「ギアドライブ」キー採用のキーボード発売――エレコム。

 シャドールーム経由、個人的には「ようやく来たか……」という感じ。
 ギヤ+パンタグラフの下半分のみな「パンタグラフもどき」は富士通ノートの5233NA/Xで見たことがあるのですが、フルギヤ構造というのは見たことがないですね……。
 これで次の「Microsoft Natural Ergonomic Keyboard」はエレコムに生産委託することが決定したも同然(違。


 パンタグラフ方式の大きな欠点である「長いキーストロークを確保するのが困難」「キートップに対して鉛直にしか動作できない」という問題を解決した支持構造を採用。ボール式マウスの設計経験が豊富なメーカーによる製作なだけに、基本的な回転側歯車周りの設計精度については問題なく仕上げることができるはず。
 キーストロークは原理上無限長に確保できるし(パンタグラフ支持は実用限界が2mm近傍)、キートップの水平面と押下方向の関係を直角にしなくてもよい(キートップ側の歯を斜めに成型すればよいだけ)し、湾曲したキー(たとえばMicrosoft Natural Ergonomic Keyboardのスペースキー)でも使えるし……と、応用性は抜群。
 キートップを引き抜いて掃除する場合も考慮されている(逆説的に言えば組み立てやすく、組み立てコストがかさまない)ところもイケてます。


 唯一心配なのは、回転側歯車を支持するためのC字支持棒かなぁ……歯車両端にある棒との摩擦でプラスチック粉が出るのだけれど、ボール式マウスのスリット用バーとは違って「斜めから直接強い力がかかる」のがキーボードの特徴だけに、どの程度の耐磨耗性を確保しているのかが少しばかり心配です……普通のキーボード打鍵試験機では再現しづらそうですし。
 いずれにせよ、機会があれば試してみたい一品。

……で、ひとつ思ったのだけれど。

 ニュースリリースにあるこの部分。

エレコム株式会社(本社:大阪市中央区、取締役社長:葉田順治)は、今までにはなかった新機構「ギアドライブ式」のタイピング方式を採用した日本語109キーのUSBスタンダードキーボード、「TK-U09FGシリーズ」を10月上旬より発売します。

 ニュースリリースを書いた人に対して、開発側からの説明がうまく伝わりきっていない気が。

エレコム株式会社(本社:大阪市中央区、取締役社長:葉田順治)は、今までにはなかった新機構「ギアドライブ式」のキートップ支持機構を採用した日本語109キーのUSBスタンダードキーボード、「TK-U09FGシリーズ」を10月上旬より発売します。

 この辺の説明が適当だと、「パンタグラフ式スイッチ」と同じ誤解を生んで「ギアドライブ式スイッチ」とか言われかねないんだけど……大丈夫なのかなぁ。「スイッチ方式」と「キートップ支持機構」は別々に描かないと。


 それともうひとつ、【従来の支持機構(Cバー方式)】についても描かないとダメじゃないかな、と。Cバー方式がなぜにガタついていたりするのかということの説明がないと、「ギアドライブ式」の利点は理解されないかもしれないし。
 ついでに描く対象となるキーは「一番幅が広いキー=Spaceキー」にするほうがいいと思う。従来支持機構で一番ガタつきが気になるのはスペースバーなのだから。

よくよく製品写真を見て思ったのだが。

 これって「英文もよく打つNICOLAユーザ」にとって結構いい感じの製品かもしれない。
 ギアドライブがあるから「両指でスペースバーを扱う」にも向くし、無変換・変換も結構いい感じになってるようだし……。