親指シフト(というか親指を使った打鍵全般)でブラックベリー指を解消するカギは、「親指を動かす【距離】を短くすること」なのかもしれない。


 昨日、【W-ZERO3[es]使いな方に、たった一度……一泊二日だけでよいので、テンキーを使った日本語入力法の「かえで携帯配列」を使ってみて欲しいな……と。】を書いていて、ふと思い出したことが。


 前にも何度か同じ事を書いていたと思うのですが、親指シフトなり、ケータイの親指入力をやる上で、いわゆる「ブラックベリー指」を防ぐ上で大事なことって、実は

  • 親指を必要なキーへと動かす【XY軸方向の移動量】
  • 親指を必要なキー上で離したり近づけたりする【Z軸方向の移動量】
  • 親指でキーを押すために必要になる【押下力】

の3点に集約されるのではないかな……と感じています。


 特に厳しいのは「ケータイでかなめくり入力」をするときなのですが、大抵指が痛くなってくるパターンというのは

  • エ段やオ段のカナを打つために【特定のキーを連打する】
  • 上記連打を避けるために、親指を【逆めくり用の#キーへと動かす】
  • 確定・カーソル送りのために、親指を【カーソルキーへと動かす】
  • 濁点を打つために、親指を【*キーへと動かす】

あたりに集約されるような気がしています。
 始めの「連打」対策については、ボタンの形状を真剣に設計すれば解決するので、(W-ZERO3[es]のような失敗作?を除く)近年の端末は、ある程度対策ができているはずです。
 いっぽうで、親指をめい一杯動かす(→親指の「付け根」を軸に動かす)動作というのは、ボタン形状をどうにかする程度では解消しようがありません。
 ここは配列側で解消するより他には解決策がないはずで、たまたま「かえで携帯配列」はこの問題を回避できていたりします。


 かえで携帯配列を延々と使っていて、親指が痛むまでのタイミングが「他の入力法よりもだいぶ遅い」ことが、いままでずっと不思議でした。
 運指範囲が狭いと指が痛くならない……というのは、単なる経験則でしかなく、「どこが痛むのか・なぜ痛むのか」というところを、ほとんど考えていなかったのです。


 ところが……最近ふと、こんなPDFを見つけました。
 製品紹介PDFを兼ねているようなので、眉に唾をつけて見る必要があると思われます。
http://www.rainin.net/Technical%20Reports/TR2001-2_smartpipetting.pdf
http://www.rainin.net/Technical%20Reports/TR2001-1_ergo_you.pdf
 全文を総合すると、こういう姿勢が浮かんできます。

  • 腰の真上に肩が来るようにしよう。
  • 腕は伸ばしすぎないようにしよう。
  • 手首の曲げ伸ばしや内転はなるべく少なくしよう。
  • 手のひらの全ての指を、軽く握るように置こう。

 この姿勢を保とうとすると、特に4つ目の要件を満たすためには「真ん中に親指シフトキーが並んでいるよりも、かえって真ん中に小さめのスペースキーがあり、その両脇に親指シフトキーを置くほうが、理想的な作業姿勢を得やすい」可能性があります。


 さすがに「快速親指シフト」のほうが「普通の親指シフト」よりも楽なのかどうか……という点については、何ら確証がありません。
 経験的に「普段から親指の上方に人差し指がある状況では、どうやっても親指にオーバーアクションをさせることができない」ので、結果として親指が動く範囲を狭く規制することができている……という観察結果を得たに過ぎませんので。


 一方で、指・手首・腕・肩に関しては、一様に動かす【距離】と【範囲】を短くすることによって、様々な障害を防ぐことが可能になる……という点は、ある程度正しい可能性があるのかもしれません。
 パソコンでもケータイでも変わることなく、次の点について考慮した入力法は、そうではない入力法よりは「安全に」使えるのかもしれません。

  • 鍵盤面に対して「水平に手指を動かす量」を最小にすること。
  • 鍵盤面に対して「垂直に手指を動かす量」を最小にすること。
  • 鍵盤のキー操作について「キーDown」と「キーUp」の回数を最小にすること。
  • 手指に対する「急激な負担」と「過度の負荷」がかからないように、よく考慮すること。

 

 ……もっとも、全て推測の域を出てはいませんけど^^;。