ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術を読了。

ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術

ねばちっこい経営 粘り強い「人と組織」をつくる技術

 「当たり前のこと」を「一時期だけやる」のであれば、当たり前にできる……のだけれど、それがなぜ「愚直に続ける」ことだけはできないのか……という所について、良いケースと悪いケースを引き合いに出しつつ、詳しく分別して説明している本です。
 できてる企業は「ただの根性論で動いているわけではない」というところを、割とすんなりと理解できるというのはいいですね。
 捉え方によっては根性論っぽくも読めてしまうところは微妙なのですが、基本的には「仕組み系」でシステムを回すことの有用性を示しています。


 「経営」と書いてあると現場向きではないように見えるのだけれど、話の向きは

大野耐一の現場経営

大野耐一の現場経営

に似ていて、現場で働く人にとっても納得できる話になっているところが、面白いと思います。


 「うちの会社はどーせトップダウンのままだから、何にも変わらないよなぁ……」なんて思っているのならば、この本を読んでみて「そんな中でもできることを探す」と良いかもしれません。
 「当たり前のこと」が「なぜできないのか」と聞かれても、「なんとなく、できない理由を考える」ことだけで「うまくやる方法が思いつかない」……という悩みを抱えることは多々あると思うのですが、そういった場合に使えそうなヒントがこの本には含まれています。


 発行順序としては

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み

よりも後に出ている本ですが、(この本が一番とっ散らかることなく記述されているため)読書順序としては「見える化」よりも先に読んでおくことをお勧めしたいところです。