(memo)たとえば、『DvorakJと、やまぶき』との間に「差」があることにこそ、実は重要な意味がある。

 ……作者さんが持つ『設計コンセプトの違い』って、いろいろある……けれど、DvorakJとやまぶきの相互補完ぶりは結構鮮明だなぁ、と思う。
 もちろん、どっちかが正しくて、どっちかが間違ってる……なんて話じゃないよ。「いろいろな事情を両天秤にかけて、それぞれのユーザーにとってメリットがある方向へと、双方が進化している」ってゆー話だから。


 ……たとえば「出字速度」×「同時打鍵判定余裕」の関係。
・DvorakJ──デフォルト値・ロジックともに、「出字速度の向上(0msec化)を最優先」とするチューニングを続けてる。
・やまぶき──デフォルト値・ロジックともに、「同時打鍵判定余裕(50%sec化)を最優先」とするチューニングを続けてる。


 私の場合は、↓のようなことがあって、「やまぶきの欠点が気にならず、やまぶきの利点による恩恵を大きく受けられる」ので、やまぶきを使ってます。

 私の場合、Qwertyロマかなを打っていた時代は「出字速度が遅いのには、絶対に耐えられない」って感じ続けていた……ので、DvorakJがそういう方向にチューニングする理由が、実感として「よく解る」んですよね……。
 その考え方が変わったのは、『タイプミスを減らすためには、リアルタイムの文字表示をわざと止めて、一行打つまで途中経過を隠すほうが良い』ってゆーテスト結果(パッとググってみたけど見つからなかった……orz)に出会ったこと、かな。
 こーゆー考え方が根っこにあると、むしろ「1文字ずつリアルタイムに表示されても、チェックするために文字を追いかけ続けたらイライラするだけじゃん」みたいになって、数百ミリ秒程度の遅れはさっぱり気にならなくなりました……。
 あとは「かえで****あすか」の場合、変換機能キーを押す直前には「(文字キーDownとシフトキー押下が成立した瞬間に、文字を確定できる)シフト側の文字を打つ」機会が多めになるので、アンシフト側にだけ発現する「出字速度の遅れ」がさして影響しない……ってのもあるかもしれないですけど。
 ……で、打鍵自体には結構変な癖とかがあって、なるべく「ソフトウェアの力で、上手く補正して欲しい」って要求がある、と。

 私の場合とは逆に、「やまぶきの欠点が気になり、やまぶきの利点による恩恵を受けらない」というときには、補完関係にあるDvorakJを使うほうが幸せになれる……ってゆー感じ、ですね。


 単一のソフトで「やまぶきらしくあり、かつDvorakJらしくもある」開発方針を持つ……なんてのは、いくらなんでも無理がありすぎると思う。
 ……ゆえに、こうして「設計理念の違うソフト」が、必要数分きっちり揃った環境には、間違いなく「価値」がある……と思うんですよね。


 結局、「○○は全員にとって唯一絶対にすばらしい!」みたいな妄想なんか、昨日か一昨日に向かって打ち捨ててしまえばいい、と思う。
 誰もが「自分自身にとって欠点が少なく、自分自身にとって利点が最大限に活きるものを使う」ってゆー、シンプルな考え方に沿って、配列ソフトキーボードなどを選んでいけば、【たくさんの選択肢があること】に困惑したりせず、それぞれを各個人が最大限に活用できるんだし。