「かえで携帯配列(仮称)」と「Kodama携帯配列」の運指範囲

(参考:携帯入力関連2題についての質問)
(過去:ctrlswapmini用の定義、ヘッダのみを再編集。)
(過去:ctrlswapmini用の定義を書いてみた。)
(過去:「Kodama携帯配列」と「2.0打鍵方式かな入力案」。──打鍵数についての言及。)
(キーマップ頒布委託先:ctrlswapminiキーマップ集 - かえで氏作、オリジナル配列)


 運指「距離」は実際の文章でなければはっきりしないものの、運指「範囲」や「打鍵頻度」は代表文書でも求められるので、ためしに比較計算してみることにしました。
 サンプルは以前と同じで、これに「実際に叩くキー」の位置を付加しています。


 まずはKodama携帯配列*1から。

http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20060926/1159248010
──Kodama携帯配列テーブルから算出──
【1打鍵文字】1打鍵×33文字=33打鍵
あああいいいいいいいいいいいいいいうううううううううううええおおお
11177777777777777***********00###
【1.17打鍵文字】1.17打鍵×10文字=11.7打鍵≒11打鍵
んんんんんんんんんん
55555555555
【2打鍵文字】2打鍵×118文字=236打鍵
、、、、、
8989898989
かかかかかかかかかくけけここここ
2121212121212121212*20202#2#2#2#
ささしししししししししすすすすすすせせそそ
31313737373737373737373*3*3*3*3*3*30303#3#
たたたたたたちちつつつつてててててててとととととととと
41414141414147474*4*4*4*404040404040404#4#4#4#4#4#4#4#
ななななななにににににねのののののの
5151515151515757575757505#5#5#5#5#5#
ははははははひひふふへほ
61616161616167676*6*606#
やゆよよ
818*8#8#
らららりりりるるるるれれれれろ
9191919797979*9*9*9*909090909#
【3打鍵文字】3打鍵×49文字=147打鍵
。。。。
888888888888
ががががげご
82182182182182082#
じじじじず
83783783783783*
だだだでででででどど
84184184184084084084084084#84#
ばびぶ
86186786*
まままままみみむめめもももも
86186186186186186786786*86086086#86#86#86#
わををを
80180#80#80#
ーーー
889889889
【3打鍵の組文字】3打鍵組み×9組=27打鍵
きゃきゅきゅきょきょ
28128*28*28#28#
っくっくっくっく
22*22*22*22*
【4打鍵の組み文字】4打鍵組み×1組=4打鍵
ぎょ
828#

 次に「かえで携帯配列(仮称)」。

http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20060926/1159129580
【全文字が2打鍵文字】
あああいいいいいいいいいいいいいいうううううううううううええおおお
111111121212121212121212121212121213131313131313131313131414151515
んんんんんんんんんん
56565656565656565656
、、、、、
5757575757
かかかかかかかかかくけけここここ
21212121212121212123242425252525
ささしししししししししすすすすすすせせそそ
313132323232323232323233333333333334343535
たたたたたたちちつつつつてててててててとととととととと
414141414141424243434343444444444444444545454545454545
ななななななにににににねのののののの
515151515151525252525254555555555555
ははははははひひふふへほ
616161616161626263636465
やゆよよ
81838585
らららりりりるるるるれれれれろ
919191929292939393939494949495
。。。。
58585858
ががががげご
262626262920
じじじじず
3737373738
だだだでででででどど
46464649494949494040
ばびぶ
666768
まままままみみむめめもももも
7171717171727273747475757575
わををを
01050505
ーーー
848484
きゃきゅきゅきょきょ
22862288228822802280
っくっくっくっく
8723872387238723
ぎょ
2780


 ……で、この2つの配列を用いた場合の打鍵範囲と打鍵回数を集計してみました。


 Kodama携帯配列

1 2 3
51 36 26
4 5 6
37 29 29
7 8 9
42 76 23
* 0 #
38 31 40


 かえで携帯配列(仮称)

1 2 3
75 74 60
4 5 6
61 71 34
7 8 9
29 25 21
* 0 #
0 10 0


 ……と、こんな感じですね。
 かえで携帯配列(仮称)の場合、「*」と「#」は文字キーとして使わず、「0」に絡む高頻度文字は「ごどわをょ」あたりに限られているので、最下段の使用率は非常に低くなっています。


