最近見つけた、ケータイの文字入力法「文字ファイター」メモ。

(未来:石川県の門さんによるctrlswapmini対応入力法「新型ポケベル方式」。)


 ……というよりは「今まで見落としていた」という方が正しいと思う。
http://www.panas-db.com/new.htm
http://www.panas-db.com/test.pdf
http://www.panas-db.com/cont.pdf
 「画面ガイド付きポケベル入力」の一種、2002年製。
 こういう条件がつくと「特許」が成立するんだ……と思うと、さすがに驚いてしまう。


 「画面ガイド付きポケベル入力」としては、Panasonicの「ニコタッチ」が有名。
http://ufcpp.net/study/misc/nikotouch.html
 配列を見る限り、ほとんどコンセプトは同一だと思う。

  • ニコタッチは「濁点・半濁点を*のトグルで出す」が、この方式は「濁点は08、半濁点は09と2タッチで出す」ので、入力効率・操作性ともに悪化している(濁点操作が対カナモジで一割必要だということについて考慮していない)。
  • ニコタッチは「小文字英かなの操作にモード変更が必要」であるが、この方法は「カナに限っては小文字をモード変更なしに出せる」。ただし、入力ガイドのメリットを最大限に生かす配列ではない&意外と多用する「ヤ行小書き文字」が打ちやすい配列ではないという点が気になる。それと、英小文字はどうやって出すのか不明。


 本来、「かな大文字←→かな小文字」や「かな濁音&半濁音&記号←→かな清音」のシフトは、少なくとも「かな←→英字」よりもはるかに多く発生するのだから、前者のコストを圧縮するほうが「より高効率になる」……はずなのだけれど、この配列では途中までしか考慮されていないところが惜しいと思う。
 濁点・半濁点は別打ち2打鍵なので、おおむね打鍵効率は2.2打鍵/かなになると思う。ニコタッチでは小文字入力にシフトが必要だけれど、濁点操作のコスト分だけ引き戻されているから……おおむね似た入力効率になると思う。
 当時から、ガイドつきのローマ字入力方式では「Kodama」(1.99打鍵/かな)があったような気がするし、ポケベル入力をガイド付きでやるなら「かえで携帯配列」(2.0打鍵/かな)のように配字するほうが自然だと思うのだけれど……うーん。


 (2006年までの入力法についてはどうこう言うつもりはないとしても)これからのケータイ端末用入力法で「これは【最も高効率】だ」などと自称するのであれば、せめて「濁音・半濁音・記号類を含めて」次の効率を実現していただきたいところ。

  • 【1234567890】の10キーであれば、(かえで携帯配列が持つ)かな230文字あたり460打鍵(2.0打鍵/かな)よりも効率が良いこと。
  • 【1234567890*#】の12キーであれば、(かえで携帯配列(改)が持つ)かな230文字あたり425打鍵(1.85打鍵/かな)よりも効率が良いこと。
  • 【1234567890*#ABC】の15キーであれば、(カシス配列が持つ)かな230文字あたり401打鍵(1.74打鍵/かな、Qwertyローマ字入力と同等)よりも効率が良いこと。

 これぐらいの効率は確保してもらわないと「宣伝に偽りあり」になってしまいます。
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20070528/1180370529
 「片手で持って、その片手のみで操作する」「机において、片手の1〜3指のみで操作する」の両方が満たせないと「ケータイが使われる全てのシーンで使える入力法」としては適さないから、もちろんその点も考慮して欲しいと思うし。


 ……とはいえ、実際のところは「入力効率のよさを打鍵数だけで図るのはナンセンス」ですから、「運指距離」やら「既存入力法との互換性」についても考慮しつつ、数字上のスペックではなく「実際に使って快適かどうか」という段階に踏み込んだ検討を行っていただきたいところではあります。
 ケータイ関連のキャリア・メーカーが、あまりこの手の新提案を出していらっしゃらないところは気になりますが……とりあえずは、今スマートフォンで使われている「親指2本でQwertyローマ字入力」をするよりはマシ、といえる入力法が設計できるかどうかが、今後の「テンキー入力法」における、一つの目標になりそうな気がします。


 いずれにせよ、今後どういう入力法が提案されるのか、という点については楽しみにしています。