両肘の間隔と親指シフト系配列。

(参考:MSキーボード推薦取り消し&キーカスタマイズについて)
(参考:飛鳥スレ799にレスしようと思ったら、2ちゃんねるに規制されてしまっていたので)


 Rayさんの記事を拝見して、なんとなく書きたくなった「飛鳥カナ配列は、それほど鍵盤の物理配列には左右されない」ともいえる話を。


 下に貼った動画のように、私は親指を「手のひらの下に隠れるように」置いています。
 これは「昔、スペースキーをめい一杯に叩いていた時期があり、その反省から」こういうスタイルにしました。
 今でも「スペースバーを叩くときには」指のアクションが大きくなりがちなのですが、「左右の親指位置シフトキーを叩くときには」こういう配置なので、(手のひらに干渉して振り切れないために)自動的にコンパクトアクションしかできないようになります。
 それと、キーボードが短いストロークの「パンタグラフ支持キーボード」である点も大きいかもしれませんね……運指距離の削減は「鍵盤面方向」だけでなく「天地方向」にも行う価値があるようで。



 ↑私はこんな感じで打っているのですが、(鍵盤操作が原因で)親指が痛くなったことはないような。
 手のひらの角度からおそらく予想できるとおり、「かなりひじ同士を離して」打鍵しています。


 私の場合は親指の「曲げ打ち」によるものもあると思うのですが、それと一緒に「鍵盤に対してどう腕を置いているか」にも左右されそうですね……両肘の間隔が開けば開くほど、親指を置いたときにしっくり来る位置は外側へと移動するはずですし。
 http://d.hatena.ne.jp/kettt/20070207/p1
 ketttさんの記事でも「大きめにひじを開くorキーボードを手前に寄せる」という話がありましたので、【ひじの開き方と指の置き位置はリンクする】とみなしてしまっても、そう間違いではないだろうな……と感じました。


 ひじ同士に間隔を取って打つ場合、「【XC】下に1〜2キー分の無変換・【VBN】下に2.5〜3キー分の変換・【M,】下に1〜2キー分の変換」であれば、おおむね打鍵できるはず……と思います。
 この仕様を持つキーボードは「普及価格帯にあるPCに付属するキーボードの多くが採用している」らしく、その適応範囲は「最もスペースバーが小さい富士通キーボード」から「最もスペースバーが大きい東芝ノートキーボード」まで、実に様々です。
 ひじ同士を開けば開くほど【RTYUGHB】が打ちづらくなってしまう……という問題はあるのですが、【たまたま?】飛鳥はそれらのキーを(特に同手シフトでは)あまり使わないので、なぜかうまく行くようです。


 そういうわけで、次の提案を。

 人間優先ならば、「普段打鍵するときの両肘間隔を再現したときに」左シフトと右シフトの位置が「ちょうど打鍵しやすい位置に来る」鍵盤を探す。

 鍵盤が決まっている場合には、左シフトと右シフトの位置が「ちょうど打鍵しやすい位置に来る」様に、両肘間隔を適宜調整する。

 こういうルールで対応すれば、つまりは

  • 親指シフトキーボード、またはBuffaloキーボードのようなGHスプリット鍵盤では、両肘を広げずに打鍵するほうが楽かも。
  • 東芝ノート鍵盤〜富士通デスクトップ鍵盤(市販機付属の鍵盤に多い)のようなキーボードでは、両肘を広げぎみにして打鍵するほうが楽かも。

 ……ということになります。


 両肘を広げずに打鍵したい方は親指シフトキーボード似の物を探せばいいし、両肘を広げて打鍵したい方は「普通のJISキーボード」を使えばよい……と、こういう感じでしょうか。


 ……とりあえずオマケを。
 私の場合、【ホームポジションへとすぐに戻れること】を前提とした運指範囲は、大体この辺りにあるべきなんじゃないかな……と考えています。
 比較しやすくするために、私が普段やっている「両肘を広げた方法」と、そうではない「両肘を手のひらと同じぐらいの間隔にした方法」の2パターンで、似た例示をしてみたいと思います。

【両肘間隔広め=鍵盤に対して腕の角度が60度ぐらい】ホームポジションへ戻ることを考慮した場合の、最も手指を広げた位置。

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  Z  X  C  V  B    N  M  ,  .  /  _  Shift
   At   Ap Fn ←この段は最も「中央寄り」を示した。

【両肘間隔狭い=鍵盤に対して腕の角度が80度ぐらい】ホームポジションへ戻ることを考慮した場合の、最も手指を広げた位置。

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  Z  X  C  V  B    N  M  ,  .  /  _  Shift
   At   Ap Fn ←この段は最も「中央寄り」を示した。

【両肘間隔広め=鍵盤に対して腕の角度が60度ぐらい】ホームポジションへ戻ることを考慮した場合の、最も手指を縮めた位置。

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  Z  X  C  V  B    N  M  ,  .  /  _  Shift
   At   Ap Fn ←この段は最も「両端寄り」を示した。

【両肘間隔狭い=鍵盤に対して腕の角度が80度ぐらい】ホームポジションへ戻ることを考慮した場合の、最も手指を縮めた位置。

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  Z  X  C  V  B    N  M  ,  .  /  _  Shift
   At   Ap Fn ←この段は最も「両端寄り」を示した。


 なんとなく……ですが、飛鳥で右手小指領域の広さにお悩みの方は、もしかすると【両肘の間隔を広めに取る】ために【一般的なJISキーボードの「無変換」「変換」をシフトキーとして使う】ようにすることで、体感上の打鍵しやすさを改善できるかもしれません。


 それと、いわゆるエルゴノミクス系キーボードにありがちな「逆【へ】の字にキーが配置されたキーボード」の場合は、鍵盤面に対する親指キーの位置が「より中央に来ないといけない」のかもしれません。
 上に挙げた表のとおり、親指を置きやすい位置は【鍵盤のキー並び方向に対して、どういう角度で腕を置くか】に依存して決定されるようです。

  • 片手側の鍵盤列に対する腕の相対角度が「45度に近ければ近い」ほど、親指を置いたときに快適だと思う位置は「鍵盤中央から遠く」なる。
  • 片手側の鍵盤列に対する腕の相対角度が「90度に近ければ近い」ほど、親指を置いたときに快適だと思う位置は「鍵盤中央に近く」なる。

 ……つまりは、こういうことなのかもしれません。