とりあえず親指シフト「エミュレータ」と親指シフト「ソフトウエアロジック」だけをJIS化してみよう!

(未来:今日の「仮名漢字変換システム用同時打けん型入力法 X 9xxx-200x」は【一本指でも親指シフト!】。)
(未来:今日の「仮名漢字変換システム用同時打けん型入力法 X 9xxx-200x」。)
(未来:「親指シフト系配列」は、まとめてNICOLAの「アクセシビリティ対応」によって実装されるべき!?)
(過去:親指シフトをJIS化できない唯一の理由、NICOLAエミュレーションをJIS化するために必要な要件。)
(参考:NICOLA配列規格書)
(参考:NICOLA配列キーボード日本工業規格(JIS)化要望書)
(参考:日本工業規格(提案))
(参考:親指ひゅんQ 4.33)
(参考:平成18年度JIS原案作成公募要領)


 日本工業規格(提案)を原案とするように書き直してみました。


 こちらを底として使う場合、なんとなく【解説】は要らないかな……と思います。
 「読ませる規格・魅せる規格」を目指すのならば、こういったアプローチで話を広げるのも一つの手なのかもしれませんが、どうにも違和感がありすぎる(しかもきちんとした検証はしていない)もので。
 では、以下にとりあえず貼っておきます。


 ※公開禁止命令etcが出た場合には、予告なく削除する場合があります……。

1999-07-29 公式版
2000-12-05 公式版修正
2006-05-20 かえでによる私案記述(エミュレータ規格案として全面改訂)
2006-05-21 「7. 和英文交ぜ書き操作のアクセシビリティ対応」新設及び微修正。
2006-05-22 「6.4. 連続的な右シフト,および連続的な左シフトについて」新設及び「9. 配列変更によるアクセシビリティ対応」新設。
2006-05-24 「4.4 E段の06/07キー部分に割り当てる記号について」を改題してE10/E11の二重カギカッコを追加、「4.5 C段の11/12キー部分に割り当てる機能について」を新設、「4.5.1 C段の11キー部分に割り当てる「取消(Cancel)」機能の挙動について」は節のみ作成(説明能力がないため)。
2006-05-25 「4.2 「A段シフトキー領域」(親指 キー領域)について」一部追記、「4.5 C段の11/12キー部分に割り当てる機能について」一部追記、「9. 配列変更によるアクセシビリティ対応」一部追記、【解説】の「2.規格の特徴」に節番号を割り当て、冒頭に「2.1 ユーザエクスペリエンスの向上を目指したこと」を追記し、残りの節番号を全てずらす、【参考】に節「2. 富士通社製の「親指シフトキーボード」対応について」を新規。
2006-05-26 節「6.4.1 シフト残り現象への対応について」を新規。
2006-05-26 節「6.2 一本指操作についての対応」に下線部を追記
2006-05-27 節「6.2 一本指操作についての対応」の名称を「6.2 一本指操作もしくは片手操作についての対応」へと変更。
2007-02-22 節「5.1 仮名モードと英字モードとの選択」の曖昧性を排除。
【最新版の改訂時刻は『2007年2月22日3:27:32』です。】

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日 本 工 業 規格(提案) JIS(提案)
仮名漢字変換システム用同時打けん型入力法 X 9xxx-200x
The synchronous touch type input method for kana-kanji conversion systems.

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【規定】
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1. 適用範囲


 この規格は,仮名漢字変換システムのための入力法について,仮想の同時打けん型けん盤配列を用いた文字選択方式を規定する。


 この規格は,既存のJIS規格もしくは同等の国際規格により規定されているけん盤,もしくは市場に存在するその他のけん盤を,ソフトウェアエミュレーション技術を用いてこの規格に適合させるための方法について規定する。よってこの規格は,けん盤上のキーの相対的配置について規定し,けん盤の刻印,キー間隔,けん盤の傾斜,キートップの形状,寸法などの物理的要因については規定しない。


 この規格は,同時打けん型けん盤での仮名,英数字,特殊文字の配列及び仮名漢字変換システムで必要とする制御けん盤の配列について規定する。また,この規定は,同時打けんを用いる文字選択方式を規定し,同時打けんを判定する条件について規定する。

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2. 用語の定義


 この規格で用いる用語の定義は,次の通りとする。


 (a)左領域──けん盤配列のB段,C段及びD段の00〜05列の領域。


 (b)右領域──けん盤配列のB段及びC段06〜10列ならびにD段の 06〜12列の領域。


 (c)左シフトキー──けん盤配列のA段の左領域下に配置され,同時打けんに使用するキーとする。なお左シフトキーは,利用者がA段の既存キーから任意に選択できなければならない。これは左シフトキーの右端が,B段の03キーの右端からB段の07キーの左端までの範囲にあることが操作上望ましく,かつ左シフトキーの右端が,C段の03 キーの右端からC段の08キーの左端までの範囲を逸脱すると,操作性が著しく阻害されるためである。


