神田さんのサイトに関するメモ。
調べなおすことになると面倒なので、メモをそのまま貼ってみます。
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カナモジカイ的には半角かな(8ビットかな)による文字の伝送は「理想」であった。
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技術的には「まだできない」とあきらめられていた。当然ユーザもあきらめていた。
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人名・地名を中心に「漢字がなければ愛されない」
http://ja.wikipedia.org/wiki/PC-9800%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
PCが本格的に普及し始めたのは「漢字ROM搭載後」。
悪名高き(?)55ボード(SCSI I/F)や、音源ボードの86ボードや118ボードあたりが有名かもしれないCバス拡張ボードにおいて、一番初めにリリースされた01ボードは「第1水準漢字ROMボード」だったりする。
1985年発売のPC-9801-VM2あたりでは漢字ROMが内蔵され、ようやくワープロ専用機に追いついた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/DOS/V
AT互換機が本格的に普及し始めたのは「漢字ROMを使わずビデオ領域へと文字を表示」するようになってから。
ただし、当時は国産機のように「テキスト領域に文字を表示しないと遅くてダメ」という状態だった。
DOSでの表示速度は結局DOS/Vが遅いままに終わった。
この関係が逆転するのは、Windows9Xが普及して「ビデオ領域に文字を表示するしかない」状態になってから。
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「文学・文芸には漢字が残ってもいいんじゃねーの?」という視点。
カナタイプライタは「緩やかなタッチタイプ化」を目的として設計された……けっして「拾い打ち」せんようではない。
……って、それで3段配列も規定していたのだろうか。そこでなぜ3段配列をデフォルトで推奨しなかったのかは不明。
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書くにはカナが楽、読むには漢かな交じりが楽、という話。
「最低限度の漢字」とあるが、現実的には(400字強程度の制限漢字と100字程度の選択漢字の集合である)500文字漢字ではまるで足りず、早い時期から第一水準漢字+第二水準漢字が制定され利用されるようにおった。
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日本における漢字略記法の例。
手書き文字の簡略化ではなく「小型タイプライタ」を前提としていた……?
中国よりもコンピュータ化が進んでいた影響もあり、この手の方法論は現実味をあまり持たなかったのかも。
そういえば、懐かしいですね……83JIS。
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「英数・カナ」だけでは限定した用途でしか役に立たない、という話。
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「かな漢字変換処理は日本人にとって不自然、なれるために時間が掛かる」という話。他に並べたのが「手書きタブレット入力」と「音声入力かな漢字変換」であることには注意。
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英数・かな→漢字かな交じりへの変化。その効果は「一目瞭然」。
適切な漢字があれば、読むときには「漢字を捉えて音と意味を同時に把握する」ことができる。
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フォントROMは当初ダイオードマトリクスで組まれていた。
ダイオードの価格は当時100円/個であり、一文字単位コストで16倍強。文字数にも差があるため、漢字5000字を扱うだけでも最終的なコスト差は3千倍になってしまう。
ダイオードマトリクスを使った漢字フォントROMは、ある意味現実的な選択肢ではなかったのかもしれない。
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富士通の漢字処理は、「素人視線に立ち返ること」から始まった。
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英数・かな端末は、官公庁にとっては「情報処理端末」としてすら認識されなかった。
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JIS第一・第二水準漢字の制定は、互換性の確保という側面と共に「他の文字は処理しなくてもよい」という印象をもたらした……実装側の技術者としては当然の発想。
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長年専用機の漢字処理に携わっいてた会社トップの印象は「漢字は出来て当たり前、さっさとやれ!」であった……が、民生分野では「漢字処理はまだ始まっていない!」であった。
汎用機のオマケとして発表したはずのJEF。専門誌はそのままの力関係で報じたが、新聞紙上では本体とオマケの力関係をまるっきり逆に報じてみせた。その理由には、「ようやく民生分野でも漢字処理が使えるようになった!」という意思がこもっているのかもしれない。
新聞社自身も漢字処理に苦労していた(漢字専用機の大口ユーザだった)からこその視点か。
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異字体に絡む入力ミス。
組み込み漢字11千字に対して外字を1518文字も必要とした。
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電算化による待ち時間の削減、遠隔地発行の実現。
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コンピュータのせいで漢字処理が断絶していた。
