親指シフト(NICOLA)は「JIS X8341-2 6.4.7 順次入力機能」に対応せず、このまま朽ち果てていくのか?

(参考:やまぶきR Ver. 1.0.0リリース: やまぶき作ってます)
(過去:今日の「仮名漢字変換システム用同時打けん型入力法 X 9xxx-200x」は【一本指でも親指シフト!】。 - 雑記/えもじならべあそび)


 ……と、また過激なタイトルを書いてるけど、とっくに解決されてる話を書いてみるテスト。


 いま、【JIS X 8341 (高齢者・障害者配慮設計指針 ‐情報通信機器,ソフトウェア及びサービス‐)】というシリーズ規格*1があって、このなかに「同時打鍵方式の文字入力法にとって、とても重要な」話が入っています。
 もともとは、平成十二年通商産業省告示第三百六十二号というものに「順次入力機能」というのがあった……のですが、それが「JIS X 8341-2 (第2部:情報処理装置)」において「6.4.7 順次入力機能」として登場しています。
http://www.jsa.or.jp/stdz/instac/commitee-acc/WG3/Docs/Guide_X8341_20070111.pdf


 「姫踊子草/繭姫」は、もーはるか昔から(定義を手で書きさえすれば)対応してました*2
 「やまぶき」は、定義を書き換える必要すらなしに、順次入力機能をサポートしています。
 ……で、公式はどうなのよ、と。必須じゃないけど、(IMEのアップデートとかで)対応して欲しいんですよね。
 親指シフト系って、「同時打鍵単層」の配列群では珍しく「非同時打鍵複層」の配列を重複定義しても支障がないとほぼ保証されてる*3ので、そういうところは有効に活用して欲しいんですよね……。


 実際、これを採用することになると、ちょっと使い方が変わります。

 ……って、こういう使い方が「ネイティブ親指シフターさん」にとって許容できるか?ッてゆーと、たぶん無理だと思う人が結構多い……から、実際NICOLAにそれが乗る可能性は低いのかな、と。
 独立した「変換・無変換」乗るように戻れば、これは解決する……けど、いまの「USB/PS2標準キーボードドライバ」を活用する方式だと、これはちょっと無理っぽいし。ん……なんかスマートな解決方法はないのかしら。


 ただ、「JISキーボードで、(無)変換キーをシフトキーとして使い、スペースキーで変換」してる人は、とりあえず「やまぶき」の前置シフト(順次入力機能)をOnのまま使ってみても、いいんじゃないかな、と思う。
 実際、延々とそのままで使ってるけど、大きなシフトミスをする機会はそうそうないし。
 もしも将来、NICOLAに対して「JIS X8341-2 6.4.7 順次入力機能」に関連する「謂れなき非難」を受けたときについて想像すると、たぶんある一定数のユーザーが「すでに順次入力機能をOnのまま*4使っていて、それで不都合なく使えている、という実績」があるほうが、世の中に対するアピールという上では有用なのではないかと、私はそう感じています。

*1:2010年7月19日追記……個人的にはこの規格が【高齢者・障害者配慮設計指針】という名称になっていて「ゾーニングによる解決」を図ろうとしていることが、非常にいらだたしくて仕方がありません。JIS X 8341の本来のスコープは【個人の身体機能差】に配慮する、ということであるはず……なのだから、規格名は【個人差配慮設計指針】であるべき、だと思うんですよね。

*2:ここで【今日の「仮名漢字変換システム用同時打けん型入力法 X 9xxx-200x」は【一本指でも親指シフト!】。 - 雑記/えもじならべあそび】として定義を公開したのは2006年ですけど、この定義自体は姫踊子草に「StrokeMode=2」が実装された当初から利用可能だったわけで。

*3:親指シフトキーに「単独打鍵機能」を割り当ててはいけない、という制限があることに注意。それと、親指シフト方式ではなくても「シフトキーに単独打鍵機能を割り当てていない」配列であれば、「順次入力機能」に対応できることにも注意。肝心なのは「親指シフトかどうか」じゃなくて、「シフト機能キーに、単独打鍵で他の機能を割り振っていないこと」にあります……ここを捉え違えると理解できず混乱することになるので、一応解説をしておきたく。

*4:Onにできる環境、よりも、「Onのまま実際に使ってる」ほうが、アピールとして強いものがあると思う。いちいちスイッチを切り替えなくても「同時打鍵できない人」と共用できることの証明になるし。