 (d)右シフトキー──けん盤配列のA段の右領域下に配置され,同時打けんに使用するキーとする。なお右シフトキーは,利用者がA段の既存キーから任意に選択できなければならない。これは右シフトキーの左端が,B段の03キーの右端からB段の07キーの左端までの範囲にあることが操作上望ましく,かつ右シフトキーの左端が,C段の03 キーの右端からC段の08キーの左端までの範囲を逸脱すると,操作性が著しく阻害されるためである。


 (e)B段 Shift キー──B段左右両端にあり、小指外方を用いて押す「 Shift 」キーのこと。


 (f)A段シフトキー──A段中央部付近にある,左シフトキーと右シフトキーのこと。


 (g)単独打けん──一回の動作で,一つのキーを打けんすること。


 (h)同時打けん──一回の動作で,文字キーと左シフトキー,もしくは文字キーと右シフトキーとの二つのキーを順不同で,かつ同時性を意図して打けんすること。同時打けん判定は,5.4で規定する。


 (i)エミュレータ──この規格が定める入力法を,JIS X 4063 もしくは JIS X 6002 などの,JIS X 4064に準拠する仮名漢字変換システムが解釈可能な入力法へと変換するためのソフトウェア(キー入力入れ替えソフト)のこと。


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3. 仮想のけん盤配列の位置表記


 各キー位置は,4.1の配列図に示すように,段を示す A〜Eの英字と列を示す00〜14の数字の組み合わせで表記する。

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4. 仮想のけん盤配列


 仮想のけん盤配列は,次による。

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4.1 基礎となるけん盤の種類


 けん盤の配列は,次のA型,F型又はJ型のいずれかを基礎とする。これらは,既存のJIS規格もしくは同等の国際規格により規定されているけん盤,もしくは市場に存在するその他のけん盤を例示したものであり,ソフトウェアエミュレーション技術を用いてこの規格に適合させる事ができる。

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4.1.1 A型配列 A型配列は,次による。


 ※※※※※【 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/a.gif掲示する。】

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4.1.2 F型配列 F型配列は,次による。


 ※※※※※【 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/f.gif掲示する。】
 ※※※※※【この節は「参考」に移動ずみ。】

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4.1.2 J型配列 J型配列は,次による。

 ※※※※※【 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/j.gif掲示する。】

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4.2 「A段シフトキー領域」(親指 キー領域)について


 「A段シフトキー領域」(親指 キー領域)にある既存キーのうち,左側にあるキーから一つを選択して左シフトキーへと転用し,右側にあるキーから一つを選択して右シフトキーへと転用する。
 エミュレータは,技術的な制約のために使用できないキーを除き,どのキーであっても右シフトキーもしくは左シフトキーとして設定できることが望ましい。また、シフトキーの選択はユーザが容易に行えるよう、十分な案内をするべきである。 

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4.3 制御キーの配列


 制御キーには,4.1で規定する制御キーに加えて,矢印キー,改行キー,ESCキー,半角/全角キー,英数キー,Caps Lockキー,Ctrlキー,Altキー,カタカナ/ひらがなキー,後退キー,削除キー,挿入キーなどがある。これらのキーの配置は,すべて処理系定義とし,具体的な要求をしない。
 この規格で出現する制御キーについては,処理系によって相当するキーもしくは操作へと置き換えて構わない。

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4.4 E段の06/07/10/11キー部分に割り当てる記号について

 E06/E07/E10/E11キーについて,仮名モードのシフト側に本来割り当てられるべき文字は“[”“]”“「”“」”ではなく“〔”“〕”“『”“』”である。
 エミュレータもしくは仮名漢字変換システムの文字渡し方法が,ローマ字入力法を規定した JIS X 4063 ,もしくはかな入力法を規定した JIS X 6002 のどちらかのみである場合は“〔”“〕”“『”“』”を渡すことができないため,代用として“[”“]”“「”“」”を渡す。
 なお,エミュレータ仮名漢字変換システムの両方が“〔”“〕”“『”“』”文字を直接受け渡しできる場合は,“〔”“〕”“『”“』”を渡すことが望ましいが,この要求は必須ではなく推奨である。

