高密度デジタルディスク競争についてのメモ。
HD-DVDとBlu-rayの競争については、その行く末に興味がある……のだけれど、従来どおりに
……という状況にはかわりがなさそう。
この状況に変わりがなければ、この戦いは「DVD-R/RWとDVD+R/RW」の戦いを、そのままなぞっていくのではないかな……という気がしています。
DVD+R/RWは当初「価格的に安価で、かつ高機能」ということを売りにしていましたが、結局その後の消費行動はDVD-R/RWを支持しました。
世間様がどういう風な理由でDVD-R/RWを支持したのかはわかりませんが、個人的には「名前の素直さ」からDVD-R/RWを選んだような。
当時DVD+RWは採用メーカーが少なかった(Plextorが採用していたときには買うかどうか迷ったのだけれど、結局当時はかわずじまい)ので採用されにくかったですしユーザの目に触れる機会が少なかったですし、説明するときに「DVDプラスR/RW」と「DVDマイナスR/RW」と説明すると、割と高い割合で「プラスはマイナスの偽者なのか」と聞かれたような……。一応そうではない事を説明するものの、名前が持つ「パチモノ感」はどうしてもついてまわった気がしています。
結局、「DVDマイナスR/RW」対応機の出荷台数が多くなるにつれて、はじめは弱点であったブランクメディアの価格差でも追いついてしまい、結局は今の状態に落ち着いたようです。
今回の「HD-DVDとBlu-rayの競争」についても、同様の道をたどる可能性が少なからずありそうです。
特に家電系はコストメリットの出方が半端ではないので、HD-DVD陣営は「相当な速さで逃げ切る」ぐらいの覚悟でいないと、「ブルーレイという呼びやすい名前」&「液晶/プラズマテレビへの消費行動に連動させた販売戦略」の2本柱に支えられたBlu-rayに崩されて、一気にディスクのコスト差を詰められてしまう可能性があります。
個人的には、ディスクの物理的な特性上から
- セルディスクと、大切に自宅録画品を保存するという用途では、「キレイさ」が重要になる……ので、将来的な多層化による容量増加の余地が大きい「Blu-ray」が有利だと思う。
- レンタルディスクと、頻繁に再生しまくる用途では、「傷への耐性」が重要になる……ので、物理的な衝撃に対して原理的に強い「HD-DVD」が有利だと思う。
……という風に考えていて、片方の規格だけで完全な需要を満たすのは無理だと感じています。
日本市場でどちらが受け入れられるのかはわかりませんが、すくなくとも「より多くのブランクディスクを消費してもらう方法を提案したほうが勝つ」ことは間違いない(セルディスクごときが売れたぐらいでは「レコーダ」も「ブランクメディア」も売れてはくれない)ですので、今後の宣伝戦略では「いかにHDDへと撮り溜めをさせて、いかにたくさんブランクディスクへと書き出させるか」が重要になるのかもしれません。
この2つの方式は、そもそも規格統一ができる程度の違いではすまない「物理層の違い」があるので、最終的にはどちらかひとつの規格だけが残ることは間違いなさそうです。
人間と直接やり取りをするHMIでは「複数対応できなきゃだめジャン!」というところなのですが、ディスクの規格についてはHMIとは関係ないので、これはとにかく「どちらかひとつ」の方法に決まってほしいところですね……。
参考記事。
シャドールームさん経由で発見しました。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/21/news062.html