スライドの棘抜き提案をしてみるテスト。

 ぎっちょんさんのところで、なかなか興味深そうなスライドが公開されていた。
 http://thumbshift.blog108.fc2.com/blog-entry-16.html
 布教対象?の人は当然「非親指シフター」だ……って事を考えると、たぶん「無用な棘」はギリギリまで除去するほうが、すんなりと受け入れてもらえる確率が、多少なりとも上がるのでは……と思ったので、そのあたりについて思ったことを書いてみます。
 親指シフターさんにとっては「常識として刷り込まれた教養」になっているみたい……だけれど、布教対象のはずとなっているロマかな&JISかなユーザーにとっては「うわ、なにも知らない人がなんかいってるよ……」ってことになりかねない、ちょっと微妙な部分とかがあったので、そのあたりの表現変更とかを提案してみます。


 まず、「身体障害者への配慮は別途必要」ではなく、「身体障害者への配慮方針は提案されているが、実装例が少ない状態。」とするほうが自然かな……と感じました。
 JIS X6002と旧JIS X6004 については、高齢者・障害者等配慮設計指針(JIS X 8341)の絡みで小指シフトの問題がフォロー済みですし、旧JIS X4063についてはもともと同時押しが必要ないですよね……それに対してNICOLAコンソーシアムが「まだ」アクションを起こしてくれていない、という状態ですし。
 何も案がないなら「配慮が別途必要」なのだと思うのですが、すでにNICOLA配列規格書ではアイディア例を示していますし、その実装例がわずかながらにも実在している事からすると、「検討すらしていない」と捉えかねられない表現をつかうのは、イメージを提供する上でちょっとまずいかも、と感じました。
 
 つぎに、JISかなの誤打可能性問題については、上段ではなく「右手小指伸領域」が問題なのではありませんか?実際のユーザーさんの声を見聞きした範囲+自身で3年間使ってきた経験からすると、誤打の可能性について指摘するべきキー領域が、JISかなユーザーの常識から「だいぶズレている」様に感じます……ふつう、こーゆーときには習熟が進まない「ほ」「へ」「ー」「半濁点」あたりの、『遠い上に、頻度が低い』キーが問題になるものですし。
 もしも数字段が言うほど誤打の恐れを抱えているなら、NICOLAでも記号類や数字段について『使いにくい』とかいう話が出るはず……ですが、そうならずに『モード変更なく数字段を使えてよい』というのは、妙にちぐはぐな感じがします。
 しかも、JISかな最上段のうち高頻度文字は「指の長い中指で押す領域」近くに固まっていて、あの時代なりに頻度順設計をしてる痕跡が色濃く残っています……ので、そこを含めて『最上段を使うこと=例外なく悪』と捉えかねない表現をするのは、一種の逆宣伝になるかも……という心配があります。


 つぎに、ローマ字かなについて……ですが、これは「慣れたユーザー」がそう感じていない「頭の中でかなをローマ字に分解?」を外して、残りの2点に絞るほうが、シャープに主張出来ると思います。
 「慣れた」親指シフターさんが「が」=「親指シフト」+「か」という分解をしていないのと全く同じ話でして、この手の主張は「?」を付けてでも書く……という冒険をするよりも、はじめから除去しておくほうが安全です。


 「はやく入力できる」のところは、圧縮辞書入力の話とか、当初の設計速度が5actions/secだとか、そーゆー方向に振るのがいいのかも……って、ここは当時の設計資料がさっぱり公開されてないので、厳しいところですね……。


 打鍵数に関する「ローマ字入力との比較」は、たとえば
ローマ字入力で打ちやすいように文章を打つと、連母音や撥音への依存度が強く出るため、1.4倍程度になる。
親指シフトで打ちやすいように文章を打つと、それらの規制がないので、1.7倍程度になる。
……とか、入力方式の癖に依存して「言葉選びの癖が変わりがちになる」ことを含めてあげるほうがいいと思います。人間はどんな環境でも楽をしたいと思うので、入力方式に沿った楽をしようとすると、言葉選びが変わったとしてもなんら不思議ではありませんし。


 ……と、以上こんな感じです。
 なんかすごく無礼な感じになってしまったのですが、こーゆーキャラを演じでもしないと、とてもじゃないですけど「ほぼまともな資料に対するツッコミ」なんて、怖くてできないッす……orz。


 #ちなみに、中級編については何も書かないことにします……だって、(ぎっちょんさんは既にご存知の通りに^^;)「私が考える理想(=論理配列側が、物理鍵盤へと歩み寄るべき、って話)」との差が大きすぎて、コメントを付けられないですし……。