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4.5 C段の11/12キー部分に割り当てる機能について
 C11/C12キーについて,仮名モードの単独打鍵および仮名モードのシフト側に本来割り当てられるべき機能は“後退(BackSpace)”“取消(Cancel)”である。
 ただし,エミュレータもしくは仮名漢字変換システムの文字渡し方法が,ローマ字入力法を規定した JIS X 4063 ,もしくはかな入力法を規定した JIS X 6002 のどちらかのみである場合,もしくは仮名漢字変換システムが“取消(Cancel)”の挙動に対応していない場合は“取消(Cancel)”を渡すことができないため,代用として“退避(Escape)”を渡しても良い。
 なお,エミュレータ仮名漢字変換システムの両方が“後退(BackSpace)”“取消(Cancel)”を直接受け渡しできる場合は,“後退(BackSpace)”“取消(Cancel)”を渡すことが望ましいが,この要求は必須ではなく推奨である。
 C11/C12キーについては,仮名モードにおいて図形記号の代わりに編集機能を割り当てたものである。「9. 配列変更によるアクセシビリティ対応」に対応する場合は,“後退(BackSpace)”機能と,“取消(Cancel)”もしくは“退避(Escape)”機能について,両機能を配置する位置およびシフト状態を,他の図形文字と同様の扱いで位置変更指定できなければならない。

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4.5.1 C段の11キー部分に割り当てる「取消(Cancel)」機能の挙動について
 ※※※※※【上手く説明できないので、ここは代筆を求む】

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5. 図形文字の選択

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5.1 仮名モードと英字モードとの選択


 仮名モードと英字モードとの選択は,それぞれカタカナ /ひらがなキー及び英数キーによる。カタカナ/ひらがなキーを押下すると,仮名モードの「ひらがな」となり,英数キーを押下すると英字モードとなる。また、カタカナ/ひらがなキーの押下によって,カタカナとひらがなとがトグルする。
  ただし,処理系によって相当するキーもしくは操作へと置き換えて構わない。

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5.2 英字モードでの図形文字の選択


 Caps Lockキーを押下せず,Caps Lockモードでない場合,B段 Shift キーを押下していないとき,下段の図形文字が選択され,B段 Shift キーを押下しているとき,上段の図形文字が選択される。
 Caps Lockキーの押下によって,Caps Lockモードとなっている場合,英字キーでは,B段 Shift キーを押下していないとき,上段の図形文字が選択され,B段 Shift キーを押下しているとき,下段の図形文字が選択される。
  ただし,処理系によって相当するキーもしくは操作へと置き換えて構わない。

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5.3 仮名モードでの図形文字の選択


 仮名モードでは,左シフトキーもしくは右シフトキーとの同時打けんの有無によって,図形文字を選択する。同時打けんの判定は,5.4に規定する。


 左シフトキーもしくは右シフトキーとの同時打けんを行わない場合,配列図で各キーの右下に記されている図形文字が選択される。


 左領域のキーに対して,左シフトキーを,右領域のキーに対して,右シフトキーを同時打けんすると,配列図で各キーの右上に記されている図形文字が選択される。左領域のキーに対して,右シフトキーを,右領域のキーに対して,右シフトキーを同時打けんすると,配列図で各キーの中央に記されている図形文字が選択される。この打けん方式は,主として,濁音又は半濁音の入力に用いる。


 半濁音の入力の場合,(左シフトキーおよび右シフトキーではなく)B段 Shift キーを押下しているとき,半濁音に対応する清音が割り当てられているキーを押下することによって,半濁音の図形文字を選択してもよい。


 E段では,左シフトキーもしくは右シフトキーとの同時打けんによって,上段右の図形文字が選択され,B段 Shift キーを押下しているとき,上段左の図形文字が選択される。

