似非プロケーブル方式スピーカスタンド(によりアフォードされるスピーカーセッティング)雑感。

 部屋の片づけがある程度終了し、すくなくとも音楽室(?)については、おおむねよけいなものを排除できました……ので、見事に音が悪くなりました(苦笑)。
 部屋に満ちていた「雑多なもの」が、いかに「自然な拡散材として音質劣化を防いでいたのか」がはっきりと感じ取れる有様で……悩ましいところです。
 #特に、Diatone/DS-77Zの音質が「押しつけがましい圧迫感を獲得してしまった」点にはがっかり。


 ……って、がっかりしていては始まらないか。
 うちには、Diatone/DS-77Zともうひとつ、Diatone/DS-73Dという、能率が同じ91dB/Wなスピーカがありまして、今回は

  • DS-77Zを「ITU-R BS.775-1」の配置で。
    • ただし、部屋を横に広く取るようにして、かつスピーカを広めに設置しているので、リスニングポイント背面に円の半分近くがあふれている状況。
  • Diatone/DS-73Dを「似非プロケーブルスタンド方式セッティング」の配置で。

という風に設置してみました。
 はじめは(実は3年ほど梱包したまま放置していた)Diatone/DS-73Dの左チャネルで、ウーファーのエッジ裏に異物が付着していたらしく、とても酷い接触音がしていた……のですが、エッジを表側から押していたら問題が解決したので、とりあえず試聴するには問題ないと判断して、テストを続行することにしました。


 2つのスピーカでは音質傾向が異なるものの、基礎帯域での能率が同じなので、原理的には「同じ信号をつっこめば、だいたい同じ音量で鳴るはず」という感じですね。
 この状態で、スピーカ切り替えスイッチをつかって、2つの比較試聴をしてみました。
 部屋を片づけたあと(拡散材代用品がほとんど無い状態)なので、スピーカにとっては過酷な環境だと思います。

  • Diatone/DS-77z with Belden8460/3.5m at ITU-R BS.775-1セッティング】
    • 3wayユニットのそれぞれが「バラバラに鳴ってしまう」状態で、一体感がない。
    • スコーカについている金属網の癖が強く出てくる。
    • (部屋隅から遠い分だけ)低音があまり出ず、ツィータとスコーカが主張しすぎる。
    • 直接音が十分耳に届くので、中域ほどうるさく聞こえる。
    • 音が部屋の中ほどでのみ鳴っている気がして、音がうまく広がらない。
    • (部屋の中ほどのみをスピーカでドライブするので)音量を絞り気味にして聞くことになる。
  • Diatone/DS-73D with チャイムケーブル/20m at 似非プロケーブルスタンドセッティング】
    • 3wayユニットのそれぞれが「まとまって鳴ってしまう」状態で、焦点がぼやける。
    • (試聴点に左右スピーカの軸が向かないので)スコーカについている金属網の癖があまり出てこない。
    • (部屋隅に近い分だけ)低音がよく出て、ツィータとスコーカの主張が不足する。
    • 間接音が主体だとわかるほど直接音が耳に届きにくいので、中域が中抜け気味に聞こえる。
    • 音が部屋の全体でなっている気がして、音が中抜けしてしまう(中抜けしない音量まで上げたいとは思えない)。
    • (部屋の全体をスピーカでドライブするので)音量を上げ気味にして聞くことになる。

 プロケーブルスタンド方式の場合、「(スピーカを使ってドライブするべき容積が大きくなる分だけ)通常よりも大きな出力で音を出す必要が出てくる」ので、音が良く聞こえる……ということなのかも?まだ確証は持てないですけど。
 積み木方式でスタンドを作れば、もうすこし確認できるのかもしれませんが……うちのスピーカには足がないので、積み木方式が使えないんですよね……。


 それと、この実験をする前に「スピーカケーブル交換テスト」をしてみました。
 ……とはいっても、交換の度にスピーカ裏へと回ってごにょごにょすれば「プラセポかどうかの区別がつかなくなる」ので、スピーカ切り替えスイッチ経由で「アンプ→単線→スイッチ→(複線)→DS-77zスピーカ」と接続してみました。
 Belden8460と比較するための対照ケーブルについては「チャイムコード(20m引き、しかもほとんどを巻いたままの状態)」なので、こちらについては通常思い浮かぶ音質と同じく「天然のローパスフィルタ」として動作するはずです。
 結果としては……

  • Belden8460って、音が若干良くなったように聞こえる。
    • 高域寄りにほんの少しグライコを上方修正したのと同じ効果がある。
      • グライコで弄るのとは違って「イコライザの癖」が出ないのは◎。
    • ただし、所詮は「猫だましレベル」でしかない。
      • 単に「高音がよく出るから、見かけ上音質が良くなったようになる」というだけであって、「音量を上げたら音質がよく聞こえてしまう」のと全く同じ原理。
      • 低域側で定在波の影響が出にくいようにセッティングする(→低域の音量感を落とす)代用として「セッティングを一切変えずに目的を達成する」には使える気がしてしまう……けど、低域の悪さをごまかしてくれるわけではないから、使う意味がほとんど見えない。
        • どぶ掃除をせずに「どぶに消毒剤をまいた」のと同じ。本質改善にはつながらず、「魔法の電線」ではない。

という感じか。
 個人的には、この電線は「使わない方が身のため」だと思います。
 「ごまかしの良い音」になりがちで、セッティングをあれこれ試していくうちに、かえって訳が分からなくなる(→はじめから銅単線に固定しておく方が基準音として使いやすい)ようです。


 今日も時間配分を間違えたようで、リスニングに時間を取られすぎましたorz。
 さすがに(連続ではない)同期シフトで「かえであすか」を使うのは微妙なようで、今日はここまで。
 レスは明日以降……ノートの早期復旧はとりあえず後回しにして、デスクトップで書きたいと思います。