新親指シフトNICOLA配列「NICOLA-xR」。

(過去(メモ)親指シフトの「かえであすか」、再考。 - 雑記/えもじならべあそび)
(過去:【4月1日終了直前】JIS X 4064について、2009年度改定に向けての公式レビューが開始されたようです。 - 雑記/えもじならべあそび)

 以下の話は、「飛鳥カナ配列」の記号部分&数字部分がさっぱり覚えられなくて、「かえであすか」化を行うときに記号部&数字部を「JIS準拠に差し替えた」経験をもとに書いています。
 私が飛鳥ではなくNICOLAにはまっていれば、きっとNICOLAでも同じことをしただろうな……ということを想像しつつ書いています。


 この記事は、「NICOLAのかな文字配列部分だけ」をJIS規格化した場合に、自然発生的に出現するであろうキー配列を想定しています。
 もちろん、「(だいたいあっているという意味の)JIS準拠」ではなくて、「(きちんと規格を満たしているという意味での)JIS対応」になるところがポイント。
 実際にキーボードが販売されるとすれば、こういう(NICOLA記号部を省略した)キープリントの製品「も」「が」出てくることでしょう……(文字部は覚えていても記号部は覚えていないという、相当数の)ロマかな/JISかなユーザとの共用にも使えますから。


 ちなみにこれは、私が考え付くくらいですから、Qwertyローマ字/JISかなをお使いの方のうち、「記号配列まで覚えなおしたくはないよ!」って人は同じようなことを考え付くはずです。
 仮に現行のJISかな/JISローマ字をJIS規格から排除したりすれば、おそらくはこういう実装を望む声がごろごろと出てくるでしょう……私が考えなくても、いつかは誰かが提案する話だと思います。


 以下には「NICOLA-JR版」のみを提示しますが、原理的には「NICOLA-AR版」も提示可能でしょう。
 親指シフトキーがA版適応キーボードでは確保しづらい……ということがあり、今回は提示を省略することにします。

NICOLA-JR版。

 以下に、NICOLA-JR版(NICOLA-J wiz Roman-qwerty)を示します。
 これは、「(覚えなおす必要性を減らすために)ローマ字入力で慣れた記号位置を生かしたまま、NICOLAのかな部分を使おう」という案です。
 C11位置(Qwerty/JISの「;+」「:*」位置)に「Backspace(挿入モード時用)」または「←キー(上書きモード時用)」を置いた配列についても、別途定義することが可能でしょう……今回はそれを規定しません。
 (2008年7月28日3:48:43追記── D12(゛と゜のキー)は、すくなくともNICOLA-Jで利用される例をほとんど聞いたことがないため、NICOLA-JRではD12キーを別用途に転用しています。このキーは(ふたつめの親指シフトキーを確保するのが困難である)NICOLA-A型では重要な役割を果たすため、NICOLA-AR型においては省略するべきではありません。)

親指シフトの操作方法。
 はじめに、JISキーボードを用いたQwerty英字鍵盤を示す。この英字配列部分は「親指シフトでも共通」である。


【英字モード・小指シフトなし】

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
 
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  z  x  c  v  b    n  m  ,  .  /  ¥  Shift
      Sp a ce         ←灰色キーは親指ホームポジション


また、これに小指シフトキーを付加した場合の配列を以下に示す。
【英字モード・小指シフトあり】

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
   
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  Z  X  C  V  B    N  M  <  >  ?  _  Shift
      Sp a ce         ←灰色キーは親指ホームポジション


 つぎに、JISキーボードを用いて「JIS英字規則を流用したまま」親指シフトを使うための規則である、NICOLA(JR型)のルールを示す。
【かなモード・シフトなし】

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
 
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  .  ひ  す  ふ  へ    め  そ  ね  ほ  ・  空  Shift
      Sp a ce         ←灰色キーは親指ホームポジション

 上に挙げた文字は、単独でキーを押すことで入力できる。
 残りの文字は、以下のように入力する。
 

【かなモード・右シフトあり】

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
   
Tab    
英数     ←灰色キーはホームポジション *1
Shift     び  ず  ぶ  べ    ぬ  ゆ  む  わ  ぉ  ¥  Shift
      Sp a ce         ←灰色キーは親指ホームポジション

 ここにある文字は、キーボードにある「変換」キー*2と【一緒に押す】。


【かなモード・左シフトあり】

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
   
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  ぅ  ー  ろ  や  ぃ    ぷ  ぞ  ぺ  ぼ  ?  _  Shift
      Sp a ce         ←灰色キーは親指ホームポジション

 ここにある文字は、キーボードにある「無変換」キー*3と【一緒に押す】。


【かなモード・小指シフトあり】

 
  小指 タッチタイプ用の代表的な指使い
 
Tab  
英数   ←灰色キーはホームポジション
Shift  空  ぴ  空  ぷ  ぺ    空  空  空  ぽ  空  空  Shift
      Sp a ce         ←灰色キーは親指ホームポジション

 ここにある文字は、キーボードにある「Shift」キー*4を【押しながら、文字キーを押す】。

NICOLA-xR版における配列ポイント。

  • 覚え直しが少なく、かつ打鍵ミスが出にくいように、旧来のキー配列をなるべく継承した。
    • JR版における最上段領域はQwerty(JIS)に準拠した。AR版においてはQwerty(ANSI)に準拠するべきである。
    • 親指キーによるシフト面のうち、左シフト面の右手側キー領域については、Qwertyロマかな/JISかなで使われている位置を継承した。

*1:C11に配字していた「;」は、JISキープリントに合致していないため排除しました──2008年7月28日3:44:40追記。

*2:あるいはスペースキーでも良く、任意に設定できる。

*3:あるいはスペースキーでも良く、任意に設定できる

*4:いわゆる「小指シフト」キー。