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5.4 同時打けんの判定


 同時打けんの判定は次による。

 (1) 初期状態

(1.1) 文字キーが押下された場合,当該文字キーをセットし,文字キー押下状態へ遷移する。

(1.2) A段シフトキーが押下された場合,当該A段シフトキーをセットし,A段シフトキー押下状態へ遷移する。

(2) 文字キー押下状態

(2.1) 初期化された場合,セットされている文字を選択し,初期状態へ遷移する。

(2.2) 文字キーが押下された場合,セットされている文字を選択し,新しく押下された文字キーをセットする。

(2.3) A段シフトキーが押下された場合,当該A段シフトキーをセットし,文字キーA段シフトキー押下状態へ遷移する。

(2.4) 当該キーがオフとなった場合又はタイムアウトとなった場合,セットされている文字を選択し,初期状態へ遷移する。

(3) A段シフトキー押下状態

(3.1) 初期化された場合,セットされているA段シフトキーを選択し,初期状態へ遷移する。

(3.2) 文字キーが押下された場合,当該文字キーのセットされているA段シフトキーに対応する文字を選択する。

(3.3) A段シフトキーが押された場合,セットされているA段シフトキーを選択し,新しく押下された当該A段シフトキーをセットする。

(3.4) 当該キーがオフとなった場合又はタイムアウトとなった場合,セットされているA段シフトキーを選択し,初期状態へ遷移する。タイムアウトを無視してもよい。

(4) 文字キーA段シフトキー押下状態

(4.1) 初期化された場合,セットされている文字キーのセットされているA段シフトキーに対応する文字を選択し,初期状態へ遷移する。

(4.2) 文字キーが押下された場合,セットされている文字キー(M1)が押下されてからセットされているA段シフトキーが押下された時(t1)までの時間とセットされているA段シフトキーが押下されてから新しく文字キー(M2)が押下されるまでの時間(t2)とを比較し,次のように文字を選択する。

(a) t1≧t2ならば,セットされている文字(M1)を選択し,続いて新たに押下された文字キーのセットされているA段シフトキーに対応する文字を選択し,初期状態へ遷移する。

(b) t1

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        1)初期状態  2)Mオン状態  3)Oオン状態  4)MOオン状態

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初期化(注1)    --     M出力1)へ   O出力1)へ   MO出力1)へ

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文字(M)オン  Mセット2)へ  M出力    OM出力1)へ   処理A
        新セット2)へ

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シフト(O)オン Oセット3)へ Oセット4)へ   O出力     MO出力
               新Oセット3)へ 新Oセット3)へ

                                                                                                                                                        • -

当該キーオフ   --     M出力1)へ   O出力1)へ    MO出力1)へ(注3)
(注2)

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タイムアウト   --     M出力1)へ   O出力1)へ(注4) MO出力1)へ

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処理A:最初の文字M1オンからシフトOオンまでの時間t1と,シフトOオンから次の文字M2オンまでの時間t2とを比較して
t1≧t2 ならば M1出力,OM2出力,1)へ
t1<t2 ならば M1O出力,M2セット,2)へ


注1(初期化):初期化を引き起こす事象として機能キーなどの非文字キーの打けんや全キーオフなどが考えられる。またかな漢字変換機能の解除や当該ウィンドウから別ウィンドウへ制御がが移ることも初期化の原因となりうる。何をもって初期化と見なすかはこの規約では定めない。


注2(当該キーオフ):当該キーオフとは各状態への遷移への原因となった最後のキーのオフのことである。ただしMOオン状態ではA段シフトキーだけではなく,その前の文字キーをも考慮してその文字キーまたはA段シフトキーのいずれか一方のオフ,もしくは双方のオフをもって当該キーオフとみなす。


注3(同時打けん未成立の条件付加):文字オンからシフトオンまでの時間t1とシフトオンから文字オフまでの時間t2についてt1≧t2かつt2<τのときには同時打けん未成立とみなし「M出力,3)へ」としてもよい。(τは固定値)


注4(A段シフトキーのタイムアウト抑制):Oオン状態でタイムアウトになったとき,出力せずにOオンの状態にとどまっていてもよい。


注5(小指B段 Shift キーの処理):文字キーの出力時(セット時ではなく)にB段 Shift キーの打けんの有無を調べてB段 Shift キー情報として文字キー情報とともに出力する。

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6. 同時打けん操作のアクセシビリティ対応

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6.1. 緩慢な打けん操作についての対応


 同時打けんは2つのキーを押す時間差を規定しているため,素早いキー操作に困難を伴う利用者にとっては使いにくいものになってしまう恐れがある。
 これを回避するために,「緩慢な打けん操作」を許容する設定を持つエミュレータは,右シフトキーもしくは左シフトキーを先に押したまま,しばらく後から文字キーを打けんする操作(英文入力におけるシフト操作と同じ)も同時打けんと認める。


 「緩慢な打けん操作に対する対応」機能を有効にし,かつ右シフトキーまたは左シフトキーが先行打けんされた場合,次の2点を行う。


  a.右シフトキーまたは左シフトキーが発生させたキーリピートは無視する。
  b.右シフトキーまたは左シフトキーに付いてのタイムアウト処理は行わない。

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6.2 一本指操作もしくは片手操作についての対応


 一回の動作で1つのキーしか打けん出来ないような場合,2つのキーを同時に操作する同時打けん入力を行うことができない。


 これを回避するために,「一本指操作」を許容する設定を持つエミュレータは,右シフトキーもしくは左シフトキー単独打けんの後,文字キーを押した場合も同時打けんと認める。


