仙台市選管の「開票スピードアップ作戦」がOH!バンデスで取り上げられていた。
短期決戦の作業であることを考慮してか、
- 「立ち作業化*1&作業台である長机に下駄を履かせて高さを最適化」
- 「平面だった仕分け(混合→再仕分けを必要とする事故があったらしい)をイチゴパック流用の立体仕分けに変更」
など、いくつか工夫してみたらしい。
1時間の短縮にはならなかったものの、平均30分ぐらい短縮になった……とか。
とはいえ映像を見ていると、作業台は複数人で共用するタイプの長机であったり、机そのものを平面的にしか使っていなかったり……と、色々ともったいないところは散見されるところが惜しいなぁ……と感じました。
アナウンサーの人がまとめとして言っていたけれど、こういうときには「速くしようとして何かをするとミスをしやすい」ので、このあたりで道を外したりしないようにしつつ高速化するシステムを組んで欲しいところです。
そのためには、
- 「もっとコンパクトに」──机の個別化、立体的な使用など
- 「もっと事前練習をしやすく」──やりやすい作業手順の決定や、前年の手順を基にした継続的な改善、紙ベースではなく動画ベースでの作業手順の表現など
- 「広く手順を共有する」──ほかの行政区にも「作業手順を公開」しあうようにして、色々なところで行われる工夫をほかの場所でも生かせるようにする
あたりが有効かもしれません。
キーポイントはあくまでも「速くする方法を考える」のではなくて、「楽になる作業を積み重ねることによって無理無駄ムラをなくしていき、最終的には速い作業を実現できる方法を目指す」ほうが、遠回りに見えるかもしれませんが大きな成果を得やすくなると思います。
手順の改善というのは「(物品と違って)成果や手順をコピーしやすく、コピーしてもそれほど費用がかからない」という面白い特徴を持っている──つまり、基本的には日本語入力法の改善と同じ性質を持っている──だけに、うまく色々なところと連携していけば、そのうち「驚くほどの開票時間短縮」が実現できるかもしれません。
さすがに「自働化」は難しそうなものの、「作業手順の練りこみ」でも結構いいところまではイケると思います。
開票作業の高速化についてはバザールモデルを用いた改善手法がうまく適用できる可能性があるだけに、これは今後に期待したいところです。
……で、こういうのは仕分け作業を徹底的に行っているところに学ぶべきことが多いはずなので……やっぱり真っ先に見学するべきは「郵便局」なのかなぁ。
自働化へ向けてのヒント
投票用紙を7文字×3行くらいの原稿用紙風にするとよいかも……郵便番号枠と同じで。
電子投票化しても紙の票を数えなおす機会は残るだろうから、そこで流用可能な方法であれば更によいと思う。
*1:これは「楽じゃない作業は効率も悪い」の典型例であり、「立ち作業をすると効率的」という聞いた話を過信している気がする。立ち作業では腰の位置が固定されず「短期的な動作記憶性の向上を妨げる」ので、開票作業のようなアクションでは将来「立ち椅子を使った座り作業」に変化すると思う。