さっそく「風」をインストールしてみました。

(言及先:「風」に対応、の意味。)

 もちろんオリジナルの風では飛鳥を使えないので、飛鳥→ローマ字変換には(既に風に対応している)繭姫を使っています。
 で、このコメント記事自体も「ATOK2005風×繭姫×飛鳥」の環境で記述しています。


 今のところ気になる事と言えば、

  • firefoxではまともに動かない(何が原因かは不明、本文はサクラエディタで記述しコピペしたもの)
  • そもそも親指シフト干衝干渉する(無変換→かな確定・変換→カナ確定のため、私のようにシフトを誤打しやすい場合はちょっと辛い)
  • そもそも漢字を思い出せない(とっさに漢字を思い出せない)
  • そもそも熟語の漢字が合っているかどうかあやしい(今までかな漢字変漢変換に頼りすぎ…)
  • 漢字1文字ごとにスペースキーを押さないといけない
  • 漢字選択盤面から目視する手間がちょっと面到
  • 仮想盤面の表示方法が気に食わない(スクエア配置の場合、最上段は一つ左にずれていて欲しい)
  • 仮想鍵盤のデフォルト表示位置がカーソル下端優先に固定されている
    • ブラウザの一行入力窓では、仮想鍵盤の上に入力ヒストリが出てきてしまい、仮想鍵盤を毎回マウスで動かさなければならない

点は非常に気にかかりますね。


一方では、

  • 漢字の部品からではなく、読みから連想するので、正しく漢字を覚えていなくても漢直が使える。
    • 漢直ではなく単漢字変換…
  • 無連想ではなく連想式なので、練習せずともとりあえず使える。
  • 複数の読みを「:」で区切って入力すると、仮想鍵盤を目視で探しやすくなる(例えば「飛鳥」の「飛」は、「あす」では出ないが「と」と「ひ」で出る…で、その場合には「と:ひ」と打てば「飛」のみの仮想鍵盤が出る。これを積極的に使えば、かなりの目視検索を減らす事ができる)。
  • 学習機能で漢字の位置が変わることはないので、一度覚えたキー位置はそのまま継続的に使える
    • 例えば「飛鳥」と打鍵するには、常に「【と:ひ】→スペース→T→【とり】→スペース→G」のストロークを用いれば、余計な変換候補もなく素直に変換できることになる。
  • 記号入力も同じインターフェースの仮想鍵盤で入力できる(全て読み「きごう」→変換スペース)ので、記号入力を多用する人にはかなり良いと思う。

 …という感じで、こちらは結構良い感じ(個人的には好き)です。
 鈴見咲さんがPowerPushしていたわけが、とてもよく分かる仕掛けですね。
 (「咲」の字が見つけづらかったです…「さ:ざ」ですぐに見付かって一安心)


 というわけで、ひとまず風でここまで引き続き入力してみましたいます。
 ところでひとつ困り事が…飛鳥の盤面にある記号を入力する方法はありそうでしょうか。「!?&」は通るのですが、「〜・」は通らないので…ローマ字経由ではなく、JISかな経由…でも変わりなさそうですよね…


 いやはや、「花」については「?」と思う所もありましたが、「風」はまさに「!」でした。これは面白い!
 ワープロ専用機の単文節変換を使いこなした経験がある人であれば、案外素直に移行できそうです。


 あっ、ストレスなく移行する方法メモを書かねば。

  • 異なる読みを思い出しづらい!
    • 別窓で普通のIMEを使って一端文字を出し、別の読みがあるか考えてみる。
      • 「普」は「ふ:ぶ」、「使」は「つか:し」、「読」は「よ:どく」など。
      • ポイントは「よみが他に思い浮かばない場合も、とにかく適当に読みをくっ付けて変換してみる」ことかな。
      • フル候補を延々と繰り返し見回る(これは本当に疲れる)よりも、少ない候補に絞って「すぐに見切りを付け、駄目ならば別読みに替えて再び変換…」とやる方が、精神的にだいぶ楽だと思う。
      • 【目的とする文字を、いかに探しやすいよみで入力するか】がポイントなので、トランプやパズル、あるいは囲碁将棋が得意な人は、きっと素直に使えるはず。


 こんな感じかな。
 うーん、しかしこれを(私が)ローマ字入力時代に使わなかったのは正解だったな〜と思います。
 とにかく、「風」というIMEを使うつもりならば、まずは「自分に合う入力方法を見付けてから」チャレンジするべきでしょうね。それでようやく「風」の面白さが見えてくるはずです。

