Typewellをやるなら「Typewell国語K」よりも「Typewell国語R」のほうが有利……?。

(過去:「雑記打」のメモ。 - 雑記/えもじならべあそび)


 なんというか、前々から漠然と不安だったことが……。
 「Typewell国語K」と「Typewell国語R」では、1課題ごとに与えられる「入力しなければならない平均文字数」が公平に割り当てられていないように見えるんですよね……。
 tori_noさんが公開されているワードセットを見回してみて、「やっぱり、なんかヤな予感がするなぁ……」と思って計算してみたら、どうやらビンゴらしく。
 #これは「基本常用語のみ」の話なので、他のモードのワードセットが解らない状況では「全体についていえるとは限らない」ことに注意。

理想値

 以前に私の日記で計算したときには「1課題=かな234文字」だった……のですが、実際にTypewellのワードから計算すると、「1課題=かな230文字」とするほうが、公正さがよく出るようです。
 親指シフト系でやるなら*1、「Typewell国語R」を使ってチャレンジしてみるといいでしょう。ただし、打鍵数の不正な増加を防止するために、「拗音を待ってから入力」の機能は必ず使わなければなりません。


 つぎは、JISかなの項目。
 ……Typewellのワードを打とうとする場合、「1課題=かな230文字」を打つために必要な打鍵数は、「272打鍵」です。この分量がTypewell国語Kの1課題として与えられていれば、まず不公平といわれることはないでしょう。

× ロマかなモード打鍵数 かな文字数 JISかな打鍵数
ロマかな400打鍵換算時 400 230.19 272.23
JISかな272打鍵換算時 399.66 229.99 272
かな字数230文字換算時 399.68 230 272.01

現実値

 真面目にTypewell国語Kの「1課題=280打鍵」を適用した場合、以下のようになります。
 さて、なにがおかしいのか……あなたには、もちろん理解できますよね。

× ロマかなモード打鍵数 かな文字数 JISかな打鍵数
ロマかな400打鍵換算時 400 230.19 272.23
JISかな280打鍵換算時 411.41 236.75 280
かな字数230文字換算時 399.68 230 272.01

私的結論。

 「Typewell国語K」は、「Typewell国語R」よりも、以下のように「1課題あたりの負担」が大きく設定されている。

  • かな文字換算で6と3/4文字相当分。
  • JISかな換算で8打鍵相当分。
  • ロマかな換算で11打鍵半相当分。

 ただし、検算は必要だと思う。

……で、これでどんな不都合が出るんですか。

 すくなくとも「基本常用語」については、以下のことが言えます。

  • Qwertyロマかなユーザさんが「ロマかな→JISかな翻訳ソフト」を通して「Typewell国語K」にチャレンジした場合、平均してロマかな11打鍵分だけ「Typewell国語R」よりも余計な課題を押し付けられます。
    • JISかなユーザさんは、1課題ごとに「JISかな8打鍵分」の余計な負担を強いられているわけです。
  • JISかなユーザさんが「JISかな→ろまかな翻訳ソフト」を通して「Typewell国語R」にチャレンジした場合、平均してJISかな8打鍵分だけ「Typewell国語K」よりも少ない課題だけで済みます。
    • Qwertyロマかなユーザさんは、1課題ごとに「ロマかな11打鍵分だけ」得をしているわけです。

なぜにこういう話を書いたのか。

 タイピングソフトの目的が「単位時間当たりに打つ、打鍵の数を競うこと」であるならば、それこそ「Typewell国語K」であろうと「Typewell国語R」であろうと400打鍵で打つ*2とか、そういう方向で行くのが当然だと思うんですよね……。
 そうではなくて「単位時間当たりに打つ、かなの数を競うこと」であるならば、ワードセットに沿った打鍵数比を設定するなり、そもそも「かな230文字を打ち切るルールにする」とか、そういう対策が適しているのではないかな……と。


 ……もしも「同じ土俵」で、入力法に関係なく(Qwertyロマかなでも、JISかなでも同じく「かな230文字」の)入力速度を競う土台があれば、このあたりは【私がこんな記事を書かなくても、自然と明らかになる】話だと思います。

