配列スレッド印象メモ。(注:かなり脱線してます)

 ……特定の配列ではなくて、配列系スレッド全体を見つつ。
 【日本語入力を利用するすべての方が、仮に日本語入力の現状について熟知した場合】を想像してみた場合に、その姿の縮図はそのまま【(すでにPCと日本語入力の現状について熟知していると思われる)配列系スレッドに関わる方+配列系Blog記述者の母集団】と一致するのだろうか……と、ふと考えてみた。要は「配列界隈を知ってしまった人はどう行動し、何を選び、そして何を作るか」という話。


 配列乗換えが機器の交換と一致していたころは別として、今であれば必要なものをそろえれば配列交換への壁はそう高くはないし、私製配列も個人設計できる(これらはどちらも先賢による知恵と努力の結晶ですね)……という事柄があって現状があるというつながりからすると、「日本語打者全体」と「配列界隈に見える意見」の間にある「能力的・嗜好的なもの」というのは、そう違う分布を取ってはいないのではないかな……という気すらしてくる。
 いや、正確に言い直すと「詳しく知っている、という点を唯一除けば、日本語入力利用者全体の母集団から、そう外れてはいない」のではないかな、と。


 勝間さん本をきっかけにして、あれだけ「使い始める人」と「思いっきり批判を展開する人(「批判」される側にも半分の責任がある点に注意。責任が10対0なんてことはあり得ない)」が現れた……とすると、結局のところは「認知されていないから」という部分が、かなり大きいような気もする。
 もっとも、導入への負担に関する問題はあって、どうしてもPCに関するそれなりの知識が必要になってしまうという問題は残ったままなので……。


 うーん……【「キー入力入れ替えソフト」のJIS規格化を目指して。】をうまく実現して、【Qwertyローマ字ユーザーも、JISかなユーザーも、それ以外のユーザーも等しく、PCに関する詳しい知識なしに、PCの厄介な制限に困らされることなく、普通に「自分にとってしっくり来る方法を使うことができる」】状態を実現するために、何か良い方法はないものでしょうか……PCの利用状況が「ケータイ並に個人所有側へと寄り始めている」現状からすると、ケータイだけではなくPCに対しても「色々な入力法が使えること」に意味があるのではないかなぁ……と、私はそう思うのですけれども。
 それにしても、ケータイはうらやましいよなぁ……なんだかんだ言いながら、ポケベル入力は根強く支持されているようだし、古くからT9が採用されてみたり、D800iDSのような物が出てきたり、予測変換が出来上がる土壌となっていたり……と、日本語入力に関する企業側の好奇心というのは、結構あるような気がする。
 PCについては「単一配列」を新JIS化して失敗したけれども、「配列を載せるためのフレームワーク」なら、今からでも失敗せずにいけるのではないかという気がする。


 すくなくとも、「いまJISにある方法だけでは使えない、そのほかのけん盤配列を用いたいと思うすべてのユーザ」にとっては即刻利益をもたらすから……それこそ、日本の人口に「親指シフト利用者」の比率らしき0.7%(出典はWikipedia)*1を掛けてみて、893333人ぐらいは恩恵に預かれる……のか?下方誤差が出たら「他の入力法の利用者」を加算して埋めるにしても、さすがに乱暴すぎる計算だなぁ^^;。
 90万人ってゆーと……仙台市民(100万人をほんの少し上回る程度)よりもちょっと少ないぐらいだろうか。それだけの人数が一気に「自分にとっては快適な入力法を使える」状況になると、相当面白いことになりそう。
 Microsoftの「StartKeyプロジェクト」などによって、USBメモリーを使って環境を持ち歩く方法が普及してくると、次第に「デスクトップ環境とともに入力法も持ち歩ける」様になるのかも……そんなときに、はじめからOS側で「色々な配列をサポートするシステム」が構築されるようなJIS化案が通ってくれると、(セキュリティ的に拒絶されやすい)プログラム本体など持ち歩く必要なしに、(セキュリティホールが原理的に出にくい)キー配列定義データだけを「StartKey」のようなものにぶち込んでおけば済むようになるから、とても楽になると思う。
 まずは、今の「セキュリティの都合で、とにかくソフト類の導入は厳禁!」という方向(これは職場によって結構違いがあるようで……)から、「こりゃあ、JIS化してもらって【プログラム自体の導入を抑制&配列定義データだけの移動へと移行】してもらう方向に振らなきゃダメだな、セキュリティホール的に」という方向に動いていただけるようにしていきたいところですね……。
 当然、それを実現しようとなると「単一配列だけに対応するもの」ではちっとも役に立たないので、結局は「汎用的に対応するもの」が必要になるだろうと思います。


 ……もっとも、この話は「Qwertyロマかなユーザさん」「JISかなユーザさん」にとってもメリットがあると思います。というか、現状ですらすでに両者ともに「かなロックがらみ」であれこれとトラブルに巻き込まれている(前者は切り替え方を知らなくて困り、後者は元に戻していないと言われて困り……という、かなり微妙な状況)はずなので、そういった「かなロック」がらみのややこしい問題を解きほぐすためにも、この方法は役立つのではないかと考えています。
 今はもちろん夢物語でしかないのですが、何かのきっかけになれば……という意味も込めて、とりあえず書いてみました。

*1:2008年3月22日10:58:46追記……「出典」を「出展」と書いていたので訂正しましたorz。