「シフト先行交差方式」と「タイムシフト交差方式」と「同期連続シフト方式」と「同期非連続シフト方式」のために、それぞれのアクセシビリティが必要なのかも。

(過去:「アクセシビリティ適応性を付加した」連続シフト系配列用の共用ロジックである「タイムシフト+プレフィックスシフト」を用いて、「アクセシビリティ対応のかえでライティあすか」を表現してみるテスト。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:今日の「仮名漢字変換システム用同時打けん型入力法 X 9xxx-200x」は【一本指でも親指シフト!】。 - 雑記/えもじならべあそび)


 フツウのシフト方式や、親指シフト方式など、同時に(あるいは先行かつ交差して)キーを押さなきゃダメ!ってゆー入力方式について、順次入力機能(プレフィックスシフト機能)をつけよう!ッてのが、いまの標準的なアクセシビリティ指針。
 ソフトウェア・スイッチをひとつ切り替えるだけで、【金も時間もかけずに、全く同じハードウェアでできる】ところが魅力。
 きちんとしたアクセシビリティ技術ってのは、「障害を負った人」だけじゃなくて、「一時的に怪我をした人」とか「たまたま片手で操作しなきゃいけないとき」とか、そーゆー時でも【何の躊躇もなく、便利な機能の一つとして、フツーに使える】ぐらいに普及してることが、とても重要だからねぇ……そうじゃないと「いざと言うときに、使えない」なんて、笑えない事態になっちゃうから。

 よく、アクセシビリティは「特別なもの」と捉えられがち……なのだけれど、アクセシビリティに関して一番困るのは、【アクセシビリティ機能に対するアクセシビリティがない】という状態。
 「めったに生産されていない/めったに入手できない○○を買わなきゃ、アクセシビリティ機能が使えません」とか、そーゆーシーンは極力少なくしていきたいよね。「アクセシビリティ機能に対するアクセス性の良し悪し」は、そのうちシステム全体を評価する基準のひとつになると思う。


 まー、中にはアクセシビリティの一つ(プレフィックスシフト)を「超高速入力のための必須機能として採用する」なんてゆー、ぶっ飛んだことを考え付いた人が居たけど……。

 こいつは「究極のアクセシビリティ実装」としてあげられる、いいサンプルの一つ。
 なにしろ「規格自体が、アクセシビリティ以外の理由を根拠に、実質的なアクセシビリティ機能を【標準的にOnとした状態で使う】ようになってる」から、わざわざスイッチを切り替えたりする必要性すらない。
 かな←→ローマ字の切り替え方も知らない……とかいう人がたくさん居るのに「アクセシビリティ機能のOn/Offなんて、知ってる人が居ると思うほうがおかしい」くらいの現状だから、いっそのこと【アクセシビリティ機能Onの状態で使いやすくなるように、はじめから配列設計を行う】ほうが、アクセシビリティ機能に対するアクセス性を向上させる(というか、バリアフリーにしてしまう)ために役立つ、と。これが20年以上も前に設計されてた……ってゆーのは、すごいものがあるよ。
 障害・怪我・マニュアル片手の入力など……という状況にあるかどうかに全く関係なく【皆が(目的はそれぞれ別にあるのに)全く同じ設定を区別することなく使うことになる】ってのは、いかにもJIS規格化されるに相応しい、すばらしいhackだよな、と思う。


 それにしても、「フツウのシフト方式」とかって、なんか説明方法として微妙だよなぁ……と。
 ってゆーわけで、適当に命名してみた。

シフト方式名 実際の挙動
「シフト先行交差方式」 シフトキーが先行して、かつ「被シフト対象キー」を押下し交差させる、シフト方式。小指Shiftキーとか、そーゆーのの動き方。
タイムシフト交差方式」 シフトキーは意識的に先行させる必要がなく、「被シフト対象キー」の押下を数十ミリ秒ほど論理遅延させることによって交差させる、シフト方式。

 「タイムシフト交差方式」ってのは、結果として「同期連続シフト方式」とほとんど同じ挙動を示す……のだけれど、祖先が違う(!)から、一応別に名前をつけて「何をどう変えたものなのかがわかる」様にしようかな、と。
 ちなみに、「同時打鍵方式」を基準にしたときの話だと、次のように……。

シフト方式名 実際の挙動
「同期連続シフト方式」 シフトキーは意識的に先行させる必要がなく、「被シフト対象キー」の押下を数十ミリ秒ほど論理遅延させることによって交差させるもののうち、「被シフト対象キー」の操作内容によってシフトキーの挙動が打ち切られたりしない、シフト方式。
「同期非連続シフト方式」 シフトキーは意識的に先行させる必要がなく、「被シフト対象キー」の押下を数十ミリ秒ほど論理遅延させることによって交差させるもののうち、「被シフト対象キー」の操作内容によってシフトキーの挙動が打ち切られる、シフト方式。

 「タイムシフト交差方式」にとっては「シフトキーの挙動が打ち切られない=当たり前」のことなのだけれど、「同時打鍵方式」として括られるものについては、分類すると「シフトキーの機能を打ち切ることによって、シフト残りを解消する」ものと「文字キーのOnとOffを、両方とも未来へとシフトすることによって、シフト残りを解消する」ものとの、2種類がある……と。
 ……なんか、ややこしいですね。