2009年3月1日22:50:18追記。

 表の体裁が異常だった……ので、とりあえず修正しました(コレでもまだ解りづらい気がするけど……)。

2009年3月2日22:31:29追記。

 検算してみようとした……のだけれど、もう一つ違和感を見つけたので、ためしに打ってみた。

【国語K】1課題=280打鍵
と゛くとく ちかちか けなけ゛ さすらう ほくろ えあこん ねっとう とけ゛ のろのろ まにあ うそ
 はこふ゛ し゛ゆう めくる せかせか は゜すた ひ゜あの て゛さ゛いん すふ゜ーん ちゅうせい か
たろく゛ らんきんく゛ とうとう よくし゛つ ゆめ おせっかい なっつ みねらる ゆうひ゛ん つふ゛
さに き゛たー わきまえる まるまる あさって あくせさりー しゃれ むかむか さーかす かさは゛る
 にこやか れんたる るーる おとしより のうき゛ょう た゛っこ よと゛む せつめい しなやか けい
さん こんにゃく みす゛ うす゛うす゛ す゛さん か゛つか゛
280打鍵(空白を数え、かつ濁点と半濁点を分離した時の数)、シフトキー操作は数えず。


【国語K】かな数換算時
どくとく ちかちか けなげ さすらう ほくろ えあこん ねっとう とげ のろのろ まにあ うそ はこ
ぶ じゆう めくる せかせか ぱすた ぴあの でざいん すぷーん ちゅうせい かたろぐ らんきんぐ 
とうとう よくじつ ゆめ おせっかい なっつ みねらる ゆうびん つぶさに ぎたー わきまえる まる
まる あさって あくせさりー しゃれ むかむか さーかす かさばる にこやか れんたる るーる おと
しより のうぎょう だっこ よどむ せつめい しなやか けいさん こんにゃく みず うずうず ずさん
 がつが
254カナ(空白を数えた時の数)。


どくとくちかちかけなげさすらうほくろえあこんねっとうとげのろのろまにあうそはこぶじゆうめくるせかせか
ぱすたぴあのでざいんすぷーんちゅうせいかたろぐらんきんぐとうとうよくじつゆめおせっかいなっつみねらる
ゆうびんつぶさにぎたーわきまえるまるまるあさってあくせさりーしゃれむかむかさーかすかさばるにこやかれ
んたるるーるおとしよりのうぎょうだっこよどむせつめいしなやかけいさんこんにゃくみずうずうずずさんがつ

201カナ(空白を抜いた時の数)。

【国語R】1課題=400打鍵
donata timatima akarui saikoro kotukotu inku oioi dousite mikkusu mausu kizasi mannin zubora mukasi
toranpu gobou arufabetto keiko ti-mu meron kati zureru konnna itoko yamuwoezu budou amari suika zita
ku tenrankai yomu mayone-zu kouen torimonaosazu mokuteki ume handoru omomuroni deredere taisaku taip
u sousoutaru tasukeru kirakira tyu-na- hikiiru tossa syukuga seikatu eigo to tako kaziru tatimati ke


【国語R】かな数換算時
どなた ちまちま あかるい さいころ こつこつ いんく おいおい どうして みっくす まうす きざし
 まんいん ずぼら むかし とらんぷ ごぼう あるふぁべっと けいこ ちーむ めろん かち ずれる 
こんな いとこ やむをえず ぶどう あまり すいか じたく てんらんかい よむ まよねーず こうえん
とりもなおさず もくてき うめ はんどる おもむろに でれでれ たいさく たいぷ そうそうたる たす
ける きらきら ちゅーなー ひきいる とっさ しゅくが せいかつ えいご と たこ かじる たちまち

251カナ(空白を数えた時の数)。


どなたちまちまあかるいさいころこつこついんくおいおいどうしてみっくすまうすきざしまんいんずぼらむかし
とらんぷごぼうあるふぁべっとけいこちーむめろんかちずれるこんないとこやむをえずぶどうあまりすいかじた
くてんらんかいよむまよねーずこうえんとりもなおさずもくてきうめはんどるおもむろにでれでれたいさくたい
ぷそうそうたるたすけるきらきらちゅーなーひきいるとっさしゅくがせいかつえいごとたこかじるたちまちけ
199カナ(空白を抜いた時の数)。

 うーん……ワードセットから「完全ランダム」に出ているわけではなさそうな……。
 もうすこし、傾向をきちんと見つめていく必要がありそうです……。

2009年3月2日23:37:27追記。

 ……それぞれに「異なる入力法で打った場合」の打鍵数を確認してみることに。

【国語K】1課題=280打鍵
と゛くとく ちかちか けなけ゛ さすらう ほくろ えあこん ねっとう とけ゛ のろのろ まにあ うそ
 はこふ゛ し゛ゆう めくる せかせか は゜すた ひ゜あの て゛さ゛いん すふ゜ーん ちゅうせい か
たろく゛ らんきんく゛ とうとう よくし゛つ ゆめ おせっかい なっつ みねらる ゆうひ゛ん つふ゛
さに き゛たー わきまえる まるまる あさって あくせさりー しゃれ むかむか さーかす かさは゛る
 にこやか れんたる るーる おとしより のうき゛ょう た゛っこ よと゛む せつめい しなやか けい
さん こんにゃく みす゛ うす゛うす゛ す゛さん か゛つか゛
280打鍵(空白を数え、かつ濁点と半濁点を分離した時の数)、シフトキー操作は数えず。


