まずは、(そもそも母数の大きな)ローマ字入力打鍵者の方に、ぜひ飛鳥カナ配列を試して頂きたいのです。

 飛鳥は、ローマ字入力時の基本的な打鍵感である「3段文字キー、逐次打鍵」を比較的そのままに生かすことができます。あとは、半分遊んだままとなっている「最下段に置いている親指」で親指シフトキーを押しつつ逐次打鍵なり同時打鍵なりをすれば良いという訳で。親指シフトといえばNICOLA…ですが、テンポを取って打鍵する必要性については、ニコラほど神経質になる必要はありません。
 ついでに、最近のキーボードに関しては、見た目のうるささを嫌ってか「旧JIS配列カナの刻印がないモノ」も多く、これは(キー刻印による目視検索性を確保できない)飛鳥カナでの打鍵を始めるにあたっては、むしろ好都合ですらあります(旧JISカナのイメージに打鍵を邪魔される恐れがない)。

 いわゆる親指シフト式打鍵方式に対し、飛鳥は新たに半同時シフトの採用(連続シフトの活用)&運指動線の極短縮化という、「より一般的な打鍵方法に近い打鍵感、よりコンパクトな打鍵感」を(呆れるほどの長時間打鍵評価を行った上で)持ち込みました。
 また、打鍵範囲が左右方向にぶれる事が少なく、容易にホームポジションへと指を戻す事ができます(そのため、キー位置間違いによる誤打鍵は非常に少なくなり、主にシフトミスによる誤打鍵のみが多少発生する程度となります)。
 最近PC界隈では、自作・メーカー製を問わず「PCの静音化」がもてはやされていますが、飛鳥はこれら特徴的な打鍵操作特性により「打鍵雑音」を生じにくく、打鍵音が気になる様な場面であっても比較的気兼ねすることなく打鍵できます(つまり、「打鍵の静音化」を図る事が非常に容易である、という事です)。
 当然、「静かに打鍵できる」という事は、「打鍵時に無駄な力を必要としたり、思わず無駄な力をキーに掛けたり、肩肘張って打鍵したりする必要がない」事とほぼ等価であり、結果として「長時間打鍵していても打鍵疲れしにくい」という飛鳥の目標(の一つだったはず)は正しく達成されている事にもなります。

 …いかがでしょうか、飛鳥カナ配列を使って「打鍵の静音化」を図ってみるというのも面白いのでは?
 仕事帰りの自室で、静かにBGMをかけつつ、そのBGMを邪魔することなしに「のんびりと、肩の力を抜いて」飛鳥で日記やチャットの為の打鍵をするというのも良いのではないかと。
 そういう、プライベート環境用の配列として使うために必要な要素が、飛鳥カナ配列にはきちんと備わっているのですから。