飛鳥を評価するときのポイント。

(トラバ先:http://gohan.wotaku.jp/typing/642)


 W/Hさんが飛鳥を評価される……ということで、一度飛鳥について整理してみようかな、と。

この記事の要点。

 せっかく、(ひさしぶりに!)飛鳥を試される方がいらっしゃる……ということで、次のものをW/Hさん向けに提供する用意があります。

  • 繭姫/姫踊子草の「1人分ライセンス」を購入するためのコスト*1
  • 撮影用に使えそうなWebcam

 私としては「飛鳥系を評価打鍵してくださる人に対して、できるお手伝いはしたい」……と、この記事はそれをいいたくて書きました。

バージョンについて。

 個人的な独断と偏見から、次の2つのうちどちらかをお勧めしたいところです。

  • 飛鳥21世紀-379 ( http://ameblo.jp/asuka-layout/entry-10251920266.html )
    • 私は「改版、即改善……だとは思えない」タチなので、とてもひさしぶりにピンと来た*2「379版」という特定版だけを、ピンポイントで*3お勧めしたい感じ。ただし、(多量打鍵ではなく)高速打鍵時の安全性などについては試験されていないので、そのあたりの性能についてもあわせて評価打鍵いただくことになるはずです。
  • 飛鳥21世紀-290
    • 「多くの方が試し、そして様々な配列へと生かされた」特徴的な歴史を持つ、不思議な過去がある版。色々問題があるはずなものの、「高速打鍵適正はある」ことがハッキリしているので、そういう意味ではお勧めできる……と。


 評価打鍵量が100万アクション/年程度であれば「かえであすか」を……なんて無邪気な提案をしてみたい気もするのですが、打ち切りだけでも30万アクション(練習全体だと100万アクションを優に超えるはず)とかいう分量になると、さすがに安全性を保証できないですね……むむむ*4

キーボードについて。

 飛鳥は「普通の配列&普通の品質をもつ、JISキーボードで使うことを前提にして」設計されているので、設計対象である普通のキーボードで使うのが正しいと思います*5

  • 「真ん中にスペースキーが付いた、普通のJISキーボード」を激しく推奨。
    • デスクトップキーボードを使う場合は、「無変換」「スペース」「変換」キーの手前側が、鋭角になっておらず丸まっているもの(NEC製パソコン付属のミネベアキーボードなど)がベストだと思います。もともとそういうタイプのキーボードが推奨されていた気も。
    • ノートPCのキーボード&ノートPC風味のキーボードでは……真ん中スペースで、かつパンタグラフ支持になっていれば、大抵のデザインでイケると思います。
  • 現時点で市販されている、親指シフトキーボードの「FMV-KB232」と「FMV-KB613」は、それぞれ飛鳥を「素直には設定できない」はずです*6
    • 過去にUSB接続タイプで存在していた「FMV-KB231」と「FKB8579-661EV」は飛鳥を素直に設定できます*7が、飛鳥は「親指キーの高さが高くない(≒FMV-KB232や、かつての親指シフトワープロ専用機のような)キーボードで使ったときに、ちょうどいい」ような気がするので、そのあたりを考慮する必要があると思います。

ソフトについて。

 「やまぶき」をダウンロード済みであれば、ソレを使うといいと思います。
 「繭姫/姫踊子草」を使う場合、シェアウェア代金は私が出してもいいかも。

練習方法について。

 ……って、これは私がどうこう言う必要なんてないですね^^;。
 乗り換え経験がない方には「増田式」とか「50音順練習法」とかをお勧めすることになる……のですが、タイパーさんなら「バッチリ記憶して、あとはやりこみで突き進む」スタイルことになるのでしょうか。

打鍵動画について。

 Webカメラで「キーボードをたたく姿を真上のアングルから狙ってプレビュー」しつつ、そのプレビュー画面とタイピングソフトの画面を一緒に「画面キャプチャソフトで録画」という方法が、一番安上がり&動機撮影しやすいかもです。
 真上からの撮影は「他のどのアングルよりも、配列のまずい部分がよく見えてしまう」特性があります……が、打鍵動画は「横から撮ると、他の配列といまいち区別がつかず、面白みが減ってしまう」ところがありまして、個人的には真上からの撮影をお勧めしたいところです。
 うちに使ってないWebcamが転がっているので、必要でしたら提供します。

配列そのものの評価について。

 (これは無いと思うのですが)「かえであすか」が対象なら、もー容赦なく文句を書いていただいて構いません。
 本物の飛鳥については「意見する時点での最新版を評価した場合に限り」Rayさんが対応するはずです……が、たぶんW/Hさんの練習中にも「新しい版」が再び公開されるでしょうから、このあたりは(やりこみによって速度を上げていくというプロセスとは相反する話になるので)期待しないほうが良いのかもしれません。

指の痛みについて。

 私は親指シフト系に関する「親指の痛み」について、【どんなに練習しても、痛みから解放されない人が、一定の割合でいらっしゃる】ものだと考えています。
 基本的には「ケータイの打ち方をマネしない・親指単独での押下は行わない・腕や手首のチカラで打鍵する」という感じの打鍵スタイルをとれば、大きな問題は起きないのではないか……と考えていますが、指に痛みを感じた場合は、休止もしくは利用の中止をご検討ください。


 #ノートPC用キーボードのような「ストロークの浅い」キーボードであって、かつスペースキーが大きいために「親指の上下方向可動域が、人差し指の存在によって自動的に制限される」キーボードを使えば、まず親指の痛みは発生しないはずだと考えられます……が、これは高速打鍵を行うためには不向きなので、競技タイピングの視点から見ると、あまり現実的な解決策ではないのかもしれません。

最後に。

 ……あとはただ、「Let's enjoy!」ですね。

*1:「これから買う」か「既に持ってる」かには関係なく、です。

*2:どうしてこう「ピンと来た」のかは説明のしようが無いのですが、感触としては「290版と333版以来の、ひどくひさしぶり」ぐらいの感じ、でしょうか。

*3:私の感触が当たってるかどうか……は解らないのですが、飛鳥には「開発の波」があるようなので、そのあたりをなんとなく感じつつ、この版を提示してみた……という意図も含んでいます。

*4:一応「癖で」こういうことを書いてみたりするわけですが、実際問題として「かえであすかについては、安全性を保証できない」ってのは事実なので、実際これはお勧めできかねるところで。飛鳥なら4倍くらいの打鍵密度が実用域で使えるはずなので、実際に評価打鍵するなら「本物の飛鳥」がよさそうです。

*5:これは飛鳥に限らず「最近作られた、エミュレータで実現することを前提にした配列」のうち多くにとって、該当する話なのかも……。

*6:「FMV-KB232」と「FMV-KB613」の2つは「NICOLA-F型(富士通ワープロ専用機に近い形)」を意識して作ってるはずなので、もともと他の配列を再現するにはちょっと向かないところが。

*7:「FMV-KB231」と「FKB8579-661EV」の2つは「NICOLA-J型(変換と空白がひっくり返ったJISキーボード、という形)」を意識して作ってるはずなので、もともと「JISキーボード向けにデザインされた配列でも、ある程度適用できる」という特徴が。