W-ZERO3[es]使いな方に、たった一度……一泊二日だけでよいので、テンキーを使った日本語入力法の「かえで携帯配列」を使ってみて欲しいな……と。


 いきなりですが……最近、こんな本が巷で人気になっているようです。

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法

 「努力・根性・意思には頼らず、環境をそろえてやり方を変えよう」というルールを提案する、ちょっと変わった勉強本です。
 この本による提案の一つ(pp.56-59)には

  • 学習によって覚えた知識は、同じ量だけ自分の言葉で整理し表現しないと身につかない。
  • 多量の表現を行うためには、少しでも高速に入力できて、自分に合う日本語入力法が必要。

という趣旨が含まれていて、今回の話はこれに絡んでいます。


 私はW-ZERO3初代を使っていた時代に、フルキーボードで高い入力効率を実現するための「秋月かな配列」というものを製作し使っていました*1
 この入力法、確かに入力効率はよかった(ローマ字入力比で20〜30%の改善)のですが、どうしてもタッチタイプをすることができず、結局身につくことはありませんでした。
 この失敗から、次の反省点を得ました。

  • ケータイで練習すると指が痛くなるので、ケータイに複雑な入力法は採用できない*2
  • 親指を単独で大きく動かし続けると、親指の付け根に負担がかかり指が痛む*3
  • 両手を使う入力法では利用シーンが限定され、それだけでもかなりストレスになる。


 後に、当時の反省点をもとに助言を頂きつつ、W-ZERO3[es]を入手する前から少しずつ新しい入力法を作成しました*4

  • 練習量最小で使えるように、可能な限り単純な規則を使いました。
  • よく使うひらがなほど、少ない指の移動量で入力できるようにしました。
  • 片手で使えるため、利用シーンが制限されません。

 入力効率は若干悪い(ローマ字入力比で15%の改悪)のですが、それを補ってもお釣りが来るメリット──大きなボタンを使える・片手で入力できる・指を動かす量が十分に少ない──があり、「自分にとって合う日本語入力法を作る」という、当初の目的は達成できました。
 残念ながら英文入力に関しては中途半端な状態となっていますが、和文入力に関しては【それなりに覚えやすく、それなりに使いやすい】物ができたのではないかな……と考えています。


 「かえで携帯配列」は決して【ケータイでは最高効率の日本語入力法】などと言える様な代物ではありません。
 しかし、もしも一両日お試しいただけるようでしたら、「ctrlswapmini」と「かえで携帯配列キーマップ」をダウンロードしてみてください。
 一泊二日使っていただいた上で【ケータイでも、日本語入力のやりやすさは変えられるのだ】ということを感じていただけたならば、私としてはそれで十分にうれしく思います。
 

 以上、ご精読いただきありがとうございます。

ちなみに。

 「かえで携帯配列」でひらがなを並べた理由について、以下のURLでだらだらと解説しています。
 http://www.kanshin.com/keyword/1064424
 文を整理していないので、お暇がある方にご覧いただければ……と。
 ただし、なんとなくお読みいただければ「文字がどこにあるのかを覚えやすくなる」……かもしれません。

*1:秋月かな配列は結局、納得いかないままに4回改訂しました。ほかにも、Qwertyローマ字入力をなるべく生かしたCORONAなども試しました。ローマ字入力か・かな入力かにこだわることなく、とにかく使いやすい入力法が欲しかったのです。

*2:10本指で文字入力する「パソコンのキーボード」では、指が痛みにくい入力法を選んで使うことで、この問題を回避できます。しかしケータイでは、1本〜2本の親指を無理なカタチで使うので、そもそも「練習をしまくって覚える」という力技が使えないのです。

*3:いわゆるブラックベリー指。em1keyoyayubiwmで実現できる「親指シフト」方式でも親指は多用しますが、こちらは親指で押すべきキーが1個〜2個しかないため、この手の問題はあまり発生しないようです……と、これは似た入力法を2年以上使いまくったうえでの感想。

*4:三菱製のFOMA D800iDSが似た入力法を採用していたことには驚きました。D800iDSではTRONキーボードを50音化することに注力したらしく、半濁音と記号類の入力に対する考え方が異なっています。