使えない状態に陥ってしまった……ってゆーことによるツケを払わされるのは、当時嬉々として議論してたような1980年代の技術者連中ではなくて、2010年以降に中堅になるような連中なんです……30年も前の過ちが、これから多くの「20代のトプスピを経験した全ての人たち」を苦しめる時代が、もう四半世紀とせずに到来するわけで。


 俺たち一人一人が背負わされる「実効効率ベースで、1かなあたり0.48打鍵*2のムダ × 普及率88%」の足枷は、日本語経済圏に住む同語話者にとって「20年後の生産性」と「20年後を生きる俺たちの手指や上半身」を、確実に蝕んでいくと思う。
 ……もっとも、いまさらどうこう言ったところで、もう遅いんですけどね……それが『俺たちが正しいと教え込まれて、実際それをヒトにも教えてきた』んだから、こんなの自業自得でしかない*3し。


 あと半世紀も経てば、たぶんこの一連の流れは「経済を失速させた、失策の一つ」として教科書にでも載りそうな気はする……けど、俺には現状をどーすることもできない……。
 かつて【「情報処理装置用キーボード配列」(JIS X)の検討開始……って、何の準備もしてねーよ(泣)。 - 雑記/えもじならべあそび】を書いて『個々人がそれぞれに、自身の能力を最大限に活かせるような環境を作ろうよ!』って訴えたつもりだった……けど、何もリアクションはないし。
 んー、50年後には「キーボードを使った文字入力という技術」自体が消滅しているのかもね……鍵盤配列自体の実装について何も変わらない状態が続く限り、それ以外には打開策などないのかもしれない。


 ……って、うんざりしてきたので、もー寝る。

*1:効率よく快適な入力法を作ろう!という研究においては、素晴らしい成果を上げた人たちがたくさんいる……のだけれど、当時の配列屋さんが「入力法は自由に選択できるようにしなきゃダメでしょ」って風潮を作ることに失敗した(orそうしようとすらしなかった?)ところが、とても痛かったと思う。

*2:打鍵量全体のうち27%が「空費」されていることになる……これは『個々人の能力を最大限に生かせるために、速くて快適な入力法』との、実質的な差となっている。

*3:俺自身も20歳直前までは、この視点で見たときにはまさに『経済犯』として加担していたも同然なのだから、いまさら人様のそれについて非難する権利なんてないような気はする。