連続シフト系配列と同期打鍵系配列の「見かけ上の違い」について思考してみるテスト&「慣れの問題」を要素分解してみるテスト。
「同時シフト」というとややこしいので、「同期シフト(文字打鍵後は自動的にシフトオフする)」と「連続シフト(シフトオフ操作は完全に手動)」に分けてみます。
同期打鍵系配列を長く使用した場合(想像、仮にNICOLAを配列として提示)。
【無シフト面のKを打鍵した場合の打鍵イメージ】 。かたこさ らちくつ,、 うしてけせ はときいん .ひすふへ めそねほ 【左シフト+Kを打鍵した場合の打鍵イメージ】 。かたこさ らちくつ,、 うしてけせ はとぎいん .ひすふへ めそねほ 【右シフト+Kを打鍵した場合の打鍵イメージ】 。かたこさ らちくつ,、 うしてけせ はとのいん .ひすふへ めそねほ (from http://nicola.sunicom.co.jp/spec/jisdraft.htm)
連続シフト系配列を長く使用した場合(想像、仮に飛鳥21c290を配列として提示)。
【無シフト面のKを打鍵した場合の打鍵イメージ】 「ーじぴ% −・とはへ 」¥ きしうてぎ ゆんいかた け退 ほせみぶび ゃっょゅめ , 【左シフト+Kを打鍵した場合の打鍵イメージ】 ざねえぁぅ ぇぃよふ! )_ ださありぉ ずるすまで げ避 ぜひちばヴ やが、。? ¥ 【右シフト+Kを打鍵した場合の打鍵イメージ】 (べれぺ& ぢ〜そこぞ ご無 わおならぬ ぼくのつに ろ退 ぷぐぱづ* むをどもぽ /
親指シフト・中指シフト・小指外方シフト・文字キー同士シフトの何れの方式でも関係なく、「文字が連続的にシフトされるかどうか」という唯一点の違いによって、こういう感覚の差が生まれるのかも……と想像しています。
かえで式で久しぶりにNICOLAを試したり、あるいは始めて小梅1.21を試したときには、「同期打鍵系配列」のイメージがパッと浮かびました。いわゆる同時打鍵ロジックは「シフトに入っても自動的にアンシフトに戻る」ので、結果として「アンシフトが多ければ多いほど楽」であり、配列側でもそれに見合う設計をするのですから、さらにそういう傾向になります。
「連続シフト系」配列の場合は「シフトに入ったらキーを離すまでアンシフトに戻らない」ので、結果として「同じシフト面が続けば続くほど楽」であり、配列側でもそれに見合う設計をするのですから、さらにそういう傾向になります。
……って、ホントにこんな解釈であっているのだろうか^^;。
私が勝手にこう思っているだけなので、突込みをよろしくお願いいたします。
「慣れの問題」については長くなってしまったので、お暇な方のみご覧ください。
……で、なんでこんなことをわざわざ書いているのかというと。
ketttさんとこでコメントを書きながら気づいたことなのですが、私は飛鳥を使う場合に「異手親指との連続シフト」しか使っていないっぽいのです。
言い換えれば「同手親指との連続シフト」はあまり使っていない……と。
たとえば「どころ」という語を打つ場合は、連続シフトで「どころ(右{,o:)」とは打たずに同時打鍵で「どころ(右,右o右:)」と打っています。
これは私が使っているキーボードと親指の位置関係(親指を曲げて打っている)から来る制限で「同手側は連続シフトしづらい」から同時打鍵で処理している気がするのですが、では「どころ」を打つときに迷ったり打ちづらかったりするのか?……と言われると、不思議とそういう気がしないんですよね。
私の場合、「どころ」を打つ場合のイメージは大体こんな感じです。
【右シフト+同手文字キー「,o:」を打鍵する場合の打鍵イメージ】 こ ろ ど
このときに「右手は同時打鍵用に手を形作って、掌ごと上下させる」癖が付いています。
人差し指から小指までは割と器用に上下できる(2キー以上を押したりしないように上下関係を制御できる)のですが、親指まで一緒に上下させようとすると途端にしんどくなってしまいます(これも親指を置く位置が関係しているのかもしれないですね……)。
「私は親指について【押す】【押さない】の状態変化を頻繁に行うのがツラい」=「私は親指について【押す】【押さない】の状態変化をあまり行わないほうが楽」だから、飛鳥にはまったのかも……と、そんなことを考えていました。
私は「同手連続シフト」を「慣れれば出来るようになるか」という視点で見る。
それは私にとっては無理かな……と。
21c290版の使い始めから数えても既に6四半期が経っているわけですが、それでも自動化の「じ」の字すら付かないような状況ですし、何よりそれで困っていない(^^;)のですから。
ではこれは「慣れ」の問題なのか。
うーん……どう表現すればいいのだろうか。文章で表現しづらいので「式」にしてみました(イイノカソレデ)。
「主体が持つ長期的な記憶力(記憶の維持力)」×「主体が記憶力の維持に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ短期的な記憶力(即時暗記力)」×「主体が記憶時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」※移行時のみ
+)「主体が持つ右手小指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右手薬指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右手中指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右手人差し指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右手親指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右手首の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右腕の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ右肩の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左手小指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左手薬指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左手中指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左手人差し指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左手親指の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左手首の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左腕の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が持つ左肩の運動能力」×「主体が操作時に感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」
+)「主体が練習に使用した練習法」×「主体が練習法で感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」※移行時のみ
+)「主体が練習に費やした練習時間」×「主体が練習に時間を費やして感じるストレスの度合い」×「慣れによる補正値」×「加齢による補正値」※移行時のみ
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=)主体が新配列を覚える場合の操作時に感じるストレスの総量【移行ストレス総量】
※移行時のみの部分を抜いたストレスの総量は【継続ストレス総量】「【継続ストレス総量】(主観値) ≦ 【移行ストレス総量】(予測値)」ならば、従来の手法を継続する。
(但し、キーボードのサイズと手のサイズの関係が変わった場合は、上記の式は有効ではないことに注意)
と、こんな感じでしょうか……ずいぶんと乱暴な式ですけど^^;。
肝心なのは、「慣れによる補正値」と「加齢による補正値」が、他のパラメータとまったく同様に【全ての項目に対して一様に働くわけではない】し、【全ての人に対して一様に働くわけではない】ということだと思います。
というか、慣れによる補正がどこまでも効くのならば、10年近くローマ字入力をやってきた私は既に「ローマ字入力でバッチリ満足できていなければおかしい」はずなのですよ……orz
しかも、上に挙げた要素だけでは全然足りていないことが目に見えていますし、上に挙げた要素だけを見ても一次元的な数値で捉えられるかどうか微妙ですから……ある程度のグループ(=複数の入力方式)にまとまってピークが出るとは思いますが、一つの値(=一つの入力方式)に収束する可能性はきわめて低いと思います。
ちなみに、(この記事に検索でたどり着いた方がいると大変なのできちんと書きますが)私がここで「加齢による補正値」というパラメータを導入しているのは嫌味でもなんでもなくて、私自身が入力方法を切り替える事となった【一番大きな要因】が「加齢」によるものだったからです。
上記の式に沿って自分のことを説明してみると……
私の場合、満足に入力できるぎりぎりの値……ローマ字入力でわずか300キー/分しかなかった打鍵速度が「二十歳を越えたあたりから緩やかに降下し始めた」ので、日を追うごとに【継続ストレス総量】は増して行くばかりでした。
英字入力が必要なかった頃はJISかなで満足に打てていました。その後若かりし頃はローマ字入力で満足に打てていました。
【継続ストレス総量】が低かった時期が長すぎたせいで、今になって「加齢に伴って増加した【継続ストレス総量】が重荷になり始めた」というべきなのかもしれません。
JISカナへの【移行ストレス総量】はとてつもなく膨大だと信じていました。ゆえに、その選択肢を当時本気で選ぼうとはしませんでした。
親指シフトとAZIKには何度となくトライしていましたが、こちらも【移行ストレス総量】に打ち勝てず戻る日々が続きました。
あるとき「AZIK」への移行に半年かけて成功してから(注:気長にやると腹に決めた分だけ【移行ストレス総量】が減った)、「時間さえかければ何とかなる」と思うようになりました。
その勢いで親指シフトに取り組み始めましたが、色々あって(注:【移行ストレス総量】を増加させたのはキーボードと練習法の絡みかも)4ヶ月で挫折。
飛鳥の場合は……Web側の日記を見ると「小指の連続使用頻度が低い」・「拡張ロマかなの特殊拡張っぽい入力ができる」・「見た目ほどややこしくはない」というあたりが気に入って使い始めたらしいです(注:2年前のことは詳しくは覚えていないのです……orz)。
まとめ。
「慣れれば何とかなるさ。」は慣れた人が言う言葉です。
慣れていない人にはピンと来ませんし、慣れることが出来なかった人にとってはグサリと突き刺さります。
泳げない人(私だ……orz)に「慣れれば泳げるようになるさ。」とか言っても効果がないのと同じ。
がんばってる人に「がんばれば何とかなるさ。」とか言っても逆効果になるのと同じ。
本気で誰かが慣れるまでサポートするのならば、その人が持つ重荷のうち半分を自分が担ぐとか、その人が持つ主にそのものが半分で済むような方法を一緒になって考えるとか、おそらくそういうことが必要になるのだと思います。
「運動能力」「ストレス」「慣れ」「加齢」「記憶の維持力」「即時暗記力」「練習法」「練習時間」のうち、何を仕掛けの側でフォローすることができて、何が仕掛けの側では解決できない問題なのかは、私には判断が付きません。
……こう考えると、そろそろ「かえで式」はフィールドテストに出さなければならないのかもしれないですね。
「ローマ字かな入力・最小記憶版」を作成して、ひとまず様子を見るほうがいいのかもしれないですね……うーむ。