W-ZERO3用のかな配列が「秋月改1」→「CORONA」→「秋月改2」へと変化した経緯。
「CORONA交互打鍵ローマ字」を二週間弱ほど触ってみましたが、どうにもツラい部分があってかな系に戻してみることにしました。
その成果物(?)が「秋月かな配列改2」なのですが、この配列で示している通り、当初「秋月かな配列改1」でやっていたような「濁音込みでのストローク」は廃止することとなりました。
これにはいくつかの理由があるのですが、おおむねその理由は
- 「文字をまたぐ交互打鍵を阻害されやすい」
- 「頻度の低い【左手でシフト→右手で文字】のストロークがまったく覚えられる気がしない」
- 「そもそも文字を打つ量自体が少ないので、全体を覚えるには労力が掛かりすぎる」
というあたりに絡んでいます。
そこで濁点・半濁点は後置することとして、
- 「とにかく清音かなを覚えやすくしよう」
- 「少ない打鍵数で、かつ練習を可能な限り行わずにタッチタイプもどきを出来るようにしよう」
- 「交互打鍵性は極力確保し、かつ打鍵方向はなるべく一定にしよう」
- 「一打鍵で打てる文字はもっと増やそう(これが原因で発生する交互打鍵率の低下は気にする必要がない)」
という方針を立ててみました。
その結果が「左手シフトの排除」と「゛゜キーの設置」というわけで。
試しに打鍵してみると、濁点・半濁点キーの打鍵コストってホントに低いですね……親指シフトでの右親指・左親指と同じく、キーが固定されていると迷わず打鍵できるので、その分打ちやすいのかもしれません。
よく使う濁点キーはシフト列の隣に配置したので、濁点キーの後にシフトが来る場合であっても親指の移動距離は最低限度に押さえることができますし、大体これで良いのではないかと考えています。
……さて、CORONAの話に戻しましょうか。
基本的なコンセプトとしては、自分でも満足できる出来だったと思います。
Wineさんからいただいたアイデアを元にした「互換母音キーは点対称で配置」というのは非常に覚えやすく打鍵ミスもほぼありませんでしたし、「やゆよ」母音キーもかなり便利に使えました。
……ところが、かな系のそれに慣れていると、どうにも不満が出てしまうんですよね。端的に言うと
頻出カナを二打鍵掛けて打つなんてめんどくせー
というわけで、元々は秋月かな配列では一打鍵で入力できていた「かしすたてとなにのはつく」が一通り二打鍵になってしまい、総打鍵数がそれなりに増えてしまいました。
私の文章が統計的にどういう傾向を持っているのかは知りませんが、元々秋月かな配列は「自分が書いたテキストを元に頻度を抽出して」単打鍵文字を設定した以上、秋月かなの方が少ない打数で打鍵できることは「ある意味当然」なんですね。
で、結局CORONAではそれを超える利便性は確保できなかった……ということで。
Wineさんが「ローナをやると他のものを試したくなってくる」と言っていた理由が、なんとなく今回感じ取れた気がします。
一方では、秋月かな配列改1では低頻度濁音カナなどが覚えづらすぎますので、文字割当数を減らすために濁点・半濁点を別打ちすることにしてみました。
これが効率を悪くはしないという事については、既にJISかな/新JISかなが示しているようですし、実際に打ってみても案外これで良いのかなと感じてみたり。
これがフルキーボードで「普通にタッチタイプできる」端末ならば話は別になりそうですが、「両親指のみで」打鍵しなければならないW-ZERO3の場合、「90個近いかな」をバラバラに配置してもタッチタイプはしづらいような気がします。
実際のところ、「英字入力」ではタッチタイプもどき出来るようになったのですが、未だにロマかなでもCORONAでも「かな入力に関しては」それに近い事はできていないんですよね。
その点、秋月かな配列改1では割と「かな入力のタッチタイプ」に関して良さげな感触を得ることが出来ていたので、定義数が減ればより使いやすくなるのではないかと感じていたりします。
結局、なるべく
- 「目の前にあるキーはフルに使いたい」
- 「細かなところの打鍵数削減にこだわるよりも、文全体で打鍵数を少なくできる方が結局は楽だと思う」
- 「片親指が担当するキーがとにかく多すぎるので、定義数は少なくして少しでもタッチタイプしやすい方法にしたい」
わけで、それを満たすにはローマ字入力系を利用するのはちょっと適切とは言い難いのではないかと考えてみたわけです。
もっとも、この辺は人によって考え方が違うでしょうし、ここまでの話は全て「私の主観」に基づいていることを否定する気はありません。
#「客観的にどうか」は、ここではあまり関係ないように思います……わたしは単に「私にとって」打ちやすい配列を探しているだけですので。