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発売当初は全くJEFは売れなかった。
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差別化要因として識別され、ようやく売れるようになった。
IBMとの優劣差をひっくり返したのは「富士通の汎用機だから」ではなく「日本語処理があるから」だった。
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日本語タイプライタ創世期。「漢字」と「かな」。
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英数・かなから漢字かな交じりへとたどって行った人だから「かな漢字変換処理」なのかも。
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漢字を直接打つ和文タイプが「考えながら打つ」事には向いていないと感じた。
打つならカナが具合いい、でも表記文字としてのかなは使えない……だから「かな漢字変換」。
モールス符号用の電鍵からピアノ用の鍵盤、手袋鍵盤まで試して、結局タイプライタ鍵盤に落ち着いた。
親指シフト鍵盤は「真ん中に使用頻度の高い文字を」配置した……が、その狙いはあまり果たせていない(それをより推し進めたのは新JISとTRON)。
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自動変換はある程度以上高精度か出来ない。言葉を「選んで」使うことを考えると、自動かな漢字変換よりも逐次かな漢字変換のほうが具合がいい。
画面処理については、ページめくり処理のほうが処理しやすいが、それでは不便なので「スクロール」する方式を取った。
人と機会をつなぐ接点が「JIS規格」である必要などない。
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自動車は「乗りたい!」と思わせるものがあるから売れる。日本語入力も「使いたい!」と思わせるものでなければならない。
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「ワープロは小学3年生になる子供のおもちゃ」……1982年の話。
この9年後、松下のFW-U1J70を「ワープロは中学1年生になる子供のおもちゃ」として使っていたのは私。
MSXが欲しかったけど「ゲーム機にしかならんからダメだろ」って言われたからワープロになったはず(当時漢字処理が出来るパソコンはべらぼうに高かったし、かといってまだまだ成熟してはいなかったから……当然の選択なのかも)。当時は「えぇー」という感じで不満に思ったけど、今になって思い返せばあのときの「両親の選択」は正しかったと思う。
機能選択をファンクションキーに頼る構成は(当時は画面再下段に全てモードが表示されていたので)とても使いやすかった。他の機種にありがちな「機能キーが右側にはみ出ている」構成とかには納得できなかったですし……。だからOASYSが選外だったのかも?周囲に松下ワープロ使いが多かったことも理由の一つだとは思うけど。
http://www.ykanda.jp/nifty/nifty.htm
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通信生活、長電話ならぬ長通信。
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かな漢字変換、紙と鉛筆の代わりとしてはうまくいく。転写には向かない。
http://www.ykanda.jp/oyayubi.htm
試作機による母子音同時打鍵方式。親指と他の指は同時に押してもいけるが、他の指同士は同時に押すと決まりが悪い……という感覚は、この鍵盤から生まれた。
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電卓を使った「親指シフトキーボード」試作鍵盤。新JISではテンキーを使ったから、ほぼ実験過程は同じ。当然段ズレはない鍵盤である。
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シフト側の文字が下。個人的には(シフトキーは文字キーの下にあるのだから)この方がよかったんだけどなぁ……とか思ってみたり。実機は逆。
英数鍵盤ではシフトキーに「↑」の刻印があって、かつシフト側文字が上側に書かれているのだから、仕方がないといえば仕方がないのかもしれないけれど……とすると、もともとのタイプライタでは「Shift」とは「プラテンを奥側に動かすための機構」だったのだろうか?
始めはシフトキーなしで「手動でプラテンを動かしていた」りすると、確かに合点がいくのかもしれない。
大文字はUpperCaseで小文字はLowerCaseだとすると、確かにあっていることになる。
……とはいえ、親指シフトキーは「下にある」のだし、小指シフトキーは使っていないのだから、やっぱり「シフト側は下」でよかったのでは?うーん……謎だ。理由は明示されていない。
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中身はきちんと作っていたが、結局評価打鍵はしなかった。
……最終的に、類似のコンセプトは(後に発売されたμBTRONキーボードではなく)BTRONキーボードや(後に発売された50音ソフト方式ではない)M式などに採用されている。
http://www.sakamura-lab.org/TRON/proj95/GIFDATA/BTRON-2.gif
μが付かないほうのBTRONキーボード配列。
読んでいて思ったのだけれど。
そういえば、日本では鍵盤が普及し始めてから「まだ25年しかたっていない」んだよね……。
タイプライタ時代は局所的にしか使われていなかったし、結局日本語処理が十分廉価に出来るようになってから普及したのだから……。
タイプライタの本場と比べて「びっくりするほど鍵盤の導入が遅れた」し、「びっくりするほど速いスピードで普及している」から、今はまだ過渡期なのかもしれない。
ところで、Qwertyローマ字入力を「きちんと選んで使っている人」って、どれくらいいるのだろうか。携帯電話の「かなめくり入力」と同じで「普及しているものを使わないとダメだろ」レベルの話で捉えている人がどれぐらいいるのかは気になる。