親指シフトについて追いかけることで、飛鳥についても見えてくることがある……のかもしれない。
#中身はすっからかんなので、読むのでしたら斜め読みを推奨します……。
記事【(かえであすかを含む)飛鳥カナ配列はロールオーバーに耐えるのか?】について、kouyさんから指摘を頂きつつ確認していて、ふと思った……のだけれど。
私が親指シフトについて(たぶん、親指シフターさんから見ればあまり気分が良くないと思われる)ことがらをも含めて、ここに書いていたりする理由というのは、実際には「飛鳥について、すっかり忘れてしまっていた基本的なことを思い出させてくれる」ということも絡んでいるのかも……と。
一度慣れてしまって【まぁ……こういうものでしょ】と納得してしまうと、なかなかこういうことには気づけない状態に至ってしまうのだけれど、思いついたことをつらつらと書いたときに「それは違うよ!」と的確に指摘してくださる方がいらっしゃる……というのは、私にとってとても有難い話でして。
この種のことは、仮に単一の配列を使う人同士のみで意見のやり取りを行うようになってしまうと、どうしても見つけづらくなるので、そのあたりについては常に危機感を抱いていたりします。
鈴見咲さんが「入力法を自由に選べる環境を維持することの重要性」を説いていらしたなかには、こういうところも含まれていたのかも?
……で、この話は翻って「親指シフト」そのものについても、同じように働く可能性があるのではないかな……と感じていたりします。
(狭義の、NICOLAとしての)親指シフターさんだけで話を展開したときに、場合によっては慣れによって忘れ去られていることがあったりするのかも、と考えたりすることがたびたびあります。
昨日のメモに書いたような親指ひゅんQの話や、「かえでにこら」を経由してNICOLAの素性を見ようとテストしてみたり……。
こういう形でたまに「穴を探して」みたり、「見つけた穴を埋めて」みたり、ということをしている理由には、飛鳥に関して新たな発見を得るのと同じように、NICOLAをお使いの方にとって何らかの発見を提供するきっかけになるのかも……と。
感情論でどうこうするだけではなかなか核心に迫れない分野というのがあるのかも知れず、そういったところを見つめなおすためには「(苦虫を噛み潰すかのような思いをされる方がいらっしゃるかもしれないというところは心苦しいと思うものの)見つけた・考えたものはとりあえずここに示して、意見が揉まれるor再利用されるのを待つ」ということが、結局は必要になってくるのかもしれません。
感情論めいた話については、かつてJISかなでも猛威を振るっていた気がします……けれども、JISかなに関しては現在「タイパーさんによるドキュメントの整備*1」が功を奏した感があり、JISかな自体の今後の立ち位置はきちんと決まった……と感じています。
ほかの配列についても、同様にして「その配列が持つ本当の姿」を提示しようとする試みは、どうしても必要になってくるはずです。
そういったときに、初期採用者さんに対して、可能な限り「偽り・誇張・あいまいさ」がない情報を提供していきたい……という思いは、今も昔も変わってはいません。
ひとつの配列だけを見てその配列について語ろうとすると、どうしても「他との比較が正しく行われない」ということになりがちなのですが、そういった落とし穴にはまって「使い手にとっては正しくても、使い手ではない人にとっては正しくない」といった文章が出来上がってしまう可能性が捨てきれないことになります。
こういったことを避けて、できる限り「(実際に試すかどうかという点は別にして、少なくとも)誰が読んでも納得できて、おかしな点がない」状態を作り上げようとすると、どうしても「他の入力法の評価打鍵・他の入力法との比較」などといった行為が必要になります。
……と、あまりにも散文的になりすぎましたが、今の私はこういった事情からNICOLAについての事柄を多めに書いていたりします。
JISかなについては、すでにこういうことを必要とする段階は脱している……と思われますので、あとは他の入力法について、少しずつ「他の配列との差異・他の配列との特徴差」を見つけて行きたいと考えています。
この手の話では、たいてい自分にとって都合がいいように物事を書いてしまいがちなので、
- 自分が使っている配列の、自分にとっての長所。
- 自分が使っていない配列の、自分にとっての短所。
というのは書きやすかったりする(しかも、たまに間違っていたり、他の配列にもある特徴だったりする)のですが、むしろ今必要なのは
- 自分が使っている配列の、自分にとっての短所。
- 自分が使っていない配列の、自分にとっての長所。
を記録していくことなのかな……と感じています。
……とはいえ、自分で作ったけん盤配列でもない限りは「自分が使っている配列の、自分にとっての短所」を書くというのは、いろいろな意味で難しいのかも……。
そこをどうにかして超えて、そういうことを書きやすい環境が出来上がって、なおかつ長所と短所をひっくるめて「これが○○配列の姿です!」と言えるようになってくると、さらにけん盤配列の世界が広がるのかもしれません。
私にとっては「かえであすか」がらみであれば、まだ(対照配列としてオリジナルの飛鳥があるので)書きやすい気もするのですが、一般的にはやはり、難しいところがあるのかもしれないですね……うーん。
*1:この分野では、悠木さんの「かな入力のススメ」が全てを変える起点になったように思う。