 これら最下段のキーは(私だけかもしれないものの)本体を片手で持って操作するには使いづらく、とくに冬場の手袋着用時には本体を支えきれず落としてしまいそうになることもある(下側で支える人差し指がかなり本体下方に来る都合から、てこの原理で親指に大きな力がかかる)気がしています……というか、こう感じたのが京ぽん(97g)・KX-HV210(96g)・KX-HF300(81g)・TN-PZ5(94g)での話であって、W21SA(139g)に至っては「重い&フルブラウザに対応しない」ことを理由にして速攻解約したような私の話なので、信憑性は無きに等しいような気はしますが^^;。
 #ゆえに「キー数を少なくできる」かな配列にも存在意義があるんじゃないかな……と。私の個人的欲求を形に変換したものが「かえで携帯配列(仮称)」なのかもしれません。


 さて、「Kodama携帯配列」と「かえで携帯配列(仮称)」を比較してみることにします。
 利点の反対は欠点……ということもあり、欠点についてはあえてあげないことにしてみます。

  • 「Kodama携帯配列」の利点
    • ローマ字入力を知っている人が、最小限度の知識を追加で覚えるだけで使える。
      • 子音の配置がカナめくり入力と同一(濁音・半濁音はYシフトによる)のため、覚えなおす事柄は「母音キーの位置」と「Yシフトという概念」のみ。移行時間は数分程度。
    • 母音が独立配置されているため、連母音は省コストで入力できる。
    • 「N」キーは後続のキー入力が「AIUEOYN(Yシフト含む)」でなければ、単独で「ん」となるので省コストで入力できる。
    • 和文入力と英文入力で同一の英字配列を共用しているため、英文入力も和文入力と同等の入力効率となる(ただしYの入力規則は和文と異なる)。
  • 「かえで携帯配列(仮称)」の利点
    • ひらがなの50音順を知っている人が、最小限度の知識を追加で覚えるだけで使える……のかもしれない。頻出の「ん」は規則どおり(03/00など)にすると打ちづらいので、ここだけを「な」行の好位置(56)に動かして打ちやすさを優先した。
    • ポケベル入力・かなめくり入力の両者に近いキー打鍵範囲の傾向を持っていて、指を動かす範囲がコンパクト。上2段の利用率が高く、上3段でほぼすべての文字を賄える。
      • ただし「濁点後置」がかな入力系(カナめくり・ベル打ち・JISかな他)標準なので、その点で慣れていただけるだろうか……という不安はかなりあります。ローマ字打ちできる人にとっても直感的ではないので、そういう意味ではやさしくはないのかも知れず。
    • 打鍵数は「1文字=2打鍵」のシンプル設計であり、ベル打ち変換テーブルの変更や、CtrlSwapMiniのようなツールでの実装が容易。
      • ただし現行機種は「カナ=ベル打ち、英字=英字めくり」を許容してはいないので、仮に実機で実装するとなると、結局は大改造が必要になると思います……orz
    • Blogやメールの記述であると便利な【「」()&〜】の記号を直接打てるようにし、配置位置についても規則性を持たせてある。
      • 短文ではほとんど使わないので、長文打ちな方にしかメリットはないのかも知れず。
    • 「かえで式」練習法と「かえで携帯配列(仮称)」の配列順序(11〜00)がほぼ本質的に同じなので、専用の入力テキストを必要としない。「見ないで打つ」というルールのみを知っていれば練習できる。
      • 「練習しないと快適には打てませんよ!」……って、それはどんな入力方法でも同じだから良いのか。
    • 配列の最適化に関する余地があり、徹底的な入力効率の追求が可能。
    • 英文配列は、従来機で実績がある「英字めくり入力」をそのまま採用するので、覚えなおしにかかるコストはゼロである。
      • 英字めくりそのものも直感的とは言いがたいものがありますが、英字入力の改善を非英字圏に住む私がやってもダメだと思うので、とりあえず手は出さない方向で……。
  • 両者に共通する特徴。
    • 最終的な打鍵数を十分に少なくすることができる。
    • キー配列ガイドが必要になるかもしれない。
    • 標準的な端末で実用的に使用できる日が来たわけではない。
    • ローマ字入力」が好きか、あるいは「かな入力」が好きか……という個々人の好みで選べば、それでいいと思う。入力効率の差は五十歩百歩なので、どちらを選んだとしても不幸になることはないはず。


 ……とりあえず、今日は「50音表を考えた人はえらい!」と、素直にそう思いました。

*1:Kodama携帯配列は、私にとっての「目標」なのです。