【JISX4063綴りのローマ字入力は入力効率が悪い!】とか書いたら色々問題が起きるだろうか……。

 今まで「ローマ字入力の効率について延々と分析して(以下略)非効率であると勝手に断言してしまう。」という例はあったような気がするけど、その切り口は何かが間違っているような気がしてきた


 (JISX4063綴りのローマ字入力以降に製作された)大抵の入力法というのは「(その入力法が目指す方向性においては)ローマ字入力よりも使いやすくなるように設定している」例ばかりなのだから、(その入力法が目指す方向性においては)ローマ字入力よりもよいのは当然なはずであって、比較しようとすること自体がナンセンスな気がする。
 それに、JISX4063ロマかなにはJISX4063ロマかななりの利点があることは動かしがたい事実。「どこでも使えるという意味では、現時点では限られた選択肢の一つである」とか、「中途半端ではあっても英【字】配列を覚えられる」とか、「派手なアクション&打鍵数の多さで仕事をしているように見える」とか……^^;
 #会社で久しぶりに打鍵数がかさんで、ちょっとイライラし始めているのですよ……あぁ、落ち着かないとorz。


 普通に考えると「わかりやすさ優先!」の50音順配列とか、「漢字の直接指定を優先!」の漢直系配列などは、「かな漢字変換で使えば」入力効率がよいとは限らないけれど、それぞれ理由があってそうしているのだから、これらも直接比較するのはナンセンスですし。
 #たとえば……漢字の選択は機械に任せたい!という人は普通にIMEを使って選択コストを背負うだろうし、漢字の選択は自分でやりたい!という人は漢直を使って習得コストを背負うだろうし……と。


 「入力方法の優劣は絶対的」という話は、「ある特定の人間にとっての、入力方法の優劣は絶対的」であって、「不特定多数にとっての、入力法の優劣は相対的」なのではないかな、と。


 とりあえず、「標準語標準入力法としてのQwerty/JISX4063ローマ字入力」は、もうそのままでいいんじゃないかと思う……いまさら取り返しなど付かないし。
 この件に関しては、自分にも責任の一端はあるんですよね……10年後とかになって「テメェ、今まで騙してやがったのかよ!一人だけズルしやがって!」とか突っ込まれたら、もう素直に平謝りするしかないですorz


 ……で、ふと思ったのだけれど。
 入力法に限らず、世の中って大体こういう風に推移しているのではなかろうか。

年代 概要 視点 代表例
1950年〜1970年 「スポーツ根性」時代。 不明。 千本ノック。
1970年〜1990年 「物理学万能論」時代。 「スポーツ根性」の反省会。 米国式科学トレーニング、なんでも測定→分別せずに平均&合計をとって満足、可視化。
1990年〜2010年 「生物学万能論」時代。 「物理学万能論」の反省会。 古武術ゲノム解析?体に訊く?
2010年〜2030年 「人間好学万能論」時代……? 「生物学万能論」の反省会。 大量生産&大量消費の終焉……?


 とりあえずロマかなを使えるようにしましょう……ってゆーか、今は学校でやってるんでしたっけ。
 ……で、「ロマかなはバッチリ!」になるか、「ロマかなは覚えられなかった……orz」という時点で、始めて他の入力方法について調べてみる……と、大体そんな感じで。
 #調査については個々人が勝手にやってくれさえすれば、それでいいような気が……それを「学校に期待してはいけない」ことは、だいぶ前にはっきりわかった気がしますし。


 ……あまりのんびりやっていると、「パソコン=両手で操作しなきゃ使えない48キー鍵盤=全指タイピングでばらばら配列なので覚えるのが面倒=ロマカナしか教えられてないから1.5打鍵/カナ」という意識が根付きかねないので、さすがにそれはマズいかなぁ……という気はする。
 とはいえ、この手の評価は「お子様時代に習得して、そこから20年ぐらいしないとハッキリしてこない」気がするので……ロマかな教育が本格化してから5年ぐらいだろうから、集団教育の結果が出るのは……あと15年先ぐらい先の話になるのかも。


 学校では必死でロマかな教育をしているみたいだけど、イマドキのお子様(に限った話じゃないな……)は、「ケータイ=片手で操作できる12キー鍵盤=かなめくり入力は単純な行配列+段はタップ数で指定のシンプル設計=親指1本で済むのでタッチタイプ習熟しやすい=2.12〜2.5打鍵/カナなので、短文を打つなら十分高効率」だということを、教わらなくても「体感している」から……そのまま「パソコンなんて所詮はデカいだけの代物だし……」とか思われて終わってしまいそうな予感もする。


 キーワード【日本語電子タイプライタ「OASYS」】は、そのあたりの危機感を記してみたつもりなのだけれど……効果があるかどうかは不明。
 とりあえず、パソコンが「多くの人にとっては入力&検索の道具としてしか使われていない」様ではどーにもならない。現時点できちんと「多くの人にとって推敲の道具として使われる」時代が来ているのかどうかは解らないけれども、まだそういう時代は来ていない気がする……し、今のままでは「それがきちんとくるかどうかすら不安」だったりもする。
 ロマカナが合う人はいいだろうけれども、合わない人にとっての選択肢が狭いままでは不味いような……。


 最近、富士通のJEFに関する記事が取り上げられたけれども、どこかできちんと「日本語電子タイプライタ」に関する記事を取り上げてくれないだろうか……あえて親指シフトの話を取り上げなければ*1、記事としてはかなりいい仕上がりになりそうな気がするのだけれど。


 20年先の未来なんて当然読めたりはしないのだけれど、今後がどうなってゆくのかはとても気になっていたり。

*1:記事に親指シフトのことを書かなければ、興味を持った人だけがOASYSについて検索し、最終的には「記事にはなかった、親指シフトという概念」にたどり着く。前世紀はPush法で失敗したのだから、今世紀はPull法をとるべきなのかもしれない。