シャープの「QUADTRON(クアトロン)」は、Panasonicプラズマ機の売り方をパクッて、販売店に「遮光フード」を配るべきだと思う。

(過去:シャープの「QUADTRON(クアトロン)」は、Panasonic機のようなややこしさもなく、「設定値を全部真ん中」にすれば、結構マトモな色がでる。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:シャープの「QUADTRON(クアトロン)」がらみで、ふと思った……のだけれど、いまの「色覚検査」って、実は意味ないんじゃないだろうか……。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:シャープの「QUADTRON(クアトロン)」は、テレビ画面を「絵作りされた写真」から、「ただのガラスの小窓」へと誘導するための、第一段階なのだと思う。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:シャープの「QUADTRON(クアトロン)」は、見慣れていない金屏風で目くらましをしたりせず、真面目に『千切りキャベツ』と『きんぴらごぼう』を表現できるように色変換テーブルを作り直してから、ソフトウェアアップデートで全機漏れなく直せよ、と思う。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:パナソニック 37V型 液晶 テレビ VIERA TH-37LZ85 フルハイビジョン 2008年モデル、導入初日レビュー。 - 雑記/えもじならべあそび)


 別に、シャープに限ったことじゃないけど、今の液晶テレビの売り方って

  • 家庭よりもはるかに明るい、家電店で見栄えがよくないといけない。
    • →でも、そんなオーバースペックな光源を積んでしまうと、かえって家庭じゃ使えない。
      • →そうだ、売るときだけ「張り切って輝度彩度を上げて、輝度彩度がクリップしまくった状態で売ろう」

みたいな感じになってる。
 プラズマはそーゆーのをやりたくないみたいで、Panasonicなんかだと「販促用の遮光フード」を付けさせてる、と。


 ……でもさぁ、これって正直「クアトロン」にも必要だと思うよ。
 クアトロンにある【ダイナミック(固定)】モードだと、「張り切って輝度彩度を上げて、輝度彩度がクリップしまくった状態」だから、輝度は足りてるけど「淡い色の再現が破綻しちゃう」ってゆー問題がある。
 店頭だと「淡い色のソースを使わない」ってゆー選択肢があって、実際それをやってるみたいだけれど、ほとんどは地上波デジタル放送の映像を映してるから、販促専用の小細工ソースではバレずに済んでいた「固定モードでだけキツく出る、輝度彩度飛ばしまくりな部分」が、思いっきり目立っちゃうし。


 そーゆー時には、

  • 家庭よりもはるかに明るい、家電店で見栄えがよくないといけない。
    • →でも、そんなオーバースペックな光源を積んでしまうと、かえって家庭じゃ使えない。
      • →そうだ、家庭レベルの環境照度になるように、「展示品だけフードをつけよう」

ってやればいいじゃん。
 せっかく「緑」を2つのセル(「黄緑」と「青緑」)に分割して、こまやかな色度差・彩度差でも表現できるように調節してきた……ってゆーのに、そーゆー苦労をまるっきり吹き飛ばしちゃうような【ダイナミック(固定)】モードを販促用に使うのって、なんか変だと思う。


 小売店が明るすぎるのはどーにもならない、って諦めるのはいいけど、そこでやるべき対策を誤っていたら、クアトロンの「一番美味しいところ」が、さっぱり伝わらないままに終わっちゃうよ?
 家庭でも【ダイナミック(固定)】モードのような見え方になると期待して買った人はガッカリするだろし、逆に【クアトロンの輝度彩度余裕を十分に使った、フルフラットモード】を期待してる人は、店頭実機の【ダイナミック(固定)】画像を見て「淡色系の低再現性にガッカリして、買うのをやめる」可能性が高いし。


 もっと、「自分たちの作ったもの」が、「どういう人にとって、買いたいと思えるものなのか」ってゆーところを、よく捉えて欲しいと思う。
 いくら物を作ったところで、「売り方」を間違えたら、どーにもならないような……はじめのうちは【ダイナミック(固定)】モードで突っ走るのもアリだと思うけど、早いうちに「自分たちの作ったもの」の「ほんとうの実力をきっちり伝える」売り方へと、変わって欲しいところ。

クアトロンが、どーゆーチカラを持ってるのか確かめたいヒトへ。

  • とりあえず、「売ってナンボ」じゃなさそうな店に行く。
  • 人のよさそうな店員さんを見つけて、「Panasonicプラズマ用の斜光フードみたいなのを、クアトロンにも付けてくれないか?」と、ダメもとで聞いてみる。
    • 店員レベルで自作するなら、「プラダン+VHB」で外形を作ってから、客が怪我しない様に「縁を全部、ビニールテープで隠す」といいと思う。
  • 斜光フードが付いてるクアトロンを見かけたら、おもむろに同機のリモコンを手にとって、電源ボタンの4つ下にある「AVポジション」ってボタンを何回か押していき、【ダイナミック(固定)】以外のモードを選択する。
    • それでも納得できない人は、電源ボタンの4つ下にある「AVポジション」ってボタンを何回か押していき、【AVメモリー】にする。それから、カーソルキー上にある「ホーム」を押して、「設定──画像調整」を選び、明るさなどの設定を全部中央値にする

 こうすると、クアトロンのそれが「まやかし」じゃなくて「結構マトモ」なんだな……ってことが見えてくると思う。
 まだ変換カーブや採色(=4色の組み合わせ方)に「迷い」や「個々人の色覚差に対する研究不足」っぽいところが残ってる気がするけど、少なくとも「緑色の担当色域を、1色体制から2色協働へと分割した効果」ってのは、今のモデルでも十分に発揮できていると思う。