【国語Kの1課題をロマかなで打った場合】
dokutoku tikatika kenage sasurau hokuro eakon nettou toge noronoro mania uso hakobu jiyuu mekuru sek
aseka pasuta piano dezain supu-n tyuusei katarogu rankingu toutou yokujitu yume osekkai nattu minera
ru yuubin tubusani gita- wakimaeru marumaru asatte akusesari- syare mukamuka sa-kasu kasabaru nikoya
ka rentaru ru-ru otosiyori nougyou dakko yodomu setumei sinayaka keisan konnnyaku mizu uzuuzu zusan
gatuga
ロマかなで打った場合の406打鍵に相当(空白キーの打鍵を含む場合)。


dokutokutikatikakenagesasurauhokuroeakonnettoutogenoronoromaniausohakobujiyuumekurusekasekapasutapia
nodezainsupu-ntyuuseikatarogurankingutoutouyokujituyumeosekkainattumineraruyuubintubusanigita-wakima
erumarumaruasatteakusesari-syaremukamukasa-kasukasabarunikoyakarentaruru-ruotosiyorinougyoudakkoyodo
musetumeisinayakakeisankonnnyakumizuuzuuzuzusangatuga
ロマかなで打った場合の353打鍵に相当(空白キーの打鍵を含む場合)。

【国語R】1課題=400打鍵
donata timatima akarui saikoro kotukotu inku oioi dousite mikkusu mausu kizasi mannin zubora mukasi
toranpu gobou arufabetto keiko ti-mu meron kati zureru konnna itoko yamuwoezu budou amari suika zita
ku tenrankai yomu mayone-zu kouen torimonaosazu mokuteki ume handoru omomuroni deredere taisaku taip
u sousoutaru tasukeru kirakira tyu-na- hikiiru tossa syukuga seikatu eigo to tako kaziru tatimati ke
400打鍵(空白を数えた時の数)。


【国語Rの1課題をJISかなで打った場合】
と゛なた ちまちま あかるい さいころ こつこつ いんく おいおい と゛うして みっくす まうす き
さ゛し まんいん す゛ほ゛ら むかし とらんふ゜ こ゛ほ゛う あるふぁへ゛っと けいこ ちーむ めろ
ん かち す゛れる こんな いとこ やむをえす゛ ふ゛と゛う あまり すいか し゛たく てんらんかい
 よむ まよねーす゛ こうえん とりもなおさす゛ もくてき うめ はんと゛る おもむろに て゛れて゛
れ たいさく たいふ゜ そうそうたる たすける きらきら ちゅーなー ひきいる とっさ しゅくか゛ 
せいかつ えいこ゛ と たこ かし゛る たちまち け
JISカナで打った場合の276打鍵に相当(空白キーの打鍵を含む場合)。


と゛なたちまちまあかるいさいころこつこついんくおいおいと゛うしてみっくすまうすきさ゛しまんいんす゛ほ
゛らむかしとらんふ゜こ゛ほ゛うあるふぁへ゛っとけいこちーむめろんかちす゛れるこんないとこやむをえす゛
ふ゛と゛うあまりすいかし゛たくてんらんかいよむまよねーす゛こうえんとりもなおさす゛もくてきうめはんと
゛るおもむろにて゛れて゛れたいさくたいふ゜そうそうたるたすけるきらきらちゅーなーひきいるとっさしゅく
か゛せいかつえいこ゛とたこかし゛るたちまちけ
JISかなで打ったときの220打鍵に相当

 うーん……予測と比べて半分以下しかずれてない様子で、入力モード別の特殊なことえりも行われていないッぽい。
 スペースキーの押下率は全打鍵中の平均で21.3%だから……って、この計算は「カナベース」だった。
 そもそも打鍵効率が違うから、スペースキーの押下率は……JISかなでは21%(56打鍵)近傍で、ロマかなの場合は13%(53打鍵)近傍と。


 1例ずつだけでは微妙だから、結局は「やりこみ」をして課題のパターンを確認していかないとダメ、なのかも。

*1:というか、正確な「入力能力」を測定するなら、入力法に関係なく、だと思う。

*2:コレに一体何の意味があるのか?と問われた場合、私には答えようがありません……あまりにも「実用性能の測定」からかけ離れすぎていて、意味があるように思えないのです。