 「一本指操作」機能を有効にした場合,右シフトキーおよび左シフトキーは同時打鍵シフトを有効にしたままプレフィックス形シフトとして機能させる。


 「一本指操作」機能を有効にし,かつ右シフトキーもしくは左シフトキーを2回連続で打けんした場合,右シフトキーもしくは左シフトキーに本来割り当てられている機能の取り扱いについては,次の条件に従い挙動を決定する。


 a.「2回連続で打けんすれば,本来の機能を用いる」設定にしている場合は,はじめてキー本来の機能として動作させる。
 b.「打けん数にかかわらず,本来の機能を無効にする」設定にしている場合は,プレフィックスシフトは維持される。
 c.「2回連続で打けんすれば,無変換もしくは変換の機能を用いる」設定にしている場合は,左シフトは無変換として,右シフトは変換として動作させる。

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 6.3 右シフトキーと左シフトキーのうち,片方のみが確保でき,両方を確保することは困難な場合について


 利用するキーボードによっては,A段中央部に設定したシフトキー領域に右シフトキーと左シフトキーの両方を確保することが困難な場合がある。


 これを回避するために,「濁点と半濁点は後から入力」を許容する設定を持つエミュレータは,A段中央に一つの中央シフトキーを確保し,文字領域のキーと中央シフトキーを同時打けんすると,配列図で各キーの右上に記されている図形文字が選択される。
D12キーを単独で打けんすると,濁音記号が選択される。中央シフトキーとD12キーを同時打けんすると,半濁音記号が選択される。

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 6.4 連続的な右シフト,および連続的な左シフトについて


 同時打けんは2つのキーを押す時間差を規定しているため,素早いキー操作に困難を伴う利用者にとっては使いにくいものになってしまう恐れがある。
 これを回避するために,「連続的な右シフト,および連続的な左シフト」を許容する設定を持つエミュレータは,はじめにA段シフトキーと文字キーを同時打けんし,つづけてA段シフトキーを押したまま文字キーを打けんする操作(一打けん目は同時打けんであり,二打けん目以降は英文入力におけるシフト操作と同じ)を行った場合,A段シフトキーを打けんしている期間は全て同時打けんと認める。

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 6.4.1 シフト残り現象への対応について


 同時打けんは2つのキーを押す時間差を規定しているため,素早いキー操作に困難を伴う利用者にとっては使いにくいものになってしまう恐れがある。
 「連続的な右シフト,および連続的な左シフト」を許容する設定を持つエミュレータを用いる場合,利用者によってはA段シフトキーを離す操作が遅れ,本来シフトするべきではないキーを含めてシフトしてしまう恐れがある。
 これを回避するために,「シフト残り現象への対応」として,図形文字キーが押された時点から指定時間以内にA段シフトキーが離された場合については,A段シフトキーが離される直前に押された図形文字キーを,シフトの対象とはしない設定を必要とする。

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7. 和英文交ぜ書き操作のアクセシビリティ対応

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7.1. 仮名モードでの(左シフトキーおよび右シフトキーではなく)B段 Shift キーを押下したときの挙動について


(左シフトキーおよび右シフトキーではなく)B段 Shift キーを押下して半濁音を入力することはないユーザのために,仮名モードでB段 Shift キーを押下しながらキーを押下した場合の挙動を次のように変更しても良い。

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7.1.1.「B段 Shift キー押下中の図形キー押下で一時的な英字入力モードに移行し,その後B段 Shift キーを離しても一時的な英字入力モードを維持し,B段 Shift キーの単独打けんで仮名モードに戻る」設定


a. Caps Lockキーを押下せず,Caps Lockモードでない場合,B段 Shift キーを押下しながら図形キーを押した時点で一時的な英字入力モードに移行し,上段の図形文字(英字キーに於いては英大文字)が選択される。B段 Shift キーが離されても英字入力モードは継続し,B段 Shift キーを離したまま文字キーを押せば下段の図形文字(英字キーに於いては英小文字)が選択される。一時的な英字入力モードは,B段 Shift キーを単独で打けんした時点で終了し,仮名モードにもどる。
b. Caps Lockキーの押下によって,Caps Lockモードとなっている場合,B段 Shift キーを押下しながら図形キーを押した時点で英字入力モードに移行し,下段の図形文字(英字キーに於いては英小文字)が選択される。B段 Shift キーが離されても英字入力モードは継続し,B段 Shift キーを離したまま文字キーを押せば上段の図形文字(英字キーに於いては英大文字)が選択される。一時的な英字入力モードは,B段 Shift キーを単独で打けんした時点で終了し,仮名モードにもどる。