ここからは(繭姫アップデート前に)firefox上で追記しているため、いつも通りATOK2005に戻しています。


 かな入力(ローマ字→かな変換も含めて)に違和感を感じたままで「風」を使った場合、「絶対に風はクソだ」とかいう的はずれな結論に至りがちだと思う…それは「風」がダメなのではなく、かな入力(ローマ字→かな変換も含めて)を行う方法が「自分には合っていない可能性がある」って事を指し示しているようにも思います。


 もちろん、漢直系や単漢字変換系自体が自分には合わない…という人もいると思いますが(いて当然だとは思う)、それ以上に「今使っているかな入力方法と、自分自身との間の整合性が取れているか(インピーダンス・マッチングが取れているか)」が重要になると思います。
 きっと、自分自身とのインピーダンス整合性がばっちり確保できる…そんなかな入力方法を使えば、まさに「漢字やかなをすらすらと書き綴るかのように」入力できるように思います。
 (最初はタッチタイプでない…という点は変わらずなのですが、風の場合は前出の「読み多重入力」で回避できる部分がかなり多いので、本当によく使う漢字は案外簡単に目視検索・タッチタイプできるようになるはずです)


 かな漢字変換の為に「キー配列が本来目指すべき」ところは、いかに低ストレスで「変換操作に供することができるひらがな文字列(風ではなく漢直系では漢字文字列をも含む)を作成するか」というところにあるわけで、その基本的な部分の性能を試す上では、このIMEとしての「風」は、格好の環境なのかもしれません。


 いやはや、飛鳥以上に「何を考えて作ったんですか?」と言いたく思っていた「風」が、まさかこんなにシンプルな方法論で動いていたとは…本当に驚きです。
 で、私が「風」を正しく評価するには、もちろん配列に「飛鳥」を使わなければいけなかった(現状で私にとってしっくり来るのは、今のところ飛鳥だけ)わけで…うーん、これはまず鈴見咲さんに感謝!です。

で、繭姫でも行ける様になったので、またもや風に戻してみるわけですが。

 うーん、文字を多重指定するよりも、なるべく訓読みを使って漢字読みを指定するほうが便利ですな。
 余裕があれば、訓読みと音読み、あるいは訓読み二つの指定をすれば、さらに探しやすくなるはず。
 候補が少ない中から探すと、その分だけ余計な迷いが減るので、学習初期にありがちな「どこに文字があるのか分からねーよ!」という不満は、だいぶ解消されるはずです。


 例を「環境国際規格」とした場合はこんな感じ。

  • 候補が多い例…「かん きょう こく さい き かく」
  • 候補が少ない例…「かん:わ さかい くに きわ き かく:こう」

 残念ながら、「規」には他の読みが無いらしいです。

で、ひとまず「はてなダイアリー - 「風」とは」に追記してみた。

 「風」による漢字変換は、おおまかに書くと

  • 目的とする漢字一文字ぶんの読みを、一つないしは複数(かな同士をコロン":"で区切る)入力する
  • 「スペース」キーを押す
  • 画面上の仮想鍵盤から漢字を探し、対応する「文字キー」を叩けば即確定。
    • 収まり切らない漢字があれば、「スペース」キーを押すと次の仮想鍵盤が出る

となります。
 かな送りは「無変換キー」を、カナ送りは「変換キー」を使用します。
 かな送りやカナ送りは、文字数に関係なく一気に行うことができます。


 「風」自体は、ATOKMS-IMEなどと同じくIMEとして動作します。
 風の目指すものは「タッチタイプ可能な単漢字変換システム」です。
 他のIMEは「変換キーを押してから、毎回位置が変わる候補をカーソルキーで選んで確定」します。
 それに対し「風」では「なるべく読み入力の段階で必要とする漢字をたぐりよせて、変換キーを押す」という違いがあります。


 「風」は、無意味な変換をしません。
 寝惚けつつ文字入力をして、トンデモな変換結果が混ざった文書を作ってしまう事が多い…そんな経験をした事がある人にはお勧めかもしれません。

という感じですな。


 あっ、最後の部分は微妙かも。
 ただし、単漢字単位では間違うけれども、熟語単位では間違う事が無いという点は、いいと思いますね。
 間違い探しで簡単に見付けられるというのは、分野によってはかなり有難いメリットだと思います。