かえで式「自作パソコンの、エアフロー設計方針」。
ごてごてとケースファンを付けまくったりすると、エアフローが予測不可能になって『トラブルの温床になるだけ』なので、うちで使うパソコンのエアフロー設計は、超単純に↓のようにしています*1。
#見たい人だけ、↓の絵をクリックしてください……。
……やることは単純、考える必要もない。
- ケースは常に陰圧に保つ必要がある。
- ケースに対して「風を吹き入れる」方向のケースファンは、絶対につけない(安定した陰圧にならず、エアフローを迷走させる原因になる)。
- 排気ファンは、基本的に電源ユニットのファンのみ。
- 自分さえ冷えれば良いってゆー自己中な静音電源を使ってるときは、ケースファンを排気方向で1個つけて、風量を確保する(冬場などの冷えすぎるときには、このファンを止めて、外側から封をする……そうしないと、空気は抵抗値の小さなところを通ろうとして「電源→ファン開口部→電源……」ってゆー空気回路のショートを起こすので、電源だけ冷えて「HDDの冷え方」が極端に悪くなる)。
- 陰圧となったケースの開口部は、FDDポート部の3.5インチ幅のみとする。
- ここの真正面について、「ケース外側から手を突っ込めば、HDDの側面だけに触れる」ような位置に、1台だけハードディスクを設置する。ハードディスクの目標温度は「定常運転時に、体温と同じ」であること(あるいは「動作保証温度の中点」でもいい)。
- そのほかの開口部分は、徹底的にふさいで「ファンで引っこ抜いた分の空気容量は、全部FDD開口部からHDDに向けてぶつかる風となる」様に、エアフローを設計する。
- CPUクーラーについては、特に問題はないと思う……けど、「CPUに対して、風を吹きつける」方向にファンが付いてるCPUクーラーがあったら、それは『時代錯誤の欠陥商品』なので窓から投げ捨てて、まともなものに変える。
……って、こーゆー設計にしてるので「横とか上とかにファンが付いてるケース」は、はっきり言って信用してません。
空気回路の考え方(=ほとんど電気回路の考え方と同じ)と、陰圧管理&陽圧管理のことがざっくりわかってれば、それで対処できる……けど、そんな知識がなくても↑みたいにやっておけば大丈夫。
ちなみに。
こーゆーふうにエアフローを設計すると、このパソコンは「フィルターレスの空気清浄機」と同等の動きをします。
……要するに、ケースの底部分に「ホコリ」が溜まるわけです。
そんなわけで、たまにはこのホコリを掃除してあげてください。
エアフロー中のフィンなどにはホコリが蓄積する恐れがあるので、そういったものについては定期的に、エアダスターでホコリを飛ばしてください。
それから、なるべくAGP/PCIスロットは使わずに、オンボードで必要な機能が得られるように設計してください……水平に拡張ボードが刺さっていると、そのボード上にホコリが蓄積してしまいますので。
吸気口にフィルターを取り付ける……というのは、陰圧設計をする上ではあまり好ましくありません。
貴方がもしも『定期的に吸入量を測定し、エアフィルターの抵抗値が上がったら(たとえ交換して1週間とかしか経っていなくても)確実にフィルターを交換する』のであれば、フィルターを使っても良い……と思うのですが、一般的にはそんなことをするだけの労力はつぎ込めないと思います。
そういう苦労をするくらいなら、そもそもそこは諦めて、重力とエアダスターの併せ技でかわすほうが、正直手っ取り早いと思います。
*1:もっとも平均故障時間を長く取る必要があるのは「ハードディスク」です……ので、ハードディスクにとって動きやすい環境であることを最優先にするのが大事。電源なんて腐ったら捨てれば良いし、CPUなんて熱くなっても焼き鳥にはならないから、そんなどーでも良いところの保護なんて後回しで良いよ。そいつらが壊れた時点で「ハードディスクが壊れる前に、次のマシンのハードディスクへとコピーする」ってのが、(もちろんバックアップは大切だけれど)ハードディスクの正しい使い方だと思う。