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7.1.2.「B段 Shift キー押下中のみ英字入力を行う」設定


a. Caps Lockキーを押下せず,Caps Lockモードでない場合,B段 Shift キーを押下しているとき,上段の図形文字(英字キーに於いては英大文字)が選択される。B段 Shift キーを離した時点で仮名モードへと戻る。
b. Caps Lockキーの押下によって,Caps Lockモードとなっている場合,B段 Shift キーを押下しているとき,下段の図形文字(英字キーに於いては英小文字)が選択される。B段 Shift キーを離した時点で仮名モードへと戻る。

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8. エミュレータによる仮名漢字変換システムへの接続


 この規格が定める入力法は,ローマ字入力法を規定した JIS X 4063 ,もしくはかな入力法を規定した JIS X 6002 などの,JIS X 4064に準拠する仮名漢字変換システムが解釈可能な入力法と同一ではないが,JIS X 4064に準拠する仮名漢字変換システムは,応用プログラムから操作することが可能である。
 応用プログラムの一つであるこの規格用のエミュレータは,この規格に沿って行われるキー入力を取得し, JIS X 4063 もしくは JIS X 6002 などの入力法へと変換する(キー入力を入れ替える)か,もしくは仮名漢字変換システムが受け取れる方法で文字を直接投入するものである。
 エミュレータによるキー入れ替え方法については,各システムに合致する方法で行われるべきであるため,この規格では規定しない。
 なお,この規格用のエミュレータは,仮名漢字変換システムとは別に提供されても良いし,仮名漢字変換システムがこの規格用のエミュレータを内蔵しても良い。

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9. 配列変更によるアクセシビリティ対応


 この規格が定める入力法は,エミュレータによる入力方法のみを定めており,けん盤の様なハードウェア部分を規定しない。
 一部のけん盤,もしくは一部のユーザにおいては,A段シフトキーの設定位置変更のみではなく,文字の入れ替えなどを行うことも必要になる可能性がある。
 そのため,仮想けん盤における文字の並びを変更するための方法,および並べ替えた仮想けん盤と標準の仮想けん盤とを使い分ける方法を準備することが望まれる。


 「配列変更によるアクセシビリティ対応」に対応するエミュレータは,けん盤上に存在する図形文字が割り当てられたキー全てを対象に,技術的制約がある箇所を除き,配列変更が可能であるべきである。
 また,この規格で仮名モードが扱う図形文字全てと,ユーザが必要とする図形文字を,技術的制約がある図形文字を除き,ユーザの意図するけん盤位置に,ユーザの意図するシフト面へと配置できるべきである。
 ただし,英字モードの配列変更は,この規格では要求しない。


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【解説】
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 ※※※※※【「1.制定前の状況」は排除。当たらない未来予測を含めてはならない。】

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1.制定の目的
 ※※※※※【現状に見合う文面に書き換えること:以下は単なる例。】
 この規格で定めるけん盤配列は,日本語入力コンソーシアムによる「NICOLA」を元としており,図形文字の配列順序と操作方式は同一である。
 「NICOLA」はもともとハードウェア,ひいては親指シフトキーボードを前提とした規格を提案してきたが,ワープロ専用機が全盛期にあった頃と比べてその普及率は減少傾向にあるため,現状においてJIS規格化要件を満たすことはできない。
 一方,ソフトウェアでNICOLAを実現する「NICOLAエミュレータ」および「NICOLAエミュレータ内蔵インプットメソッド」の分野は,むしろ近年になってから活発になり始めており,ソフトウェアベースのNICOLAは今後十分に利用者が増加する可能性を持っている。
 ソフトウェアでNICOLAを実現する場合,現存するけん盤の規格を変更する必要はない。したがって,NICOLAを使用しないユーザにとって不都合が生じることはなく,新たにNICOLAが使用可能となったとしても市場に大きな混乱は生じない。
 次項にて,NICOLAが新規もしくは乗り換えユーザに訴求しうる特徴を列記する。

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2.規格の特徴
 ※※※※※【現状に見合う文面に書き換えること:以下は単なる例。】
 欧米の歴史,日本語の特性,時代の流れも考慮して,NICOLAは以下の特徴を備える入力法となった。


2.1 ユーザエクスペリエンスの向上を目指したこと
 NICOLAはもともと,開発者が設計当時に存在していた入力方法に満足していなかったため,その不満点を解消するべく,いくつかの設計指針を用いて作成された。
 現在かな入力のために広く用いられている,ローマ字入力法を規定した JIS X 4063 ,もしくはかな入力法を規定した JIS X 6002 のみでは,全ての人が「良いユーザエクスペリエンス」を得られるとは限らず,事実NICOLAは,25年以上の長きにわたり,NICOLAを希望するユーザにより支持され続けてきた。
 NICOLAは,より多くの人が「より良いユーザエクスペリエンス」を得るための,新たな選択肢として成立しうる素質を備えている。


