このコメント、「いろいろな人の立場に立ったときに、おかしくはない」って言える、のかなぁ。
an_dan_goさんとこに書いたコメント、なのだけれど。
ローマ字系を改造しても、かな系を改造しても、突き詰めれば「どちらもほぼ同じ効率」のものが出来ます。
この2つは、同じ効率をたたき出すための「考え方・手段」に違いがあります。
ローマ字入力系の効率を突き詰めると「数百個の定義に対して、短めの打鍵順序を割り当てた入力法」が出来上がります。
かな入力系の効率を突き詰めると「数十個の定義に対して、極端に短い打鍵順序を割り当てた入力法」が出来上がります。
前者には「慣れたローマ字入力を使いまわせる」というメリットがあります。
後者には「覚えることが少なくて済む」というメリットがあります。
どちらがラクだと感じるかは人それぞれのようですから、【an_dan_goさんご自身にとってどちらがラクなのか】を検討いただいたうえで、選択いただくと良いかと思われます。
ちなみに、(どの入力法を使うとしても変わることなく)練習されるときには、以下の記事が参考になるかと思われます。
http://ameblo.jp/ujiro/entry-10000750318.html
今後、もしもローマ字の拡張定義をたくさん覚えることに負担を感じることがありましたら、代替策として「ATOK対応の月配列」をお試しいただくと良いかもしれません。
http://jisx6004.blog8.fc2.com/blog-entry-72.html
70個弱のローマ字定義だけで「よく出来た拡張ローマ字入力」に近い効率を出せます。
(from http://d.hatena.ne.jp/an_dan_go/20090506/1241627301#c1241800435 )
あと、ここに書いていなかったこととしては……
- かな系は「定義を浅くして、使える範囲のすべてにもれなく文字を定義しようとする」もの。
- 行段系は「定義を深くして、使いにくい連接は贅沢に捨てて*1文字を定義しようとする」もの。
って視点もあり、だろうか。
そう定義すれば、
- かな系では「使いにくい運指も捨てられない&短定義にこだわってる」ので、運指と戦う必要があって、結果設計途中での調整に悩みがちになる。
- 行段系では「使いにくい運指は贅沢に捨てる&短定義にこだわらない」ので、運指と戦う必要があまりなく、設計途中での調整に悩む機会があまりない。
ってゆー、設計途中でのアノ話がきちんとつながる、のかも。
設計する側に回るにせよ、使う側に回るにせよ、どちらであっても関係なく「自分にとって合う方法に出会うためには、何を考慮すればいいのかがわからない」ってことがあってはマズい……ので、そういったところの基本線を提供するための、何かヒントにでもなればいいのだけれど。
このあたりのバランスって、人それぞれに許容できる内容&深度が違うし、「深度が深いものよりも、深度が浅いもののほうが、必ずしっくり来る」なんて単純なものでもない*2から、とてもややこしいところが、悩みの種……なのかなぁ。
*1:「理論上は」定義できるけど、「現実的には」そんなに定義があっても使いこなせないし……ってゆー話が絡んでいて、結局は捨てざるを得ない。たとえばアルファベット3文字組みのすべてに文字を定義すれば、最大で17576定義が使えるけど、現行では漢直系/速記系ともに最大定義数が2500近傍くらいで、たぶんこれを超える定義は「出来るけれども使えない」部分になるんだろうなぁ……と思う。拡張ローマ字系で整理するなら、「使いにくいパターンを捨てる」とか「使いにくいパターンは3打鍵目(あるいは2打鍵目)の枝からばっさり切ってしまう」とか、そういう方法をとって「最大定義数を、実際定義数に十分近づける」ことがポイントになるのかも。
*2:たとえば、「かえでおどり配列」は、配字方針だけをみれば「どうかんがえても、かえであすかよりは単純」なんですよね……ところが、実際にやってみようとすると「俺にとっては重そう」ってなるわけで。人によって「定義の量」が気になる人もいれば、「定義の規則性」が気になる人もいて、統一的に「この配列は簡単」とかいうことが難しいのは厄介だと思う。