アルカの幻字フォントについて、「出現頻度」を意識したものが公開されてた……。

(未来:【配列確定】かえであるか配列、チンパンジー(lime)版……じゃなかった、かえであるか配列改0訂0案3版。 - 雑記/えもじならべあそび)


 幻京書体、2010年製。

 出現頻度が高いのに書きにくかった「t」「k」「x」「s」の列が、うまく字形整理されてるところが、特に◎。
 カタカナフォントで言うところの「カタセンガナ」っぽくなっていて、これは結構いいかも……。


 以前に【幻字くずし。 - 雑記/えもじならべあそび】で悪戦苦闘した記憶があるのだけれど、幻京書体っぽく筆記すると、結構きれいにまとまりそうな予感。
 ……もっとも、今回特に優れた決断は「a」の字形を変えたことだと思う。「横方向の移動速度の速さ」よりも「雑に書いても字形が崩れないこと」を優先したのか……はわからないけど、「頻度の高い語は、語形も短くなる」っぽい方向にうまく働くし、書記速度が落ちるわけでもないから、あの効果はきっといい方向に働くと思う。

ちなみに。

 「紫苑の書」も、幻京書体でリプレースされてる……幻字の読みやすさがぐぐーっとupしてる。

 あと、引用符が「でんでんむし」みたいなのを地上げ&字下げしたものから、対称の「ダブルコーテーション」に変わったんだね……これは配列設計にとって便利かも。


 ……でもって、本文自体の導入部が、(前回改定版よりもさらに)ブラッシュアップされてる。
 今回のは、「場の雰囲気・空気・勢い」を、うまいこと文章として織り込むことに成功している気がする。
 説明不足にならず、かつ冗長さを感じさせないという「ギリギリの線」をしっかりトレースしていて、読み手に「理解」を求めず「感じる」余裕をきちんと提供してるなぁ……と思った。
 その上で、紫苑という人となりを「説明的に独白」させず「洞察のプロセス」経由で読者に伝えているのも、圧迫感を与えずに目的を達成するナイスな処理方法だし。
 ……この版、掛け値なしに「とても良い」と思う。