2.2 タッチタイプ性に優れていること
 文字キーを3段に配置する方式は,一般に文字キーを4段に配置する方式とくらべてタッチタイプが容易であることは,JIS X 6004 設計時の実験結果やNICOLA独自の調査,および現在のローマ字入力の普及などから容易に推測可能である。
 NICOLAではこの他に,従来の日本語入力法ではあまり用いられなかった「親指で容易に操作できるキー」を積極的に用いることで,3段配置のままで日本語入力に必要なカナを表現することが可能である。


2.3 十分に効率的な入力が可能であること
 NICOLAは,日本語文におけるカナの使用頻度を調査し,使用頻度が最も高いカナを中段に,比較的使用頻度が高いカナを上段に配置することで,英文タッチ打法と同様の操作感をカナ配列でも実現した。
 他のカナと連接しやすく,かつ即座に入力できる必要がある「う」と「ん」は小指に配置し,他のカナとの連接を打けんする上で支障が発生しないよう考慮している。
 非常に高い頻度で用いられるカナである「い」は右手薬指に配置し,他のカナとの連接を考慮しつつ,指への負担が高くならないよう考慮している。
 ※※※※※【JIS化要望書の「表3 入力実験結果(2段目=ホームホジション)」表を貼り付ける】


2.4 覚えやすさに考慮していること
 NICOLAでは,比較的使用頻度の低い濁音を,清音キーとA段シフトキーの組み合わせ操作で入力する。そのため学習すべき操作数は,他のカナ配列とほぼ同等である。
 使用頻度の高いカナから順に,おおむね「C段→D段→B段」と配置されているため,使用頻度の高い順から順序を追って学習することが容易であり,早い段階から実践的な文字入力を行う事が可能である。
 ※※※※※【JIS化要望書の「図3 習熟度比較」グラフを貼り付ける】


2.5 打けん順序を考慮せずに仮名文字入力ができること
 既存の入力方式であるJIS配列カナ,新JIS配列カナ,ローマ字入力は,いずれもカナを表現するために複数の打けん動作を必要とする。
 この操作は,誰にとっても自然であるとは言い切れない。
 NICOLAでは,通常の日本語入力で使用される全てのカナを,打けん順序に依存することなく,一回の打けん操作で入力可能である。ひとつのかな文字には濁音や半濁音も含まれる。
 ※※※※※【JIS化要望書の「図2 NICOLA配列キーボード」図を貼り付ける】


2.6 身体的な負担が少ないこと
 キーボードを日常的に操作する場合,その身体的な負担は軽い方が望ましい。
 一般に力の入りにくい小指の多用は避けるべきであり,NICOLAはその点に考慮し小指の使用頻度を十分に下げた。
 ※※※※※【JIS化要望書の「各指の仕様負担率比較」グラフを貼り付ける】


2.7 アクセシビリティに配慮していること
 NICOLAの要件には同時打けん操作があるが,同時打けん操作を行うことができない利用者であってもNICOLAを使用することができるよう,右シフトキーと左シフトキーの挙動を変更する「同時打けん操作のアクセシビリティ対応」を定めている


2.8 国内規格および国際規格と矛盾しないこと,他の入力方法と共存可能であること
 NICOLAは英字配列を定義せず,JISかな入力やローマ字入力などを行うためのキーボードがあれば実現できる。
 そのため,国内規格および国際規格と矛盾しない。
 またLinux環境では,NICOLAを含めたいくつかの入力方式から,利用者が自由に文字入力方法を選択可能なIMが存在しており,すでに他の入力方法との共存が矛盾なく成立していることを実証している。


2.9 実績に裏付けられていること,利用可能環境の維持拡大活動が活発に行われていること
 NICOLAは「親指シフト」と呼ばれた時代を含めて,既に25年以上の被利用実績がある。
 また,近年はエミュレータによる実装例がほとんどであるが,個人によるエミュレータ製作は比較的活発に行われており,新しいシステムへの対応や,新たなアクセシビリティ対応などの実現も成されてきた経緯がある。 


