石川県の門さんによるctrlswapmini対応入力法「新型ポケベル方式」。

(参考:効率的な「ケータイ入力法」の話。)
(参考:携帯入力関連2題についての質問)
(未来:携帯電話用の文字入力方式で必要な打鍵数の試算、現行携帯電話編。)
(未来:12キー方式のローマ字入力「iuTAP」で、打鍵数はどうなるのかを計算してみるテスト。)


 はてなアンテナ経由で、「ctrlswapminiキーマップ集」がアップデートされていることを知りました。
 ……で、ここで7月アタマに登録されたキーマップが結構イケてると感じましたので、ちょっと調べてみようかな……と。


 まずは【かな入力モード】から。
 2打鍵確定で、12個あるキーを全て使う(このあたりは、10キーのみで作ったかえで携帯配列とは異なる)方式です。
 それと、2打鍵確定後に「*」キーを押すと、ひらがなだった文字が消えて英字に差し替わる「後変換」を採用しています。

× ○1 ○2 ○3 ○4 ○5 ○6 ○7 ○8 ○9 ○0 ○* ○#
1○ ぎゅ ぎょ
2○ きゅ きょ
3○ しゅ しょ
4○ ちゅ ちょ
5○ にゅ にょ
6○ ふぃ ひょ
7○ 半ス 全ス ちぇ 予備 てぃ みょ
8○ じぇ 改行 じゅ じょ
9○ りゅ りょ
0○ びゅ びょ
#○ ぎゃ きゃ しゃ ちゃ でぃ ふぁ みゃ じゃ りゃ ぴょ 予備 切換え
× ○1* ○2* ○3* ○4* ○5* ○6* ○7* ○8* ○9* ○0* ○** ○#* 3打目の「*」は後変換機能のこと。
1○ , . - / : @ ~ _ [ ]
2○ a b c A B C > { }
3○ d e f D E F \ + = ;
4○ g h i G H I ^ `
5○ j k l J K L
6○ m n o M N O
7○ p q r s P Q R S
8○ t u v T U V
9○ w x y z W X Y Z
0○ ! " # % & ' ( )

 かな入力部分のポイントは、以下の幼音節を2打鍵で打てるようになったこと……ちょうど、姫踊子草配列や下駄配列が採用した「かな系配列での幼音節サポート」が、ケータイ上でも生かされていることになりそうです。

  • #キー先行での【gya/kya/sya/tya/dhi/fa/mya/ja/rya/pyo】
  • *キー後行での【gyu/kyu/syu/tyu/nyu/fi/thi/ju/ryu/byu】
  • #キー後行での【gyo/kyo/syo/tyo/nyo/hyo/myo/jo/ryo/byo】


 ……で、ためしに「雑記打」のメモ。から「この日記の縮図」なお題を拾ってきました。
 もちろんローマ字入力が不利にならないように、小書き文字が打ちやすいように組み合わせをいじっています。
 従来の比較と同じく、Kodama携帯配列にあわせるためにカギカッコ類を4字抜き、全体で230文字(かえで携帯配列では460打鍵)となります。

──新型ポケベル方式テーブルから算出──
【2打鍵文字】2打鍵×219文字=438打鍵
、、、、、。。。。あああいいいいいいいいいいいいいいうううううううううううええおおおかかかかかかかかかががががくくくくくけけげここここごささしししししししししじじじじすすすすすすずせせそそたたたたたただだだちちっっっっつつつつてててててててでででででととととととととどどななななななにににににねののののののははははははばひひびふふぶへほまままままみみむめめももももやゆよよらららりりりるるるるれれれれろわをををんんんんんんんんんんーーー
【2打鍵の組文字】2打鍵組み×6組=12打鍵
きゃきゅきゅきょきょぎょ
……新型ポケベル方式では、合計で450打鍵。

 今回は「文章中の全ての幼音節が、今回の省略定義にヒットしている」ものとして計算しました……普通であれば「そんなテキトーなことじゃダメじゃん」という感じなのですが、拗音の出現回数はそれほど打鍵数には影響しないので、今回は新型ポケベル方式が有利になるようにしても、支障はないと思われます。


 全体の打鍵数は上記のとおり450打鍵で、高頻度かなの打鍵数を減らした12キー入力法(かえで携帯配列(改)-425打鍵Kodame携帯配列-421打鍵など)のような、打鍵数を削減する効果はあまり出ていないようです。
 ただし、配列設計方針にあるとおり、この入力法のコンセプトは「(ほぼ)2打で一音節」であり、その目的は十分に果たせるはずです。かな系入力法が目指す方向性としては、こういう方向もやっぱりアリなんだよな〜と思います。
 10キーでは2.0打鍵/かなになるとして、そこから2キーを増やした分を「どういうことをするために割り振るか」というところが、今後の携帯電話用入力法における、一つのキーポイントになりそうだな……と感じました。


 個人的には、(かな入力法・ローマ字入力法に関わらず)「テンキー入力を使う限り、濁点入力のために打数が増えてはもったいない」というところの認識が、きちんと「新型ポケベル方式」にも取り入れられていたことに安心してみたり。
 こうやって新しい入力法がいくつか提案されてくると、そのうちメーカーさんでも何らかの方法を提案してくれる日が来るのかも……と、少しばかり期待してみたくなります。
 

 しかし……前回、私はこんなことを書いていたわけですが……今では軽率だったと後悔していますorz。
 ……で、英字入力については(出現頻度などがわからず判断しようがないため)今回は取り上げないことにしました……orz。

ちなみに。

 個人的には……ですけど、今回も心動かされる(=自分で使ってみたいと感じる)状態には至りませんでした。
 「入力手順は極力シンプルに」「運指範囲は極力狭く」「打鍵数は例外なく定テンポで」の条件を保持しつつ、かつ「親指シフトの考え方で満足できている」身からすると、今のところはかえで携帯配列が一番向いている気がします。
 今後さらにctrlawapminiを利用した新入力法が提案されることを期待しつつ、ケータイ入力法に注視して行きたいところです。
 それにしても、毎回思うのですが……やっぱり「ctrlswapminiはすごい」な、と。