(たぶん再考ネタ)シフトキーの操作コストは何打鍵分なのか。

(未来:(続きネタ)シフトキーの操作コストのうち、「連続シフト」は何打鍵分なのか。)


 さいきん月配列スレッドで拝見した、なかばおなじみになりつつある話……なのだけれど、思い返すたびに「シフトキーには何打鍵分を加算するべきか」というところについては悩んでいたり。
 神田さんと森田さんによる論争は、神田さんのところのドキュメントを読んでいただくとして……行段系(ロマかな含む)のプレフィックスシフトも、親指シフト系の親指同時打鍵も、個人的には「押し下げに0.3打鍵、押し上げに0.3打鍵」のコストがかかる……というのが、妥当な線なのではないかな、と考えています。
 #非同時打鍵系なら押し上げについては考慮しなくても良い……と思いがちなのだけれど、非同時打鍵系では複数のキーを「一度押したキーを押しっぱなしにして、そのまま離すことなく続けてさらに押して打鍵していく」こと自体が打鍵速度の足を引っ張りかねないので、結局かかるコストは同じなのではないかと考えています。


 理由は……この点について「実験的に値を導いた例」が、新JISかなの設計資料に載っているから。
 新JISかな配列の神新JISかな配列の設計者である渡辺さんによる実験では、シフトを含む打鍵時間が1.3打鍵から急激に上昇し、1.5打鍵にかけて緩やかになるというカーブを描くグラフが掲載されています。
 そのグラフをハンドライティングで延長していくと、どうもこのグラフは1.6打鍵あたりで頭打ちになりそうだな……と、最終的には適当な理由なのですけれども^^;。
 とはいえ、この手の話を「頭で考えずに、指を動かして実測した」例は、当時ほかには何ら示されていなかったはずで……余計なバイアスのない実測値から推測した値を用いる方が、脳内推測値を元にするよりは百万倍はマシな推測値を得られるはず*1ですので、ひとまず「(確定用の打鍵をのぞいた)シフトの打鍵コストは、Off-On-Offのシーケンスに0.6打鍵かかる」と見なすほうが、全体的には自然なのかもしれません。


 同時打鍵シフト系では、この点でのシフトコスト増加を嫌って

  • 非連続シフト方式を使って、シフト側を使う回数そのものを減らす。
  • 連続シフト方式を使って、シフトの変移回数を減らす。

という方法を使う……というのは、今更説明の必要もない話ですね^^;。
 非同時打鍵系では、プレフィックス方式/ポストフィックス方式であれば上の方法を、ロッキングシフト方式(モード切替方式)では下の方法を使うことになる……と。
 親指シフト系では親指位置に拘束されて「おいしく使える位置が限られてしまう」という都合はありますが、その点を考慮しなければ

  • 非連続シフトな親指シフト系配列と、プレフィックス方式/ポストフィックス方式配列とでは、配字指針が根っこの部分では似てくるはず。
  • 連続シフトな親指シフト系配列と、ロッキングシフト方式(モード切替方式)配列とでは、配字指針が根っこの部分では似てくるはず。

なのかもしれません。


 ……これ以上は考えがまとまりそうにもないので、ひとまずこの件は放置させてくださいorz。

*1:脳内推測というのは、鍵盤配列「そのもの」の設計には必要なんですよね……ところが、この手の「観察」をするにはなかなか向かない様に思っています。