2.10 「エミュレータ」による利用者は徐々に増えていること
 「親指シフト」は専用の装置を必要としていたため,ワープロの生産終了と共に徐々にユーザをへらしつつある。
 一方で,「エミュレータ」によりNICOLAを実現する方法は近年一般化し始めたものであり,主に「親指シフト」からの移行組を基礎としたユーザが増えつつある。
 エミュレータを用いる方法を定めたこの規格は,今後のさまざまな企画および開発を円滑に行ううえで,不可欠なものである。


 ※※※※※【NICOLA配列規格書に元から付いていた比較表は全て不要】


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【参考】
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1. エミュレータ用同時打けんロジックについて


この規格の実装例として,株式会社エー・ピー・ラボ社製「親指ひゅんQ」が用いた「同時打けんステートマシン」の主要ロジックを掲示する。

 ※※※※※【《可能であれば》株式会社エー・ピー・ラボ社製「親指ひゅんQ」に付属の「oyaQstatemachine.html」を(別紙添付ではなく)転載する】

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2. 富士通社製の「親指シフトキーボード」対応について


 この規格を制定する時点で,国内規格および国際規格には合致しないものの,この規格での文字入力に向くけん盤として,この規格の元となった,F型配列を採用したけん盤が市場に存在している。F型配列は,次による。


 ※※※※※【 http://nicola.sunicom.co.jp/spec/f.gif掲示する。】


 F型配列の特徴は,J型配列と比較すると次の差異がある(ただし,図上にないキーについては考慮しない)。
 ・〔J型〕D13とC13の合成キー → 〔F型〕D13とC13に二分割
 ・〔J型〕D11 → 〔F型〕未定義のC13に移動
 ・〔J型〕C11 → 〔F型〕空きとなるD11に移動
 ・〔J型〕E14 → 〔F型〕空きとなるC11に移動
 ・〔J型〕C12 → 〔F型〕空きとなるE14に移動
 ・〔F型〕D11 (J型:C11) → 仮名モードでの単独打鍵に「、」(読点)を割り当て。
 ・〔F型〕C13 (J型:D11) → 仮名モードでの単独打鍵に文字を出力しない。


 F型配列を採用したけん盤にエミュレータを組み合わせた場合,けん盤の内部仕様によっては,希望する動作とならない場合がある。
 規定の「9. 配列変更によるアクセシビリティ対応」を用いることで,エミュレータの使用が可能な場合については,エミュレータがF型配列に適応する配列変更をサポートすることにより,F型配列をこの規格に対応するけん盤として,使用することが可能である。
 ただし,この規格では,F型配列を採用したけん盤に対するサポートについては,何も規定しない。


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【関連規格】
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JIS C 6230 情報処理用語     ※※※※※※未チェックのため整合性確認を要する。
JIS C 6233 (JIS X 6002) 情報処理系けん盤配列
JIS X 4063 仮名漢字変換システムのための英字キー入力から仮名への変換方式
JIS X 4064 仮名漢字変換システムの基本機能

JIS C 6236 (JIS X 6004) (廃止)仮名漢字変換形日本語文入力装置用けん盤配列


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【参考文献】
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NICOLA配列規格書
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/kikaku.htm

NICOLA配列キーボード日本工業規格(JIS)化要望書
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/demand.htm

日本工業規格(提案)
http://nicola.sunicom.co.jp/spec/jisdraft.htm

親指ひゅんQ 4.33
http://nicola.sunicom.co.jp/info3.html

株式会社U'eyes Design Inc.:使いやすさ研究所:用語解説:ユーザエクスペリエンス(user experience)
http://usability.novas.co.jp/glossary_10.html


 ──以上──

 ……と、こんな感じです。
 間違いなどなど、突っ込むべき点がありましたら、ぜひコメントをお寄せください。


 #とりあえず、これで「普及していないからJIS化できない」という言い訳は、(親指シフトに関わる全ての人にとって)もう通用しないと思います。あとはNICOLAフォーラム側で作業をされる方が「本気で取り組んでくださるかどうか」に掛かっているとしか言いようがありません。そもそもJIS X 6004制定時から明らかな通り「発行時点では利用者が居なくてもJIS化は可能」なので、利用者が減っては居ない部分だけをJIS化する分にはなんら問題はないわけでして。

Trivia (2006年5月22日4:54:04)

 「同時打けん型」の英訳を「The synchronous touch type」としています。
 「synchronous」は「同期」であって「同時」ではないのですが、親指シフト入力を最も確実に行うためには、「同時打鍵をする瞬間」のみではなく「キー打鍵同士の間隔」に付いても揃える方がより有利(誤判定しにくくなる)であるため、英訳にはそれを捉えやすくするために「synchronous」を用いています。
 ホントは和文タイトルも「仮名漢字変換システム用同期打けん型入力法」にするべきなのかもしれません。