RAL-HUB02経由でシリコンオーディオプレーヤーへと「AudioClassではない」パケットを通しました……さて、このとき「ファイルとして」音楽データを受信したDAPの音質は、向上するでしょうか?

(関連:揺れすぎバス(USB)問題解消の提案について - かんがえなしですオーディオ@Wiki - アットウィキ)


 答え: そ ン な わ け な い じ ゃ ん …… orz。 


 ……コイツが効果を表すと考えられているのは、あくまでも「オーディオデータを、ファイルとしてではなく、ストリーミングで垂れ流してるとき」の話だよ。
 ベリファイコピーをしなければ、それはファイルとかが「壊れる」可能性はあるけど、ベリファイコピーの有無はHUBが受け持つレイヤーじゃなくて、もっと上のレイヤーでの話だよ。
 ……ここを心配するなら、そもそも「FireFileCopy」で明示的ベリファイコピーをするとか、そーゆー手段をとらなきゃ意味ないし。
 てゆーか、そんなに極端な不安定環境なら、verify=onになるように設定するところからはじめなきゃダメだろうし、それ以前に「ベリファイしなくても、それなりにはまともにコピー出来るように、マシン内の腐った配線を新品に取り替える」とか、そーゆー方向に走らなきゃ。


 それに、こいつがやるのは「USB2.0では(USB1.xと比べれば十分に)正確だったはずのパケットタイミングが、USB1.xへとダウンコンバートされる過程でUSB1.x規格いっぱいにデタラメなタイミングで送出される恐れがある」って危惧への対策行動だけであって、あくまでも「USB1.x でストリーミング受信する、USB-DAC」に対してのみ効果が現れる可能性がある……ってゆーものだよ。
 USBチップ内部のバッファが、補正に追われて変なタイミングでD/Aコンバータにデータを垂れ流していく……てゆー時なら効くかも知れない*1けど、一旦メモリーに「ファイルとして」溜め込むDAPにとっては、毒にも薬にもならない、まさにプラセボそのものだよ。


 「USB-DACへとデータを供給するHUB」としての性能は、個人的は◎だと思うけど、まだ確証が持ててないし、ここは同機種の更なるレビューを待ちたいところ……だけれど、それとはまったく別の「本来そういう効果があるように設計されていない」分野において、これを手放しで褒める……ってのは、正直言って危険すぎると思う。


 充電機能だけを見るならば、それこそ普通のUSB-HUBと同じようなものだし、電池の定電圧性は「充電電源のノイズに影響される類のものではない」し……んー、一体どういう条件があれば『データモードでの質の変化』が生まれるのだろう?
 「RAL-HUB02にDAPをつないで音質向上!」なんて、私にゃさっぱり理解できないセカイだ……ってゆーか、「RAL-HUB02以外のHUBにDAPをつなげると音質劣化!」ってゆーはなしでしょ?それってやっぱりベリファイがらみの話だと思う。
 実際、もともとストリーミングモードを使わない「LAN-DAC」とかは、DAC内部クロック精度で全てが上手く行ってるし……「2まんえんだして買ったんだから、何でもかんでもよくなるはずだ!」なんて、いくらなんでもそんなの都合が良すぎるとおもう。

*1:……ッてところの一人ABXテスト、もう少しでできそうなところに来た……ので、たぶん冬休みには実行できると思う。